TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025097803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2023214219
出願日2023-12-19
発明の名称半導体装置の製造方法
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 21/301 20060101AFI20250624BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】半導体ウェハに対するクラックの形成に起因する残留応力を低減する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】方法は、結晶軸が第1表面の垂線に対して傾斜している半導体ウェハを準備する工程、第1表面において結晶軸の傾斜方向に沿う第1方向に沿って第1表面に第1の荷重で押圧部材を押し当てることで、半導体ウェハに、第1方向に沿うとともに半導体ウェハの厚み方向に延びる第1クラックを形成する工程、第1表面において第1方向に対して直交する第2方向に沿って第1表面に第1の荷重よりも小さい第2の荷重で押圧部材を押し当てることで、半導体ウェハに、第2方向に沿うとともに半導体ウェハの厚み方向に延びる第2クラックを形成する工程及び第1表面の裏側に位置する第2表面側から、第1クラック及び第2クラックに沿って半導体ウェハに分割部材を押し当てることで、各クラックに沿って半導体ウェハを分割する工程を備える。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
半導体装置(10)の製造方法であって、
結晶軸(A)が第1表面(2a)の垂線に対して傾斜している半導体ウェハ(2)を準備する工程と、
前記第1表面において前記結晶軸の傾斜方向に沿う第1方向に沿って前記第1表面に第1の荷重で押圧部材(32)を押し当てることにより、前記半導体ウェハに、前記第1方向に沿うとともに前記半導体ウェハの厚み方向に延びる第1クラック(5a)を形成する工程と、
前記第1表面において前記第1方向に対して直交する第2方向に沿って前記第1表面に前記第1の荷重よりも小さい第2の荷重で前記押圧部材を押し当てることにより、前記半導体ウェハに、前記第2方向に沿うとともに前記半導体ウェハの厚み方向に延びる第2クラック(5b)を形成する工程と、
前記第1表面の裏側に位置する第2表面(2b)側から、前記第1クラック及び前記第2クラックに沿って前記半導体ウェハに分割部材(33)を押し当てることにより、前記第1クラック及び前記第2クラックに沿って前記半導体ウェハを分割する工程と、
を備える、製造方法。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記第1クラックを形成する前記工程及び前記第2クラックを形成する前記工程の前に、前記半導体ウェハの前記第2表面に複数の素子構造(6)がマトリクス状に配列されるように複数の前記素子構造を形成する工程をさらに備え、
前記第1クラックを形成する前記工程及び前記第2クラックを形成する前記工程では、前記素子構造の境界に沿って前記第1クラック及び前記第2クラックが形成される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1クラックを形成する前記工程及び前記第2クラックを形成する前記工程の後であって、前記半導体ウェハを分割する前記工程の前に、前記第1表面に金属膜(8)を形成する工程をさらに備える、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記半導体ウェハは、SiCにより構成されている、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記結晶軸がc軸である、請求項4に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スクライブアンドブレイクという工法により基板を分割する技術が開示されている。特許文献1では、第1方向に沿って基板の表面に押圧部材を押し当てることにより、基板に第1方向に沿って延びるクラックを形成した後、第1方向と交差する第2方向に沿って基板の表面に押圧部材を押し当てることにより、基板に第2方向に沿って延びるクラックを形成する。その後、分割部材を押し当てることにより、形成したクラックに沿って基板を分割する。
【0003】
特許文献1では、第1方向に沿うクラックを形成するときに基板の表面に押圧部材を押し当てる荷重が、第2方向に沿うクラックを形成するときに基板の表面に押圧部材を押し当てる荷重よりも大きい。これにより、第1方向に沿うクラックと第2方向に沿うクラックとの交点近傍における基板の不具合(例えば、チッピング)を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-6715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、半導体ウェハを分割するためにスクライブアンドブレイク工法が採用されることがある。半導体ウェハは、その表面の垂線に対して結晶軸が傾斜している場合がある。クラックは、半導体ウェハの厚み方向において、結晶軸に沿って半導体ウェハの内部に形成され易い。結晶軸の傾斜方向に交差する方向に沿ってクラックを形成する場合、半導体ウェハの厚み方向におけるクラックの形成方向(当該垂線に対して傾斜する方向)が、半導体ウェハの表面に対する押圧部材の押圧方向(当該垂線に沿う方向)に対して傾くため、半導体ウェハ内部に応力が生じる。すなわち、クラックを形成する方向によって、半導体ウェハ内部に生じる応力の大きさが異なる。その結果、半導体ウェハを分割した後も、当該応力が残留応力として存在し、製造される半導体装置の特性が悪化する。本明細書では、半導体ウェハに対するクラックの形成に起因する残留応力を低減する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する半導体装置(10)の製造方法は、結晶軸が第1表面(2a)の垂線に対して傾斜している半導体ウェハ(2)を準備する工程と、前記第1表面において前記結晶軸の傾斜方向に沿う第1方向に沿って前記第1表面に第1の荷重で押圧部材(32)を押し当てることにより、前記半導体ウェハに、前記第1方向に沿うとともに前記半導体ウェハの厚み方向に延びる第1クラック(5a)を形成する工程と、前記第1表面において前記第1方向に対して直交する第2方向に沿って前記第1表面に前記第1の荷重よりも小さい第2の荷重で前記押圧部材を押し当てることにより、前記半導体ウェハに、前記第2方向に沿うとともに前記半導体ウェハの厚み方向に延びる第2クラック(5b)を形成する工程と、前記第1表面の裏側に位置する第2表面(2b)側から、前記第1クラック及び前記第2クラックに沿って前記半導体ウェハに分割部材(33)を押し当てることにより、前記第1クラック及び前記第2クラックに沿って前記半導体ウェハを分割する工程と、を備える。なお、第1クラック形成工程と第2クラック形成工程は、いずれを先に実施してもよい。
【0007】
この製造方法では、第1方向が結晶軸の傾斜方向に沿っているため、第1方向に沿って第1クラックを形成すると、半導体ウェハの厚み方向における第1クラックの形成方向が、押圧部材による押圧方向に略一致する。このため、第1クラックの形成に起因して半導体ウェハ内部に生じる応力は小さい。一方、第2方向は結晶軸の傾斜方向に直交する方向であるため、第2方向に沿って第2クラックを形成すると、半導体ウェハの厚み方向における第2クラックの形成方向が、押圧部材による押圧方向に対して傾く。このため、第2クラックの形成に起因して半導体ウェハ内部に生じる応力は大きくなる。しかしながら、この製造方法では、第2クラックを形成するときの押圧部材の第2の荷重が、第1クラックを形成するときの押圧部材の第1の荷重よりも小さい。このため、第2クラックを形成するときに、第2クラックの形成方向と押圧部材の押圧方向との相違に起因する応力が低減する。その結果、半導体ウェハの分割後における半導体装置全体の残留応力が低減され、高い信頼性を有する半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
半導体ウェハの平面図。
SiCの結晶構造を説明するための図。
素子構造形成工程を説明するための図。
支持板貼り付け工程を説明するための図。
クラック形成工程を説明するための図。
クラックが形成された半導体ウェハの断面の走査電子顕微鏡画像。
金属膜形成工程を説明するための図。
ダイシングテープ貼り付け工程を説明するための図。
支持板剥離工程を説明するための図。
保護部材被覆工程を説明するための図。
分割工程を説明するための図。
ピックアップ工程を説明するための図。
実施例と比較例の半導体装置の残留応力を、第1表面から第2表面に向かって測定したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記第1クラックを形成する前記工程及び前記第2クラックを形成する前記工程の前に、前記半導体ウェハの前記第2表面に複数の素子構造がマトリクス状に配列されるように複数の前記素子構造を形成する工程をさらに備えてもよく、前記第1クラックを形成する前記工程及び前記第2クラックを形成する前記工程では、前記素子構造の境界に沿って前記第1クラック及び前記第2クラックが形成されてもよい。
【0010】
クラックを形成するときには、押圧部材を押し当てた表面の近傍に応力が生じ易い。上記の構成によれば、素子構造が設けられた第2表面側ではなく、その裏側に位置する第1表面側から押圧部材を押し当てる。このため、仮に第1表面近傍に残留応力が存在しても、半導体装置の機能を実現する素子構造に対する影響を低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社デンソー
携帯機
1か月前
株式会社デンソーエレクトロニクス
発音器
5日前
株式会社デンソー
ステータ
26日前
株式会社デンソーウェーブ
携帯端末
1か月前
株式会社デンソー
冷却装置
6日前
株式会社デンソー
熱交換器
6日前
株式会社デンソー
撮像装置
6日前
株式会社デンソー
電子装置
6日前
株式会社デンソー
電子装置
6日前
株式会社デンソー
制御装置
6日前
株式会社デンソー
検出装置
10日前
株式会社デンソー
回転電機
1か月前
株式会社デンソーウェーブ
決済端末
12日前
株式会社デンソー
熱交換器
1か月前
株式会社デンソーテン
表示装置
1か月前
株式会社デンソー
熱交換器
13日前
株式会社デンソー
電気装置
19日前
株式会社デンソー
電子装置
19日前
株式会社デンソー
光学部材
1か月前
株式会社デンソー
ステータ
1か月前
株式会社デンソー
電子装置
27日前
株式会社デンソー
通信装置
6日前
株式会社デンソー
受電装置
11日前
株式会社デンソー
ステータ
26日前
株式会社デンソー
電子装置
5日前
株式会社デンソーテン
表示装置
1か月前
株式会社デンソー
中継装置
1か月前
株式会社デンソー
受電装置
3日前
株式会社デンソー
熱交換器
1か月前
株式会社デンソー
ステータ
1か月前
株式会社デンソー
電子装置
5日前
株式会社デンソー
電流センサ
17日前
株式会社デンソー
半導体素子
1か月前
株式会社デンソー
位相調整器
1か月前
株式会社デンソー
半導体装置
1か月前
株式会社デンソー
圧電センサ
12日前
続きを見る