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公開番号
2025114283
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2024008887
出願日
2024-01-24
発明の名称
電磁界推定システム、電磁界推定装置、電磁界推定方法および電磁界推定用プログラム
出願人
NTT株式会社
,
国立大学法人北海道大学
代理人
弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類
H04B
17/391 20150101AFI20250729BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】この開示は、高周波帯無線通信の特性評価に好適な電磁界推定システムに関し、人体等を含む解析領域をFDTD法で解析する際の計算負荷の軽減を目的とする。
【解決手段】人体モデル18を解析領域内10に配置する。解析領域10の全域を複数のボクセルで分割する。人体モデル18の表面を覆うボクセル群を表面ボクセルとする。表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルとする。表面ボクセルと非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定する。損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用する。非計算ボクセルを計算対象から解放して、解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算する。電界成分および磁界成分の収束が認められるまで逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定システムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを記憶する少なくとも一つのメモリと、を備え、
前記コンピュータプログラムコードおよび前記メモリは、前記プロセッサと共に当該電磁界推定システムに、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置することと、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割することと、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定することと、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用することと、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算することと、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行することと、
を含む動作を実行させるように構成されている電磁界推定システム。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
前記表面ボクセルは、前記対象物モデルの表面を覆う一層のボクセル群により設定される請求項1に記載の電磁界推定システム。
【請求項3】
前記非計算ボクセルは、前記対象物モデルの内部に収まる一つ以上の直方体に含まれるボクセル群により設定され、
前記表面ボクセルは、前記対象物モデルに属し、かつ前記非計算ボクセルに属しないボクセル群により設定される請求項1に記載の電磁界推定システム。
【請求項4】
前記対象物モデルは人体モデルである請求項1に記載の電磁界推定システム。
【請求項5】
前記損失性吸収境界を構成する面は、前記解析領域に対して設定される三次元座標におけるyz面に形成されるyz面吸収境界と、zx面に形成されるzx面吸収境界と、xy面に形成されるxy面吸収境界と、の何れかであり、
前記損失性吸収境界条件は、前記yz面吸収境界に適用されるyz面条件と、前記zx面吸収境界に適用されるzx面条件と、前記xy面吸収境界に適用されるxy面条件とを含み、
前記yz面条件は、x方向に伝搬するy方向の電界成分Ey(x方向)を反射させないための条件と、x方向に伝搬するz方向の電界成分Ez(x方向)を反射させないための条件とを含み、
前記zx面条件は、y方向に伝搬するz方向の電界成分Ez(y方向)を反射させないための条件と、y方向に伝搬するx方向の電界成分Ex(y方向)を反射させないための条件とを含み、
前記xy面条件は、z方向に伝搬するx方向の電界成分Ex(z方向)を反射させないための条件と、z方向に伝搬するy方向の電界成分Ey(z方向)を反射させないための条件とを含む請求項1に記載の電磁界推定システム。
【請求項6】
解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定装置であって、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置するパラメータ設定部と、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割する解析領域決定部と、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定する人体表面領域抽出部と、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定する非ボクセル解放部と、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定する損失性吸収境界設定部と、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用する電界成分吸収条件適用部と、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算する電界成分計算部および磁界成分計算部と、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行させる収束判定部と、
を含むように構成されている電磁界推定装置。
【請求項7】
解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定方法であって、
ハードウェアに、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置することと、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割することと、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定することと、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用することと、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算することと、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行することと、
を実行させることを含む電磁界推定方法。
【請求項8】
解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定用プログラムであって、
少なくとも一つのプロセッサに、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置することと、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割することと、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定することと、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用することと、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算することと、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行することと、
を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを含む電磁界推定用プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この開示は、電磁界推定システム、電磁界推定装置、電磁界推定方法および電磁界推定用プログラムに係り、特に、高周波帯無線通信の特性評価に好適な電磁界推定システム、電磁界推定装置、電磁界推定方法および電磁界推定用プログラムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
マイクロ波やミリ波帯の無線通信では、人体による遮蔽や散乱が通信波に与える影響が大きいため、置局設計においてはこれらを電波伝搬特性評価に含める必要がある。下記特許文献1には、時間領域有限差分法(Finite-difference time-domain method:FDTD法)を用いて電波伝搬特性を評価する装置が開示されている。
【0003】
FDTD法では、解析領域が、解析対象の周波数に対応する波長の1/10程度以下の寸法となる多数のブロック(以下、「ボクセル」と称す)に分割される。FDTD法は、解析領域内の波源により生じる電界と磁界を、マクスウェル方程式に基づきボクセルの夫々について時間更新していく電磁界解析手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-11518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FDTD法は、幾何光学近似等の他の解析手法に比べて、人体の電気的特性や形状に起因する反射、吸収および散乱等の影響を、解析結果に高精度に反映できるという利点を有している。一方で、FDTD法では、人体内部に対応するボクセルを含めて、解析領域を構成する三次元空間内の全ボクセルについて電界および磁界を逐次計算することから、大きな計算負荷が生ずる。特に、波長の短い高周波帯の通信波を評価対象とする場合には、設定を要するボクセル数が極めて多くなることから、主記憶メモリの所要容量並びに計算所要時間が多大になるという問題が生ずる。
【0006】
この開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、人体等を含む解析領域をFDTD法で解析する際の計算負荷を軽減するための電磁界推定システムを提供することを第一の目的とする。
また、この開示は、人体等を含む解析領域をFDTD法で解析する際の計算負荷を軽減するための電磁界推定装置を提供することを第二の目的とする。
また、この開示は、人体等を含む解析領域をFDTD法で解析する際の計算負荷を軽減するための電磁界推定方法を提供することを第三の目的とする。
更に、この開示は、人体等を含む解析領域をFDTD法で解析する際の計算負荷を軽減するための電磁界推定用プログラムを提供することを第四の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、上記の目的を達成するため、解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定システムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを記憶する少なくとも一つのメモリと、を備え、
前記コンピュータプログラムコードおよび前記メモリは、前記プロセッサと共に当該電磁界推定システムに、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置することと、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割することと、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定することと、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用することと、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算することと、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行することと、
を含む動作を実行させるように構成されていることが望ましい。
【0008】
また、第2の態様は、解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定装置であって、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置するパラメータ設定部と、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割する解析領域決定部と、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定する人体表面領域抽出部と、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定する非ボクセル解放部と、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定する損失性吸収境界設定部と、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用する電界成分吸収条件適用部と、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算する電界成分計算部および磁界成分計算部と、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行させる収束判定部と、
を含むように構成されていることが望ましい。
【0009】
また、第3の態様は、解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定方法であって、
ハードウェアに、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置することと、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割することと、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定することと、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用することと、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算することと、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行することと、
を実行させることを含むことが望ましい。
【0010】
また、第4の態様は、解析領域の内部に生ずる電磁界成分を推定するための電磁界推定用プログラムであって、
少なくとも一つのプロセッサに、
電界を吸収する特性を持つ対象物モデルを前記解析領域内に配置することと、
前記対象物モデルを含む前記解析領域の全域を複数のボクセルで分割することと、
前記対象物モデルの表面を覆うボクセル群を表面ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルの内側に位置するボクセル群を非計算ボクセルに設定することと、
前記表面ボクセルと前記非計算ボクセルとの境界を損失性吸収境界に設定することと、
前記損失性吸収境界に、電界を反射させないための損失性吸収境界条件を適用することと、
前記非計算ボクセルを計算対象から解放して、前記解析領域内の他のボクセルについて電界成分と磁界成分とを逐次計算することと、
前記電界成分および前記磁界成分の収束が認められるまで前記逐次計算を既定の時間ステップで繰り返し実行することと、
を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを含むことが望ましい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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