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公開番号
2025112149
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-31
出願番号
2024006274
出願日
2024-01-18
発明の名称
アルケニルジアセテートの製造方法
出願人
株式会社クラレ
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C07C
67/055 20060101AFI20250724BHJP(有機化学)
要約
【課題】反応容器の腐食を抑えつつ、高温・高圧条件下でも安定的に高い選択率で目的物質を製造し得る、アルケニルジアセテートの製造方法を提供する。
【解決手段】反応容器内で、遷移金属を含む触媒存在下、酢酸(A)、炭素数3~8のアルケン(B)、及び酸素(C)を、式(I)で表される酢酸アルキルエステル(D)が存在する液相中で反応させる、アルケニルジアセテートの製造方法。
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[式(I)中、R
1
は、炭素数1~8の、直鎖状、環状、又は分岐を有する脂肪族炭化水素基を表す。]
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
反応容器内で、遷移金属を含む触媒存在下、酢酸(A)、炭素数3~8のアルケン(B)、及び酸素(C)を、式(I)で表される酢酸アルキルエステル(D)が存在する液相中で反応させる、アルケニルジアセテートの製造方法。
JPEG
2025112149000006.jpg
15
60
[式(I)中、R
1
は、炭素数1~8の、直鎖状、環状、又は分岐を有する脂肪族炭化水素基を表す。]
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
炭素数3~8のアルケン(B)がイソブチレンであり、前記アルケニルジアセテートが2-メチレン-1,3-プロパンジアセテートである、請求項1に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項3】
酸素(C)に対して15モル当量以上の窒素(E)を更に用いる、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項4】
酢酸アルキルエステル(D)の質量に対して、0.001~50,000質量ppmのエタノール(F)を更に用いる、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項5】
前記式(I)中、R
1
は、炭素数1~4の、直鎖状又は分岐を有する脂肪族炭化水素基を表す、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項6】
酢酸アルキルエステル(D)の沸点が117℃未満である、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項7】
酢酸アルキルエステル(D)が酢酸エチルである、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項8】
前記反応容器内の気相部の酸素濃度が、ASTM E2079-19規格にて測定される前記液相の蒸気の爆発限界酸素濃度以下である、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項9】
酢酸アルキルエステル(D)の質量MDと炭素数3~8のアルケン(B)の質量MBとの比MD/MBが、2以上50以下である、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【請求項10】
前記触媒が、二酸化ケイ素、活性炭、及びアルミナからなる群より選ばれる少なくとも1つの担体にパラジウムを担持させたものである、請求項1又は2に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルケニルジアセテートの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
アルケニルジアセテートは、アルケニル基と2つのアシル基を持つことから、様々な化学品の原料に用いることができる。その中でも、2-メチレン-1,3-プロパンジアセテート(以下、「MPDAc」と略記することがある)は、同一分子内に、ラジカル付加反応、ヒドロシリル化反応またはヒドロホルミル化反応などに適用可能な2,2-置換炭素-炭素不飽和結合、および鹸化反応やエステル交換反応などに適用可能な2つのアシル基を持つことから、その反応性に起因して特に様々な化学品の製造原料として用いることができる。
【0003】
MPDAcの製造方法として、イソブチレンと酢酸と酸素を原料に、気相中での酸化的アセトキシ化反応によってMPDAcを製造することが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
気相反応では、MPDAcが触媒上に吸着して反応を阻害する等の理由で生産性を高めることが難しく、生産効率の観点から液相条件が好ましいことが特許文献3に記載されている。また、特許文献3においては、生成物に対して等モル以上の無機生成物を発生させず、かつ高い生産効率および高いコストパフォーマンスでMPDAcを液相反応にて製造できることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
独国特許第1909964号明細書
特公昭47-28965号公報
国際公開第2020/022364号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3のような液相反応条件では、液相条件にて反応させるために、通常、反応基質である酢酸が過剰に用いられている。しかしながら、反応で生成する水により、酢酸溶液中ではMPDAcの加水分解反応が進行してしまい、目的とするMPDAcの収率が低下するという課題がある。また、酢酸溶液中ではMPDAcと分離が難しい加水分解物(例えば、2-メチレン-1,3-プロパンジオール、2-メチレン-1,3-プロパンジオールモノアセテート)が副生成しやすくなるため、MPDAcを高純度で得ようとすると、非常に効率の悪い蒸留条件を適用せざるを得ず、生産性を高められないという課題もある。
【0007】
さらに、高濃度の酢酸溶液を工業的に高温・高圧の反応条件に適用する場合、ステンレス等の金属製の反応容器の腐食が発生し、溶出する金属の影響で触媒が失活したり、反応容器にピンホールが生じて反応容器内の液体が熱媒ジャケットに流出したりする恐れがある。このため、高温・高圧条件下において、長期間に亘って安定的に高い選択率で目的物質であるMPDAcを生産できないという課題がある。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明の課題は、反応容器の腐食を抑えつつ、高温・高圧条件下でも安定的に高い選択率で目的物質を製造し得る、アルケニルジアセテートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した結果、酢酸アルキルエステルを原料に加えて反応させることで、反応容器の腐食を抑えつつ、高温・高圧条件下でも安定的に高い選択率でアルケニルジアセテートを製造できることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]反応容器内で、遷移金属を含む触媒存在下、酢酸(A)、炭素数3~8のアルケン(B)、及び酸素(C)を、式(I)で表される酢酸アルキルエステル(D)が存在する液相中で反応させる、アルケニルジアセテートの製造方法。
JPEG
2025112149000001.jpg
15
60
[式(I)中、R
1
は、炭素数1~8の、直鎖状、環状、又は分岐を有する脂肪族炭化水素基を表す。]
[2]炭素数3~8のアルケン(B)がイソブチレンであり、前記アルケニルジアセテートが2-メチレン-1,3-プロパンジアセテートである、上記[1]に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[3]酸素(C)に対して15モル当量以上の窒素(E)を更に用いる、上記[1]又は[2]に記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[4]酢酸アルキルエステル(D)の質量に対して、0.001~50,000質量ppmのエタノール(F)を更に用いる、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[5]前記式(I)中、R
1
は、炭素数1~4の、直鎖状又は分岐を有する脂肪族炭化水素基を表す、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[6]酢酸アルキルエステル(D)の沸点が117℃未満である、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[7]酢酸アルキルエステル(D)が酢酸エチルである、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[8]前記反応容器内の気相部の酸素濃度が、ASTM E2079-19規格にて測定される前記液相の蒸気の爆発限界酸素濃度以下である、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[9]酢酸アルキルエステル(D)の質量MDと炭素数3~8のアルケン(B)の質量MBとの比MD/MBが、2以上50以下である、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[10]前記触媒が、二酸化ケイ素、活性炭、及びアルミナからなる群より選ばれる少なくとも1つの担体にパラジウムを担持させたものである、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[11]前記触媒が、最大長さ2mm以上20mm未満の担体にパラジウムを担持させたものである、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[12]酢酸(A)の質量が、酢酸(A)と炭素数3~8のアルケン(B)と酢酸アルキルエステル(D)の合計質量100質量部に対して0質量部超20質量部以下である、上記[1]~[11]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[13]酢酸(A)の質量MAと炭素数3~8のアルケン(B)の質量MBとの比MA/MBが3以下である、上記[1]~[12]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
[14]酢酸アルキルエステル(D)の質量MDと、酢酸(A)の質量MA及び炭素数3~8のアルケン(B)の質量MBの合計との比MD/(MA+MB)が、1以上50以下である、上記[1]~[13]のいずれか一つに記載のアルケニルジアセテートの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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