発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、量子計算装置、量子計算方法、及びプログラムに関する。 続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】 【0002】 実用的な問題を量子コンピュータで解くためには量子コンピュータ中のノイズの影響をできる限り削減し、正確な量子計算を実行することが不可欠である。正確な量子計算を実現する手法の1つとして量子誤り訂正符号が知られている。量子誤り訂正符号では、符号のサイズを大きくすることによりノイズの影響を限りなく小さくすることが可能となる。しかしながら、量子誤り訂正符号の構築には多くの量子ビットを必要とし、現在の技術では、そのような多くの量子ビットを用意するのは困難である。そのため、多くの量子ビットを必要とせずにノイズの影響を抑制可能な手法が様々提案されており、それらは総称して量子誤り抑制手法(非特許文献1及び2)と呼ばれる。 【0003】 量子誤り抑制手法のうち、最も実用的な手法の1つがPEC(Probabilistic Error Cancellation)(非特許文献3)と呼ばれる手法である。この手法は、測定回数を犠牲にして、ノイズの逆変換を事後的な古典処理により実効的に実現し、それによりノイズのない量子回路での物理量の期待値の計算が実効的に可能となる手法である。ただし、この手法は量子回路中のノイズモデルを量子プロセストモグラフィー(非特許文献4)により完全に同定する必要がある。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0004】 S. Endo, Z. Cai, S. C. Benjamin, and X. Yuan, Hybrid Quantum-Classical Algorithms and Quantum Error Mitigation, J. Phys. Soc. Jpn. 90, 032001 (2021). Z. Cai, R. Babbush, S. C. Benjamin, S. Endo, W. J. Huggins, Y. Li, J. R. McClean, and T. E. O'Brien, Quantum Error Mitigation, arXiv:2210.00921. K. Temme, S. Bravyi, and J. M. Gambetta, Error Mitigation for Short-Depth Quantum Circuits, Phys. Rev. Lett. 119, 180509 (2017). M. Mohseni, A. T. Rezakhani, and D. A. Lidar, Quantum-Process Tomography: Resource Analysis of Different Strategies, Phys. Rev. A 77, 032322 (2008). 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 PECではノイズモデルを完全に同定する必要があるが、そのためには量子プロセストモグラフィーを行わなければならない。量子プロセストモグラフィーの実行には指数的な個数の期待値を推定する必要がある一方で、現実的な期待値の推定では有限回の測定しか行えないため、ノイズモデルの同定には誤差が生じる。このため、ノイズモデルを同定するための量子プロセストモグラフィーは不完全にしか行えず、それ故にPECによりノイズの影響を完全に除去することは不可能である。 【0006】 本開示は、上記の点に鑑みてなされたもので、ノイズによる期待値の誤差を抑制できる技術を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本開示の一態様による量子計算装置は、ノイズの影響を受け得る量子回路に基づいて、与えられたハミルトニアンの基底状態を近似する量子状態をそれぞれ表す複数の近似状態を計算する近似計算部と、前記複数の近似状態に基づいて、前記ハミルトニアンの期待値を最小化する量子状態を得るための式を定式化する定式化部と、前記式に基づいて、前記複数の近似状態を基底とする一般化部分空間法により、前記ハミルトニアンの最小期待値を計算する期待値計算部と、を有する。 【発明の効果】 【0008】 ノイズによる期待値の誤差を抑制できる技術が提供される。 【図面の簡単な説明】 【0009】 本実施形態に係る量子計算装置の構成例を示す図である。 本実施形態に係る制御装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態に係る制御装置の機能構成例を示す図である。 量子状態の計算処理の一例を示すフローチャートである。 最適解の計算処理の一例を示すフローチャートである。 【発明を実施するための形態】 【0010】 以下、本発明の一実施形態について説明する。 (【0011】以降は省略されています)
特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する