TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025111631
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-30
出願番号
2025071734,2022558359
出願日
2025-04-23,2020-12-02
発明の名称
HIVに対する広域中和抗体
出願人
ウニヴェルジテート・ツー・ケルン
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C07K
16/10 20060101AFI20250723BHJP(有機化学)
要約
【課題】HIV-1に対する新規ヒトモノクローナル抗体を提供する。
【解決手段】本開示は、ヒト免疫不全ウイルスHIV-1のCD4結合部位に対するモノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメント、かかるモノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメントを含む医薬組成物、かかる抗体又はその結合フラグメントを備えるキット、並びに医薬として及びヒト免疫不全ウイルスHIV-1によって引き起こされる疾患の治療又は予防に用いられる、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、及び医薬組成物、及びキットに関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒト免疫不全ウイルスHIV-1のCD4結合部位に対するモノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメントであって、前記抗体アミノ酸配列がV
H
1-46遺伝子セグメント及び前記V
κ
3-20遺伝子セグメントを含み、
前記抗体が、
a)重鎖アミノ酸配列
QXXXFQSGXEXKRPGASVXISCRADDDPYTDDDTFTKYXTHWIRQAPGQXPEWLGVISPHXARPIYSYKFXDRLTLTRDSSLTXVYXELXXLXXDDXGIYXCARDPFGXXXPHYNXHMDVWGXGTXXIVSX(コンセンサス配列番号1;配列番号47)、
及び軽鎖アミノ酸配列
EXVLTQSPAILSXSPGDRVXXSCXASZGLXXXXLAWYRFKXGQIPXLVJFXXSXRARGTPDRFXGXGSXXDFTLTIXXVZXEDFATYYCQRXGXTPITFGGGTXLDXX(コンセンサス配列番号2;配列番号48)、又は、
b)重鎖アミノ酸配列
QLXQXGGGVXXPGASVXXSCXXPEXTFTKYXJHWXRQAPGXGXEWXGXVSPHGGRPXXXXXFRDRLTXTRXIHXTTHXMXLXGLXXXDXXXYXCARDXXGEXXXXXXXXXXXMDXWGGGXXXXVXS(コンセンサス配列番号3;配列番号49)、
及び軽鎖アミノ酸配列
XXXLTQSPXTLSXSPGEXXXLSCRAXXGXXXXHXXWFQXXXGXXPRLLIFXXXRRAXGXXXRFXXXXXXSXXXXXLTIXXVEXXDFAXYXCQXYGXITPJXFGGGTXXDXK(コンセンサス配列番号4;配列番号50)を含み、
配列番号47~配列番号50のいずれかにおけるXは、任意のアミノ酸であってもよく若しくはアミノ酸がなくてもよく、
又は抗体アミノ酸配列が該配列に対して少なくとも80%同一である、モノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメント。
続きを表示(約 2,500 文字)
【請求項2】
請求項1の代替b)の前記抗体がFWR1において2aaの欠失を含む、及び/又は前記抗体若しくはその結合フラグメントが16若しくは19のアミノ酸長を有するCDRH3を含まない、及び/又は前記抗体若しくはその結合フラグメントが18、20若しくは21のアミノ酸長を有するCDRH3を含む、請求項1に記載のモノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメント。
【請求項3】
前記抗体又はその結合フラグメントが、TZM-bl細胞疑似ウイルス中和アッセイにおいて最大25μg/mlの抗体濃度で好ましくは全12株を試験した場合、de Camp et
al., J Virol. 2014 Mar; 88(5): 2489-2507に記載されるグローバルリファレンスパネ
ルの12株のHIV-1単離基準株のうち少なくとも11株の中和によって例示される広範な中和活性を示す、請求項1又は2に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項4】
前記抗体又はその結合フラグメントが、TZM-bl細胞疑似ウイルス中和アッセイにおいて最大20μg/mlの抗体濃度で試験した場合、少なくとも89.9%(119個中107個)、好ましくは少なくとも92.4%(119個中110個)、より好ましくは少なくとも96.6%(119個中115個)のSchoofs et al., Immunity, 2019 Jun
18;50(6):1513-1529.e9に記載される119マルチクレードウイルスパネルに含まれる疑似ウイルスの中和によって例示される広範な中和活性を示す、請求項1~3のいずれか一
項に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項5】
前記抗体又はその結合フラグメントが、TZM-bl細胞疑似ウイルス中和アッセイにおいて最大25μg/mlの抗体濃度で試験した場合、de Camp et al., J Virol.2014 Mar; 88(5): 2489-2507に記載されるグローバルリファレンスパネルの中和株に対して、0.3μg/ml未満、好ましくは0.2μg/ml未満、より好ましくは0.15μg/ml未満、更により好ましくは0.1μg/ml未満、更により好ましくは0.05μg/ml未満、更に好ましくは0.048μg/ml以下、特に好ましくは0.035μg/ml以下の中和効力(中和株の幾何平均IC
50
)を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項6】
前記抗体又はその結合フラグメントが、TZM-bl細胞疑似ウイルス中和アッセイにおいて最大20μg/mlの抗体濃度で試験した場合、Schoofs et al., Immunity, 2019
Jun 18;50(6):1513-1529.e9に記載される119マルチクレードウイルスパネルの中和株に対して、0.2μg/ml未満、好ましくは0.1μg/ml未満、好ましくは0.08μg/ml未満、更により好ましくは0.05μg/ml未満の中和効力(中和株の幾何平均IC
50
)を示す、請求項1~5のいずれか一項に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項7】
前記抗体又はその結合フラグメントが、TZM-bl疑似ウイルス中和アッセイにおいて試験した場合、HIV-1疑似ウイルス89-F1_2_25(89-F1_2_25
env
;GenBank:HM215349.1)に対して0.05μg/ml未満、好ましくは0.02μg/ml未満、更により好ましくは0.01μg/ml未満の中和効力(IC
50
)を示す、請求項1~6のいずれか一項に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項8】
前記抗体又は結合フラグメントが、TZM-bl疑似ウイルス中和アッセイにおいて試験した場合、IC
50
濃度が0.1μg/ml未満、好ましくは0.05μg/ml未満で、エンベロープ変異N279K、N280Y、G458D、G459D、又はG471R(HIV-1 HXB2エンベロープ遺伝子;GenBank:K03455に従って番号が付与された残基)の1つを有するYU2エンベロープ遺伝子(GenBank:M93258.1)を含むYU2疑似ウイルス変異体の全てを中和する、請求項1~7のいずれか一項に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項9】
前記抗体又はその結合フラグメント1mgの初期皮下注射に続いて、3日~4日後に、Zhang et al., J Virol, 2002 Jun;76(12):6332-43に記載されるHIV-1 NL4-3/YU2に感染したヒト化マウスに対して、3日毎~4日毎に0.5mgの前記抗体又はその結合フラグメントの定期的な皮下注射を行うことが、治療の4週間後、好ましくは治療の6週間後、更により好ましくは治療の8週間後に測定した場合、治療開始時に少なくとも5000コピー/ml血漿のHIV-1 RNA負荷を有する治療マウスの少なくとも70%において、治療開始と比較して、少なくとも0.8 log
10
、好ましくは少なくとも1.0 log
10
の血漿中のHIV-1 RNA負荷の減少をもたらす、請求項1~8のいずれか一項に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
【請求項10】
前記ヒト化マウスを、3BNC117若しくはVRC01、又は両方の組合せ1mgの1回の初期皮下注射で4週間にわたって先に治療し、続いて3日~4日後に、0.5mgの3BNC117若しくはVRC01、又は両方の組合せの3日毎~4日毎の定期的な皮下注射を行う、請求項9に記載のモノクローナルヒト抗体又は結合フラグメント。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルスHIV-1のCD4結合部位に対するモノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメント、かかるモノクローナルヒト抗体又はその結合フラグメントを含む医薬組成物、かかる抗体又はその結合フラグメントを備えるキット、並びに医薬として及びヒト免疫不全ウイルスHIV-1によって引き起こされる疾患の治療又は予防に用いられる、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、及び医薬組成物、及びキットに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
HIV-1エンベロープタンパク質(Env)を標的とする広域中和抗体(bNAb)は、動物モデルにおける感染を予防することができ、臨床試験において受動免疫について調査されているところである。さらに、bNAbは、HIV-1感染個体における抗レトロウイルス療法(ART)の中断後にウイルス血症を抑制し、ウイルスリバウンドを遅らせることが実証されている。
【0003】
これらの結果は、bNAbの顕著な臨床的可能性を強調しているが、既往の及びde novoのHIV-1耐性は治療の失敗を引き起こし、ヒトにおけるbNAb適用を強く制限する可能性がある。したがって、ウイルスの逃避を予防及び克服するための戦略は、HIV-1の予防及び治療のためのbNAb媒介アプローチを効果的に実施するために重要である(非特許文献1)。
【0004】
近年、HIV-1エンベロープ(Env)三量体上の別個の脆弱なエピトープを標的とする強力なbNAbが、HIV-1感染ドナーから単離された。これらのエピトープは、CD4結合部位(CD4bs)、V1/V2ループ、V3ループグリカンパッチ、膜近位外部領域、及びgp120とgp41 Envサブユニットとの間の界面を含む。
【0005】
これらの部位の中で、CD4はウイルス侵入の主要な受容体としてはたらくため、CD4bsは特に興味深い。ほとんどの強力なCD4bs bNAbは、免疫グロブリン重鎖遺伝子セグメントIGVH1-2
*
02の使用、高レベルの体細胞超変異、軽鎖の5残基相補性決定領域3(CDRL3)、及びEnv-CD4相互作用の模倣を特徴とする。
【0006】
原型抗体VRC01(非特許文献2)にちなんで命名されたこれらの抗体は、VRC01クラスbNAbと称される。このクラスのその他のメンバーとしては、3BNC117、NIH45-46、N49-P7、N6、及びVRC07-523が挙げられる。
【0007】
CD4結合を模倣する他のbNAbは、VH1-46遺伝子セグメントに由来する。しかしながら、VH1-2由来のbNAbと比較して、これまでに報告されたVH1-46
bNAbは、その臨床使用の可能性を制限する低い効力及び幅を有する。例えば、このクラスの最良の抗体の1つであるCH235.12は、HIV-1 Env株の大きなパネルに対してin vitroで試験した場合、VRC01クラスのbNAb N6よりも広範ではなく、効力は10分の1にも満たない(非特許文献3)。
【0008】
したがって、臨床試験に進んだ全てのCD4bs bNAbは、VRC01クラスのメンバー(3BNC117、N6、VRC01、及びVRC07-523)である。しかしながら、VRC01からの逃避はウイルスの適応度の低下と関連しているのに対し、VRC01クラスの単独療法の効果は一過性に過ぎず、臨床試験(非特許文献4)とHIV-1感染の動物モデル(非特許文献5)の両方でウイルスエスケープ変異体の急速な出現と
関連していた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Gruell, H., and Klein, F. (2018). Antibody-mediated prevention and treatment of HIV-1 infection. Retrovirology 15, 73
Wu, X., Yang, Z.Y., Li, Y., Hogerkorp, C.M., Schief, W.R., Seaman, M.S., Zhou, T., Schmidt, S.D., Wu, L., Xu, L., et al. (2010). Rational design of envelope identifies broadly neutralizing human monoclonal antibodies to HIV-1. Science 329, 856-861.
Bonsignori, M., Zhou, T., Sheng, Z., Chen, L., Gao, F., Joyce, M.G., Ozorowski, G., Chuang, G.Y., Schramm, C.A., Wiehe, K., et al. (2016). Maturation Pathway from Germline to Broad HIV-1 Neutralizer of a CD4-Mimic Antibody. Cell 165, 449-463.
Scheid, J.F., Horwitz, J.A., Bar-On, Y., Kreider, E.F., Lu, C.L., Lorenzi, J.C., Feldmann, A., Braunschweig, M., Nogueira, L., Oliveira, T., et al. (2016). HIV-1 antibody 3BNC117 suppresses viral rebound in humans during treatment interruption. Nature 535, 556-560.
Klein, F., Halper-Stromberg, A., Horwitz J.A., Gruell, H., Scheid J.F., Bournazos S., Mouquet H., Spatz L.A., Diskin R., Abadir A., et al. (2012) HIV Therapy by a Combination of Broadly Neutralizing Antibodies in Humanized Mice. Nature 492 (7427), 118-22
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在調査中の既知のbNAbの欠点のため、HIV-1感染生物で試験した場合に、既知の古典的VH1-2由来又はVH1-46由来bNAbの効力及び幅を超え、VRC01クラスのエスケープ変異体に対して強力な中和活性を有し、ウイルスの逃避を効果的に制限し、ウイルス抑制を維持する、CD4結合部位を標的とするHIV抗体の需要が依然として存在する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
東ソー株式会社
炭素-窒素結合形成方法
1か月前
株式会社トクヤマ
四塩化炭素の製造方法
1か月前
株式会社トクヤマ
シロキサン類の回収方法
1か月前
株式会社トクヤマ
ビオチン誘導体の製造方法
19日前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
2か月前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
4日前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
3日前
株式会社トクヤマ
ベンザゼピン化合物の製造方法
2日前
日本特殊陶業株式会社
メタン製造装置
2か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミドおよびその製造方法
2か月前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
2か月前
artience株式会社
四塩基酸無水物の製造方法
1か月前
信越化学工業株式会社
新規化合物
1か月前
四国化成工業株式会社
エポキシ化合物およびその利用
2か月前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
1か月前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
17日前
四国化成工業株式会社
テレフタル酸化合物およびその利用
2か月前
四国化成工業株式会社
イソフタル酸化合物およびその利用
2か月前
株式会社トクヤマ
サフィナミド若しくはその塩の製造方法
1か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
1か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
株式会社カネカ
プロピレンオキサイド(PO)製造システム
2か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の保存溶液
1か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
旭化成株式会社
トリオキサンの製造方法
1か月前
JNC株式会社
有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体
3日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
2か月前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
2か月前
JFEスチール株式会社
メタノール合成方法
2か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
1か月前
公立大学法人大阪
カルボン酸化合物の製造方法
1か月前
学校法人東海大学
樹脂担持環状テルル化合物
17日前
東京都公立大学法人
キチン系複合体
10日前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
2か月前
出光興産株式会社
プロピレンの製造方法
2か月前
続きを見る
他の特許を見る