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公開番号
2025108912
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-24
出願番号
2024002443
出願日
2024-01-11
発明の名称
Ni基超耐熱合金の製造方法および熱間加工材
出願人
株式会社プロテリアル
代理人
主分類
C22F
1/10 20060101AFI20250716BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】塑性歪を蓄積できて、かつ、結晶粒を小さく維持できるNi基超耐熱合金の製造方法を提供する。そして、熱間加工材を提供する。
【解決手段】Ni基超耐熱合金の熱間加工用素材を準備する素材準備工程と、上記の熱間加工用素材を970~1005℃の熱間加工準備温度T1に加熱して熱間加工を行い、熱間加工材を得る熱間加工工程と、上記の熱間加工工程後の熱間加工材を冷却する過程で、この熱間加工材の温度が、980~965℃の範囲内に含まれる熱間加工終了温度T2から、T2~500℃の範囲内に含まれる中間温度T3に下がった以降は、熱間加工材の冷却速度が300℃/分以上となる条件で熱間加工材の温度が200℃以下になるまで冷却する冷却工程と、を有する、Ni基超耐熱合金の製造方法である。そして、この製造方法によって得ることができる熱間加工材である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Cr:17.0~21.0%、Ni:50.0~55.0%、Co:1.0%以下、Mo:2.8~3.3%、Al:0.20~0.80%、Ti:0.65~1.15%、Nb:4.75~5.50%、Ta:2.0%以下、V:1.0%以下、B:0.006%以下、Zr:0.10%以下、Mg:0.005%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物の成分組成を有するNi基超耐熱合金の熱間加工用素材を準備する素材準備工程と、
前記熱間加工用素材を970~1005℃の熱間加工準備温度T1に加熱して熱間加工を行い、熱間加工材を得る熱間加工工程と、
前記熱間加工工程後の前記熱間加工材を冷却する過程で、前記熱間加工材の温度が、980~965℃の範囲内に含まれる熱間加工終了温度T2から、前記T2~500℃の範囲内に含まれる中間温度T3に下がった以降は、前記熱間加工材の冷却速度が300℃/分以上となる条件で前記熱間加工材の温度が200℃以下になるまで冷却する冷却工程と、
を有することを特徴とする、Ni基超耐熱合金の製造方法。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記冷却工程は、前記熱間加工材の温度が前記T2から前記T3に下がるまでの間の冷却速度が120℃/分以下となる条件で冷却することを特徴とする、請求項1に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
【請求項3】
前記冷却工程後の前記熱間加工材を600~750℃に再加熱して時効処理を行う直接時効処理工程と、
を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
【請求項4】
直接時効処理工程に供される熱間加工材であって、
前記熱間加工材が、質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Cr:17.0~21.0%、Ni:50.0~55.0%、Co:1.0%以下、Mo:2.8~3.3%、Al:0.20~0.80%、Ti:0.65~1.15%、Nb:4.75~5.50%、Ta:2.0%以下、V:1.0%以下、B:0.006%以下、Zr:0.10%以下、Mg:0.005%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物の成分組成を有するNi基超耐熱合金であり、
SEM-EBSD法で測定される粒内方位差パラメータGrain Orientation Spread(GOS)が0.70°以上であり、平均結晶粒径が12μm以下であることを特徴とする、熱間加工材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Ni基超耐熱合金の製造方法および熱間加工材に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
航空機用ジェットエンジンや発電用ガスタービンでは、燃費向上のため運転温度が上昇傾向にあり、高温での優れた機械的特性を有する超耐熱合金からなる部品が多く使用されている。そして、例えば、タービンディスク等の回転部品では、高温での0.2%耐力や引張強さ、疲労特性、クリープ特性などが求められる。これら部品は、超耐熱合金でなる素材に、鍛造等の熱間加工を行って、製品のニアネット形状に成形される。
【0003】
これら部品の素材に用いられる超耐熱合金として、Ni基超耐熱合金があり、代表的には、50.0~55.0質量%のNiを含んだNi基超耐熱合金である718合金が挙げられる。また、これら部品の0.2%耐力を向上させる手法として、部品組織中の結晶粒を微細に保つことが有効である。そして、上記の熱間加工によって導入された塑性ひずみを、製品状態でも残すことが有効であり、蓄積されたひずみの粒内方位差パラメータであるGrain Orientation Spread(GOS)を0.7°以上としたNi基超耐熱合金が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/203460号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Ni基超耐熱合金でなる部品の内部に歪みを蓄積させること(つまり、GOSを高めること)は、これの高温における0.2%耐力を高く維持するのに有効な手法である。そこで、熱間加工後のNi基超耐熱合金(つまり、熱間加工材)に対しては、通常、これに溶体化処理と時効処理との組合せでなる熱処理を行って部品に仕上げられるところ、溶体化処理は再結晶等の組織変化に伴って熱間加工材に蓄積された塑性歪の減少を促し得ることから、特許文献1では、この溶体化処理を省略した「直接時効処理」を行うことが推奨されている。直接時効処理によって、上記の熱間加工で熱間加工材の内部に導入し蓄積された塑性歪を、熱処理後にも維持することができる。そして、上記の熱間加工で微細化した結晶粒も、熱処理後に維持することができるので、高温での0.2%耐力が高い部品を得ることができる。
しかし、実際の操業においては、熱間加工を行ったにも関わらず、直接時効処理前の熱間加工材の内部には、上記の熱間加工による塑性歪が蓄積されていない場合があった。また、熱間加工を行ったにも関わらず、直接時効処理前の熱間加工材の結晶粒が大きい場合があった。
【0006】
本発明の目的は、熱処理前の熱間加工材において、塑性歪を蓄積できて、かつ、結晶粒を小さく維持できるNi基超耐熱合金の製造方法を提供することである。そして、塑性歪が蓄積されており、かつ、結晶粒が小さい熱間加工材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、
質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Cr:17.0~21.0%、Ni:50.0~55.0%、Co:1.0%以下、Mo:2.8~3.3%、Al:0.20~0.80%、Ti:0.65~1.15%、Nb:4.75~5.50%、Ta:2.0%以下、V:1.0%以下、B:0.006%以下、Zr:0.10%以下、Mg:0.005%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物の成分組成を有するNi基超耐熱合金の熱間加工用素材を準備する素材準備工程と、
上記の熱間加工用素材を970~1005℃の熱間加工準備温度T1に加熱して熱間加工を行い、熱間加工材を得る熱間加工工程と、
上記の熱間加工工程後の熱間加工材を冷却する過程で、この熱間加工材の温度が、980~965℃の範囲内に含まれる熱間加工終了温度T2から、T2~500℃の範囲内に含まれる中間温度T3に下がった以降は、熱間加工材の冷却速度が300℃/分以上となる条件で熱間加工材の温度が200℃以下になるまで冷却する冷却工程と、
を有する、Ni基超耐熱合金の製造方法である。
【0008】
なお、上記の冷却工程は、熱間加工材の温度がT2からT3に下がるまでの間の冷却速度が120℃/分以下となる条件で冷却することが好ましい。
また、上記の冷却工程後の熱間加工材を600~750℃に再加熱して時効処理を行う直接時効処理工程と、を有することが好ましい。
【0009】
そして、本発明は、
直接時効処理工程に供される熱間加工材であって、
上記の熱間加工材が、質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Cr:17.0~21.0%、Ni:50.0~55.0%、Co:1.0%以下、Mo:2.8~3.3%、Al:0.20~0.80%、Ti:0.65~1.15%、Nb:4.75~5.50%、Ta:2.0%以下、V:1.0%以下、B:0.006%以下、Zr:0.10%以下、Mg:0.005%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物の成分組成を有するNi基超耐熱合金であり、
SEM-EBSD法で測定される粒内方位差パラメータGrain Orientation Spread(GOS)が0.70°以上であり、平均結晶粒径が12μm以下である、熱間加工材である。
【発明の効果】
【0010】
本発明であれば、塑性歪が蓄積されており、かつ、結晶粒が小さい熱間加工材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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