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公開番号
2025106430
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-15
出願番号
2025063371,2023173130
出願日
2025-04-07,2018-09-07
発明の名称
細胞保存材料
出願人
日産化学株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/00 20060101AFI20250708BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、細胞又は組織を非凍結状態で、良好な生存性を維持したまま保存する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び二価金属カチオン媒体中でランダムコイル状態を維持し、かつ二価金属イオンを介して架橋できる酸性多糖類又はその塩を含有する液体組成物中で、細胞又は組織を非凍結状態で保存する。該酸性多糖類は、アルギン酸であり得る。該液体組成物は、カルシウムイオン等の金属カチオンを更に含有し得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞又は組織を非凍結状態で保存するための液体組成物、及び該液体組成物を用いた細胞又は組織の保存方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、iPS細胞や間葉系幹細胞等の幹細胞を利用した移植医療研究においては、細胞バ
ンクが幹細胞を大量に調製した上で、これを凍結保存し、各研究機関や医療機関は、当該細胞バンクのストックから所望の幹細胞を凍結保存された状態で取り寄せて、これを融解・起眠し、必要に応じて所望の細胞へ分化させた上で、種々の用途に供している。しかしながら、将来的に期待されている、自家移植体制を運営し、多数の他家細胞ストックを管理及び保管する細胞バンクシステムにおいては、細胞の凍結を前提とする現在の輸送技術では、移植に適した状態の細胞を大量且つ安定的に供給することが困難である。即ち、移植に際しては、凍結保存した細胞を融解して、培養し、必要に応じて目的の細胞まで分化させた上で、良好な状態の細胞を大量に提供する必要があるが、細胞を凍結した状態で輸送しなければならない場合、移植実施施設は、細胞を保存・管理する細胞バンクから凍結細胞を取り寄せて、該施設にて自前で大量培養を行わざるを得ない。そのため、移植実施施設が、細胞の大量培養設備(例えば、セルプロセシングセンター(CPC))を備える必
要があり、該設備を有していない施設では、移植医療を実施することが困難となってしまう。一方、細胞バンクは、通常、細胞を大量培養する技術や設備を有しているので、細胞バンク側で、移植に適した良好な状態の細胞を大量に調製した上で、得られた細胞を良好な状態を維持したまま移植実施施設に速やかに供給できれば、細胞の大量培養設備を有していない施設であっても、移植医療を実施することが可能となる。この課題を解決するには、凍結せずに大量の細胞を良好な状態を維持したまま保存、輸送する技術が不可欠である。
【0003】
脱アシル化ジェランガム(DAG)等の多糖類は、金属カチオン(例えばカルシウムイオ
ン等の二価金属カチオン)を介して集合することにより、水中で三次元ネットワーク(不定型な構造体)を形成する。この三次元ネットワークを含む液体培地中で細胞を培養すると、培地中の細胞は、この三次元ネットワークにトラップされ、沈まないため、振とう、回転操作等を要することなく、細胞を浮遊状態で均一に分散させたまま、培養する(浮遊静置培養する)ことが可能となる。また、液体培地の粘度を実質的に高めることなく、上述の三次元ネットワークを形成することが可能なため、該三次元ネットワークを含む培地組成物は、継代培養等における操作性にも優れている(特許文献1)。この浮遊静置培養
可能な培地組成物は、種々の細胞の増殖活性を亢進する等、様々な優れた特性を有しているので、再生医療、タンパク質等の大量生産等幅広い技術分野への応用が期待されている。
【0004】
特許文献2には、ナノファイバーを含む培地組成物を、細胞や組織の保存や輸送に用い
ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/017513号
国際公開第2015/111686号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、細胞又は組織を非凍結状態で、良好な生存性を維持したまま保存する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、脱アシル化ジェランガム及びアルギン酸を含む培地組成物中に懸濁することにより、細胞や組織を室温にて、良好な生存性を維持したまま長期間保存可能であることを見出した。該培地組成物中で、スフェアを保存すると、スフェア同士の凝集が回避され、スフェア内部のネクローシスの発生が抑制された。該培地組成物中では、輸送時の環境を想定した振動条件においても、細胞を室温にて良好な生存性を維持したまま長期間保存できた。これらの知見に基づき、更に検討を加えることにより、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は下記のとおりである:
[1]脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び二価金属カチオン媒体中でランダムコイ
ル状態を維持し、かつ二価金属イオンを介して架橋できる酸性多糖類又はその塩を含む、細胞又は組織を非凍結状態で保存するための液体組成物。
[2]該液体組成物中の脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度が、フリー体の脱アシ
ル化ジェランガム換算で、0.002~0.01 (w/v)%であり、該酸性多糖類又はその塩の濃度
が、フリー体換算で、0.004~0.1 (w/v)%であり、脱アシル化ジェランガム又はその塩に対する該酸性多糖類又はその塩の質量比が、フリー体換算で、1以上である、[1]記載の液体組成物。
[3]該酸性多糖類が、アルギン酸、ペクチン及びペクチン酸からなる群から選択される
いずれかである、[1]又は[2]記載の液体組成物。
[4]該酸性多糖類が、アルギン酸である、[3]記載の液体組成物。
[5]さらに、金属カチオンを含有する、[1]~[4]のいずれか記載の液体組成物。
[6]該金属カチオンが、カルシウムイオンである、[5]記載の液体組成物。
[7]該酸性多糖類又はその塩が、高圧蒸気滅菌処理されている、[1]~[6]のいずれ
か記載の液体組成物。
[8][1]~[7]のいずれか記載の液体組成物中で、細胞又は組織を非凍結状態で保存
することを含む、細胞又は組織の保存方法。
[9]該液体組成物中に浮遊した状態で細胞又は組織を保存する、[8]記載の方法。
[10]1℃~30℃にて、細胞又は組織を保存する、[8]又は[9]記載の方法。
[11]密閉した容器内で、細胞又は組織を保存する、[8]~[10]のいずれか記載の方
法。
[12]振動を伴う環境下で、細胞又は組織を保存する、[8]~[11]のいずれか記載の
方法。
[13]スフェアの状態の細胞を保存する、[8]~[12]のいずれか記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液体組成物を用いることにより、細胞や組織を、例えば室温等にて、非凍結状態で、良好な生存性を維持したまま長期間保存することができる。本発明の液体組成物中でスフェアを保存すると、スフェア同士の凝集が回避され、スフェア内部のネクローシスの発生が抑制される。
【0010】
本発明の液体組成物は、細胞や組織の非凍結状態での輸送にも有用である。例えば、プレート上で細胞を接着培養し、これをそのまま輸送する場合、輸送中の振動により、細胞がプレートから剥離する等して、細胞が有する本来の機能が低下する場合があったが、本発明の液体組成物を用いると、細胞や組織を浮遊した状態で保持できるため、輸送中の振動によるプレートからの剥離等による細胞のダメージを回避し、細胞の本来の機能を維持した状態で、細胞や組織を保存および輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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