TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025106185
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-15
出願番号
2024199205
出願日
2024-11-14
発明の名称
複合サイクル発電所の水・蒸気系統を運転前に洗浄する方法、及びこの方法のために構成された複合サイクル発電所
出願人
ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
,
General Electric Technology GmbH
代理人
個人
,
弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
主分類
F22B
37/56 20060101AFI20250708BHJP(蒸気発生)
要約
【課題】複合サイクル発電所における水・蒸気系統を運転前に洗浄する方法を提供する。
【解決手段】複合サイクル発電所(1)の水・蒸気系統に対して、運転前の初期フラッシング及び化学洗浄を実行すること、ガスタービンエンジン(2)を起動させ試運転すること、ガスタービンエンジンが試運転されている間に蒸気ブロー動作を含む検証用蒸気ブロー手順を実行することであって、HRSG(3)内で蒸気を発生させ蒸気を閉じた流体回路の一部に流してHRSGの蒸気輸送部品とHRSGを蒸気タービンシステム(4)に接続する蒸気ライン(39-51)とを洗浄し、蒸気は一時的な配管を使用することなく運転用バイパスライン(52-54)を経由して蒸気タービンシステムをバイパスし、復水器(6)に排出する検証用蒸気ブロー手順を実行すること、および選択され蒸気がブローされた蒸気ライン(39-54)の洗浄度を監視し検証する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ガスタービンエンジン(2)、蒸気タービンシステム(4)、復水器(6)、及び熱回収蒸気発生器HRSG(3)を含む複合サイクル発電所(1、1’)における水・蒸気系統を運転前に洗浄する方法であって、前記方法は、
最終的に建設された複合サイクル発電所(1,1’)の水・蒸気系統に対して、運転前の初期フラッシング及び化学洗浄を実行すること、
前記ガスタービンエンジン(2)を起動させ、前記ガスタービンエンジン(2)を試運転すること、
前記ガスタービンエンジン(2)が試運転されている間に、蒸気ブロー動作を含む検証用蒸気ブロー手順を実行することであって、前記HRSG(3)内で蒸気を発生させ、高い流速、温度、および洗浄力比条件で、蒸気を、閉じた流体回路の一部に流して、前記HRSG(3)の蒸気輸送部品と、前記HRSG(3)を蒸気タービンシステム(4)に接続する蒸気ライン(39-51)とを洗浄し、前記蒸気は、一時的な配管を使用することなく、運転用バイパスライン(52-54)を経由して前記蒸気タービンシステム(4)をバイパスし、復水器(6)に排出される、検証用蒸気ブロー手順を実行すること、および
選択され蒸気がブローされた蒸気ライン(39-54)の洗浄度を監視し、検証すること
を含む、方法。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記ガスタービンエンジン(2)がベース負荷で運転されている間に、蒸気ブロー運転が実行され、前記HRSG(3)の蒸気輸送部分、蒸気ライン(39~51)、及び蒸気ブローされるバイパスバルブ(55~57)を含む運転用バイパスライン(52~54)は、少なくとも1.1の洗浄力比CFRで設計されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記HRSG(3)は、高圧HP段(21)、中圧IP段(22)、低圧LP段(23)を含む複数の圧力段、及び再熱器(24)有し、
前記蒸気タービンシステム(4)は、HP蒸気タービン(17)、IP蒸気タービン(18)、及びLP蒸気タービン(19)を含み、
前記蒸気ライン(39-51)は、前記HRSG(3)のHP段(21)から前記HP蒸気タービン(17)に向けてHP蒸気を供給するためのHP蒸気ライン(47)と、前記HRSG(3)のIP段(22)を再熱器(24)に接続するIP蒸気ライン(43)と、前記再熱器(24)からIP蒸気タービン(18)に向けてIP蒸気を供給するための高温再熱HRHライン(49)と、前記HP蒸気タービン(17)から使用済みHP蒸気を受け取り、前記使用済みHP蒸気を前記再熱器(24)に供給するための低温再熱CRHライン(51)と、前記HP蒸気ライン(47)と前記CRHライン(51)との間に配置された運転用HPバイパスライン(52)と、前記HRHライン(49)と前記復水器(6)との間に配置された運転用HRHバイパスライン(53)と、前記LP蒸気ライン(41)と前記復水器(6)との間に配置された運転用LPバイパスライン(54)とを含み、
前記HRSG(3)の蒸気輸送部品と、蒸気ライン(39~51)と、バイパスバルブ(55~57)を含む運転用バイパスライン(52~54)との設計には、洗浄力比CFRが少なくとも1.1になるように、少なくとも、HP蒸気ライン、IP蒸気ライン、HRHライン、CRHライン、及びLP蒸気ライン(47、43、49、51、41)、並びにHPバイパスライン、HRHバイパスライン、及びLPバイパスライン(52、53、54)のサイズを定めること及びこれらのラインの配置を定めることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
単一のHRSGプラント構成では少なくとも1.2の洗浄力比がサポートされ、マルチHRSGプラント構成では少なくとも1.03の洗浄力比CFRがサポートされるように、運転用のHPバイパスライン、HRHバイパスライン、及びLPバイパスライン(52、53、54)のHPバイパスバルブ、HRHバイパスバルブ、及びLPバイパスバルブ(55、56、57)のうちの少なくとも一部のバイパスバルブに、バイパスバルブ(55、56、57)の流量係数CVの性能を増加させるように設計された調整可能犠牲トリムを備えることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
運転用のHPバイパスライン、HRHバイパスライン、及びLPバイパスライン(52、53、54)の分離接続部を、HP蒸気タービン、IP蒸気タービン、及びLP蒸気タービン(17、18、19)の制御及び遮断用のバルブアセンブリ(63、64、65)のすぐ近くの位置であって、そのアセンブリの直ぐ上流の位置において、可能な限り蒸気タービンシステムに近い位置に配置すること、および
CRHライン(51)の逆止めバルブ(66)と、CRHライン(51)に対するHPバイパスライン(52)の下流接続部を、可能な限りHP蒸気タービン(4)の近くに設置すること
を更に含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
好ましくは高研磨鋼板の形態のターゲットインサート(67、68)を、HRHライン(49)及びLP蒸気ライン(41)に設置することをさらに含み、前記ターゲットインサート(67、68)は、検証用ブロー手順中の蒸気の温度と圧力の運転条件下で、オンラインでのターゲット検査と蒸気ブローされた蒸気ライン(39~57)の洗浄度の監視ができるように構成され、配置される、請求項3~5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記HRSG(3)の蒸気輸送部品、蒸気ライン(39~51)、及び運転用バイパスライン(52~54)の関連部分に蒸気流量計を設置すること、及び
前記検証ブロー手順の間の前記蒸気流量計の蒸気流量測定値に基づいて、関連部分のCFRを計算すること
をさらに含む、請求項2~6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸気ライン(47、41、49、51)の蒸気ブローが実行されない部分(69~72)に検査ポート/洗浄ポートを設けること、及び、
検証ブロー手順が完了した後、蒸気ブローが実行されない部分(69~72)を検査し、洗浄すること
をさらに含む、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
HPバイパスライン、HRHバイパスライン、及びLPバイパスライン(52、53、54)の複数の分岐接続部のうちの少なくとも一部の分岐接続部は、それぞれの蒸気タービン部(17、18、19)の上流側のデッドレグにおけるデブリの蓄積を低減するために、それぞれのバイパスラインに対して直線的であるが、それぞれの蒸気タービン部(17、18、19)に対しては直線的ではないT接続部を設けることを更に含む、請求項3~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複合サイクル発電所(1’)は、単一の蒸気タービンシステム(4)と、第1のHRSG(3a)及び第1のガスタービンエンジン(2a)を含む第1のユニット(73)と、第2のHRSG(3b)及び第2のガスタービンエンジン(2b)を含む第2のユニット(74)とを含むマルチユニット構成を有し、前記方法は、第1及び第2のユニット(73、74)の間で独立して検証ブロー手順を実行することを含む、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合サイクル発電所の新品の部品又は修復された部品の運転前洗浄に関し、より詳細には、複合サイクル発電所の水及び蒸気を利用するシステムの運転前洗浄方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
複合サイクル発電所では、ガスタービンエンジンと蒸気タービンエンジンを組み合わせて使用し、発電する。複合サイクル発電所では、ガスタービンエンジンは、熱回収蒸気発生器(HRSG)を通じて蒸気タービンエンジンに熱的に接続されている。HRSGは非接触型の熱交換器であり、蒸気発生プロセス用の給水を、ガスタービンエンジンの本来は廃棄される排気ガスによって加熱することができる。HRSGは、チューブバンドルが配置された大きなダクトであり、チューブバンドルを流れる水が、ダクトを流れる排気ガスによって加熱され蒸気になる。
【0003】
現行の複合サイクル発電所は多圧HRSGを使用しており、多圧HRSGは、3つの異なる動作圧力(高圧、中圧、低圧)を有しており、様々な圧力と温度で蒸気を発生させる部品を備えている。HRSGは、例えば、低圧部、中圧部、高圧部を含み、低圧部、中圧部、高圧部の各々は、一般に1つ又は複数のエコノマイザ、蒸発器、および/又は過熱器を含むことができる。それぞれの圧力の蒸気は、蒸気タービンシステムの対応する段に供給される蒸気として使用される。ガスタービンシステムおよび蒸気タービンシステムは、電力を生成する1つ又は2つの発電機を駆動する。
【0004】
蒸気タービンシステムからの使用済み蒸気は復水器に排気され、復水器で蒸気が凝縮し、次に、凝縮物は、復水ポンプによって、復水器から、1つ又は複数の導管を経由してHRSGに戻る。
【0005】
発電所の運転において蒸気の純度は、厳しい要件を満たさなければならない。粒子状のデブリが蒸気中に取り込まれ、発電所の運転に支障をきたしたり、発電所の部品に損傷を与えたりするような状況を避けることが重要である。例えば、粒子状デブリは蒸気スクリーンを詰まらせたり、狭い蒸気通路を詰まらせたりする。粒子状デブリは、蒸気タービンの固定部品や回転部品に浸食や衝撃による損傷を与える恐れがあり、また、蒸気の流れを制御するために使用される蒸気弁の内面を詰まらせたり損傷させたりする恐れもある。
【0006】
複合サイクル発電所を製造し、建設している間、汚染物質(溶接スパッタ、切粉、溶接電極残渣、泥、砂、粉塵などの)は、あらゆる注意を払っても、システム内に残留することがある。汚染物質は、除去しやすい形態で存在することもあれば、発電所の部品の内壁に付着することもある。
【0007】
従って、新しく改修された蒸気タービン発電機設備を始動させる典型的な先行技術の方法では、蒸気輸送機器及び配管(例えば、HRSG領域、HRSGと蒸気タービンシステムとの間の蒸気ライン、復水器につながる蒸気ライン、及び制御弁)の内面から粒子状汚染を除去するために多数の方法が採用されてきた。一般に、このような蒸気輸送部品は、ガスタービンエンジンを試運転する前に、及び蒸気タービンシステムに最初の蒸気パルスを送るたびに、その最初の蒸気パルスの前に、汚染物が吹き飛ばされ又は洗い流され、始動前に粒子状汚染物質が確実に存在しないようにする。
【0008】
当技術分野の運転前洗浄方法には、処理水と化学洗浄手順(高温アルカリ脱脂、酸洗浄、パッシベーション、すすぎ及び/又はエアブロー洗浄を含む)で蒸気・水系統の構成要素を洗浄すること、その後に、ドラム及び低点ヘッダを検査し、ドラム及び低点ヘッダの堆積物を手作業で洗浄する又はすすぐことと、を含む。その後に初めて、ガスタービンエンジンおよび複合サイクル発電所の全体が稼働する。
【0009】
蒸気タービンの隔離弁と制御弁に設置された一時的な配管とサイレンサを経由して大気に排出される蒸気を使用して蒸気発生器と関連蒸気ラインを送風により清掃する蒸気ブロー手順を実行することも知られている。蒸気ブローは、連続的又は不連続的(パルスブロー)に行うことができ、所望の攪乱係数に到達するように一般に低負荷および低排気圧力下で実行される。他の一部の方法としては、一時的な配管を通じて、大気と復水器への蒸気負荷を組み合わせる方法がある。高い擾乱係数に達することなく、また洗浄された水・蒸気系統の構成要素の目標検証を行うことなく、通常のバイパス運転で復水器に蒸気を排出することも行われているが、要求とされる効率よりも低い。
【0010】
US2009/0107532A1には、発電所のプラント部品の運転前洗浄のための方法が開示されており、この方法は、洗浄すべき1つ又は複数のプラント部品を媒体が流れるように閉流路回路に媒体を連続的に供給することと、運転中のプラント部品の純度を測定するために媒体を試験することとを含んでいる。蒸気は蒸気ボイラ装置から抽出され、復水器で蒸気から得られた液体は運転中のプラント部品に供給され、蒸気によってプラント部品を洗浄するために閉流路回路に送られる。蒸気タービンユニットの高圧段を迂回するために、一時的な蒸気ラインシステムおよびブローアウトインサートと、ブローアウトインサートの間に配置された測定装置とを備えた一時的な洗浄設備に、高圧蒸気ラインからの分岐部が設けられる。測定装置は研磨された金属バッフルプレートであり、このプレートは、流れ方向に対して横方向に蒸気ラインに設置され、ブローアウト動作中にバッフルプレートに衝突する粒子衝撃によって媒体の純度を視覚的に観察し、判定することができる。この方法には、蒸気ブロー手順を実行するために一時的に蒸気ラインシステムの設置が必要である。一時的な蒸気ラインシステムと一時的なブローアウト設備は、発電所の通常運転時には撤去しなければならない。このため、運転前の洗浄に必要な作業量、費用、時間が増加する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
三浦工業株式会社
ボイラ
23日前
三浦工業株式会社
ドレン回収装置
4か月前
三浦工業株式会社
給水装置、および、ボイラ
4か月前
三浦工業株式会社
管理装置
22日前
三浦工業株式会社
蒸気発生装置
1か月前
栗田工業株式会社
ボイラ水処理装置および処理方法
9日前
三浦工業株式会社
ボイラ水の水質評価用試料水の調製装置
3か月前
株式会社日本汽罐
ボイラーシステム及びボイラーの稼働方法
4か月前
三菱重工業株式会社
ガスバーナ及びこれを備えたボイラ
3か月前
三菱重工業株式会社
伝熱管の検査装置および方法
2か月前
三浦工業株式会社
水素ボイラシステムの制御装置
15日前
株式会社ヒラカワ
ボイラからの排ガスの温度制御方法
22日前
株式会社JERA
ボイラ炉内の伝熱管の管壁温度解析方法
4か月前
丸高工業株式会社
加熱装置の制御方法及び加熱装置
2か月前
三菱重工パワーインダストリー株式会社
セメントプラント排熱回収システム
4か月前
株式会社東芝
蒸気発生装置
3か月前
日本特殊陶業株式会社
蒸発器および蒸発器を備えるホットモジュール
2か月前
三菱重工業株式会社
プラント制御装置、プラント制御方法、及び、プラント制御プログラム
2か月前
シェンチェン ウッディー ベイプス テクノロジー カンパニー,リミテッド
アトマイザー
2か月前
JFEエンジニアリング株式会社
過熱装置および過熱装置による過熱蒸気温度の制御方法
22日前
DOWAテクノエンジ株式会社
熱伸縮吸収用エキスパンション構造
1か月前
トクデン株式会社
過熱水蒸気生成装置、及び、過熱水蒸気生成装置に用いられる導体管の製造方法
2か月前
ASTRA FOOD PLAN株式会社
過熱水蒸気発生装置
1か月前
郵船出光グリーンソリューションズ株式会社
ボイラ燃焼制御システム、ボイラ燃焼制御方法、およびプログラム
4か月前
ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
複合サイクル発電所の水・蒸気系統を運転前に洗浄する方法、及びこの方法のために構成された複合サイクル発電所
3日前
株式会社野村総合研究所
情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラム
3か月前
株式会社デンソー
通信レシーバ
8日前
ブラザー工業株式会社
画像形成装置
3か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
22日前
株式会社コロプラ
プログラム、及び、システム
2か月前
トヨタ自動車株式会社
電池の製造方法、電池製造システム
3か月前
アブロバイオ,インコーポレーテッド
神経認知障害を処置するための組成物及び方法
3か月前
株式会社デンソー
状態推定装置
29日前
ギャラクシー バイオテック, エルエルシー
線維芽増殖因子受容体2に対するモノクローナル抗体
4か月前
株式会社日本製鋼所
Cr-Mo-V鋼の水素脆化評価方法
4か月前
セイコーエプソン株式会社
成形管理システム
2か月前
続きを見る
他の特許を見る