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公開番号2025110185
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024003974
出願日2024-01-15
発明の名称ポリアミド樹脂組成物および金属樹脂接合体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08L 77/00 20060101AFI20250718BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】インサート成形用のポリアミド樹脂組成物であって、金型温度を低くしてインサート成形を行ったときでも、金属部材と樹脂部材との気密性を高めることができる、ポリアミド樹脂組成物、およびこれを用いた金属樹脂接合体を提供すること。
【解決手段】金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、炭素原子数が10以上のジカルボン酸に由来する成分単位、炭素原子数が10以上のジアミンに由来する成分単位、炭素原子数が10以上のラクタムに由来する成分単位、および、炭素原子数が10以上のアミノカルボン酸に由来する成分単位の少なくとも1つを含む脂肪族ポリアミド樹脂(B)と、を含み、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)および前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の合計質量に対する、前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の含有量の比率は、0.15以上0.25以下である、ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、
示唆走査熱量系(DSC)で測定される融点が290℃以上340℃以下である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、
炭素原子数が10以上のジカルボン酸に由来する成分単位、炭素原子数が10以上のジアミンに由来する成分単位、炭素原子数が10以上のラクタムに由来する成分単位、および、炭素原子数が10以上のアミノカルボン酸に由来する成分単位の少なくとも1つを含む脂肪族ポリアミド樹脂(B)と、
を含み、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)および前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の合計質量に対する、前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の含有量の比率((B)/((A)+(B))は、0.15以上0.25以下である、
ポリアミド樹脂組成物。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)と、ジアミンに由来する成分単位(Ab)とを含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位を含み、
前記ジアミンに由来する成分単位(Ab)は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含む、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)は、炭素原子数が10以上のラクタムに由来する成分単位および炭素原子数が10以上のアミノカルボン酸に由来する成分単位のいずれか一方を含む、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の融点は、200℃以下である、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)のガラス転移温度は、70℃以下である、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が20質量%以上40質量%以下である強化材をさらに含む、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
示唆走査熱量計(DSC)により測定される、ポリアミド樹脂組成物の融点とポリアミド樹脂組成物の結晶化温度との差が、26℃以上である、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項8】
金属部材と、
前記金属部材の表面に接合された、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む樹脂部材と、を含む、
金属樹脂接合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物および金属樹脂接合体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、成形材料として、ポリアミド樹脂組成物が知られている。ポリアミド樹脂組成物は、例えば、自動車用部品、電気・電子用部品などの種々の部品の材料として広く用いられており、成形体の機械的強度に優れることが知られている。
【0003】
ところで、ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物を成形してなる樹脂部材と金属部材とが接合された金属樹脂接合体を形成するために用いられることがある。ポリアミド樹脂組成物が金属樹脂接合用途に用いられる場合には、樹脂部材と、金属部材と、を強固に接合することが要求される。
【0004】
例えば、特許文献1には、表面に凹凸を有する金属部材と、金属部材の上記凹凸構造を有する表面に接合された樹脂部材とを有する金属樹脂複合体であって、上記樹脂部材は、ポリアミド樹脂と、強化充填材と、特定の量のタルクとを含む金属接合用ポリアミド樹脂組成物からなる、金属樹脂複合体が開示されている。特許文献1では、上記金属樹脂複合体では、金属部材と樹脂部材との接合強度が高められたとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-177867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ポリアミド樹脂組成物と金属部材との接合体の用途によっては、ポリアミド樹脂組成物と金属部材との間の気密性が求められる。たとえば、冷却用のオイルが充填されたモータケース内に配置されたモータと、モータケース外に配置されたインバータと、を電気的に接続するためのバスバー等の導電部品として上記接合体を使用する場合には、モータケース外へのオイル漏れを防ぐために高い気密性が必要となる。また、金属樹脂接合体の製造コストを低減する観点から、製造時の金型の加熱温度を低くすることが求められている。本発明者らの検討によれば、特許文献1で用いられているポリアミド樹脂組成物では、成形時に用いる金型の温度を低くして金属樹脂接合体の成形を行ったとき、金属部材と樹脂部材との気密性を十分に高めることができなかった。
【0007】
本発明の目的は、金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、金型温度を低くして金属樹脂接合体の成形を行ったときでも、金属部材と樹脂部材との気密性を高めることができる、ポリアミド樹脂組成物、およびこれを用いた金属樹脂接合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[1]~[7]のポリアミド樹脂組成物に関する。
[1]金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、
示唆走査熱量系(DSC)で測定される融点が290℃以上340℃以下である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、
炭素原子数が10以上のジカルボン酸に由来する成分単位、炭素原子数が10以上のジアミンに由来する成分単位、炭素原子数が10以上のラクタムに由来する成分単位、および、炭素原子数が10以上のアミノカルボン酸に由来する成分単位の少なくとも1つを含む脂肪族ポリアミド樹脂(B)と、
を含み、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)および前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の合計質量に対する、前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の含有量の比率((B)/((A)+(B))は、0.15以上0.25以下である、
ポリアミド樹脂組成物。
[2]前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)と、ジアミンに由来する成分単位(Ab)とを含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位を含み、
前記ジアミンに由来する成分単位(Ab)は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含む、
[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)は、炭素原子数が10以上のラクタムに由来する成分単位および炭素原子数が10以上のアミノカルボン酸に由来する成分単位のいずれか一方を含む、
[1]または[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)の融点は、200℃以下である、
[1]~[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]前記脂肪族ポリアミド樹脂(B)のガラス転移温度は、70℃以下である、
[1]~[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[6]前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が20質量%以上40質量%以下である強化材をさらに含む、
[1]~[5]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[7]示唆走査熱量計(DSC)により測定される、ポリアミド樹脂組成物の融点とポリアミド樹脂組成物の結晶化温度との差が、26℃以上である、
[1]~[6]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
【0009】
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[8]の金属樹脂複合体に関する。
[8]金属部材と、前記金属部材の表面に接合された、[1]~[7]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含む樹脂部材と、を含む、
金属樹脂接合体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、金型温度を低くして金属樹脂接合体の成形を行ったときでも、金属部材と樹脂部材との気密性を高めることができる、ポリアミド樹脂組成物、およびこれを用いた金属樹脂接合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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