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公開番号
2025096881
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-30
出願番号
2023212849
出願日
2023-12-18
発明の名称
アーチ架構
出願人
株式会社竹中工務店
代理人
個人
主分類
E04B
1/32 20060101AFI20250623BHJP(建築物)
要約
【課題】主部材を木製等の大きな曲げ耐力を確保し難いものとしながら実現可能なアーチ架構を提供する。
【解決手段】上層側アーチ架構部1と下層側アーチ架構部2を有する複層構造に構成され、上層側アーチ架構部1を構成する多数の上層側アーチ梁11と、下層側アーチ架構部を構成する多数の下層側アーチ梁21とを、上下方向で位置ずれさせて平面視で交差状態に積層配置して構成されているアーチ架構Kであって、上層側アーチ梁11及び下層側アーチ梁21の先端部が接合されるコンプレッションリング3が架構頂部に備えられ、そのコンプレッションリング3は、上層側アーチ梁11の梁せいH1と下層側アーチ梁21の梁せいH2の合計以上の高さ寸法H3を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
上層側アーチ架構部と下層側アーチ架構部を有する複層構造に構成され、
前記上層側アーチ架構部を構成する多数の上層側アーチ梁と、前記下層側アーチ架構部を構成する多数の下層側アーチ梁とを、上下方向で位置ずれさせて平面視で交差状態に積層配置して構成されているアーチ架構であって、
前記上層側アーチ梁及び前記下層側アーチ梁の先端部が接合されるコンプレッションリングが架構頂部に備えられ、そのコンプレッションリングは、上層側アーチ梁の梁せいと下層側アーチ梁の梁せいの合計以上の高さ寸法を有しているアーチ架構。
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
前記上層側アーチ梁及び前記下層側アーチ梁が、多数の直線状木材を折れ線状に接合して構成され、
前記上層側アーチ梁と前記下層側アーチ梁の一方は、直線状木材どうしの接合部が固定ジョイントとされ、
前記上層側アーチ梁と前記下層側アーチ梁の他方は、直線状木材どうしの接合部がピンジョイントとされている請求項1記載のアーチ架構。
【請求項3】
前記下層側アーチ梁は、直線状木材どうしの接合部が固定ジョイントとされ、
前記上層側アーチ梁は、直線状木材どうしの接合部がピンジョイントとされている請求項2記載のアーチ架構。
【請求項4】
前記上層側アーチ梁と前記下層側アーチ梁との交差部が、位置保持手段にて位置保持されている請求項1~3のいずれか1項に記載のアーチ架構。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、大空間を有する建築物に利用可能なアーチ架構に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上層側アーチ架構部と下層側アーチ架構部を有する複層構造に構成され、上層側アーチ架構部を構成する多数の角形鋼管製の上層側アーチ梁(フレーム部材10)と、下層側アーチ架構部を構成する多数の角形鋼管製の下層側アーチ梁(フレーム部材10)とを、上下方向で位置ずれさせて平面視で交差状態に配置して構成されている鉄骨造のアーチ架構が開示されている。
このようなアーチ架構では、上層側アーチ架構部の上層側アーチ梁と下層側アーチ架構部の下層側アーチ梁との交差部において、両アーチ梁が相持ち状態に相互に支え合うことで架構全体の変形量を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6846171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の鉄骨造のアーチ架構は、架構外周側において各アーチ架構部が自重で外側に広がろうとする力に対して軸方向の引張耐力で抵抗する鋼線製のテンションリング(26)が設けられているものの、各アーチ梁は先端側を遊端側とする片持ち状の梁となるので、各アーチ梁を構成する角形鋼管の大きな曲げ耐力を活用してアーチ架構が実現されている。しかしながら、上記のようなアーチ架構を、主部材を木製等の大きな曲げ耐力を確保し難いものとしながら実現することが求められている。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、主部材を木製等の大きな曲げ耐力を確保し難いものとしながら実現可能なアーチ架構を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、上層側アーチ架構部と下層側アーチ架構部を有する複層構造に構成され、
前記上層側アーチ架構部を構成する多数の上層側アーチ梁と、前記下層側アーチ架構部を構成する多数の下層側アーチ梁とを、上下方向で位置ずれさせて平面視で交差状態に積層配置して構成されているアーチ架構であって、
前記上層側アーチ梁及び前記下層側アーチ梁の先端部が接合されるコンプレッションリングが架構頂部に備えられ、そのコンプレッションリングは、上層側アーチ梁の梁せいと下層側アーチ梁の梁せいの合計以上の高さ寸法を有している点にある。
【0006】
本構成によれば、各アーチ梁の先端部が接合されるコンプレッションリングが架構頂部に備えられているので、架構頂部側でのコンプレッションリングの軸方向の圧縮耐力により各アーチ梁の姿勢維持を図ることができ、更に、各アーチ梁の先端側も固定端となるので、各アーチ梁の曲げ耐力だけでなく、各アーチ梁の軸方向の耐力も有効に活用してアーチ架構を実現することができる。
しかも、架構頂部のコンプレッションリングが、上層側アーチ梁の梁せいと、下層側アーチ梁の梁せいの合計以上の高さ寸法を有するので、上下方向で位置ズレする関係にある上層側アーチ梁と下層側アーチ梁の両方をそのままの上下関係を維持しながらコンプレッションリングに適切に接合し、上下両方のアーチ架構部を所期の耐力で構築することができる。
したがって、主部材を木製等の大きな曲げ耐力を確保し難いものとしながら実現可能なアーチ架構を提供することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記上層側アーチ梁及び前記下層側アーチ梁が、多数の直線状木材を折れ線状に接合して構成され、
前記上層側アーチ梁と前記下層側アーチ梁の一方は、直線状木材どうしの接合部が固定ジョイントとされ、
前記上層側アーチ梁と前記下層側アーチ梁の他方は、直線状木材どうしの接合部がピンジョイントとされている点にある。
【0008】
本構成によれば、各アーチ梁が、多数の直線状木材を折れ線状に接合して構成されるので、湾曲状木材を製作する手間をかけずに直線状木材を用いてアーチ梁を安価且つ簡単に構成することができる。
【0009】
そして、上層側アーチ梁と下層側アーチ梁の一方は、直線状木材どうしの接合部がピンジョイントとされるので、その接合部での直線状木材どうしの姿勢を変更することが可能となる。そのため、例えば、上下一方のアーチ梁と上下他方のアーチ梁の交差部において、上下一方のアーチ梁の上面又は下面が上下他方のアーチ梁の下面又は上面と面当接して両者の移動摩擦抵抗が増大するように、上下一方のアーチ梁の接合部の姿勢を調整することができる。
よって、上述の移動摩擦抵抗の増大により上層側アーチ梁と下層側アーチ梁との交差部の位置ズレを抑制し、その交差部で両アーチ梁が相持ち状態で相互に支え合うことによる変形量の抑制効果を向上させることができる。
【0010】
更に、上層側アーチ梁と下層側アーチ梁の他方は、直線状木材どうしの接合部が固定ジョイントとされるので、その接合部にて曲げモーメントを適切に伝達することができ、上下他方のアーチ梁の曲げ剛性を向上させ、上下一方のアーチ梁の曲げ剛性を補完することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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