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公開番号2025113525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-04
出願番号2024007723
出願日2024-01-23
発明の名称オルガノポリシロキサン、それを含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、コーティング剤および被覆物品
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08G 77/44 20060101AFI20250728BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】溶媒を使用しない場合でも低粘度であり、かつ硬化性に優れ、耐熱性の良好な硬化物を作製可能な室温硬化性組成物を与えるオルガノポリシロキサンを提供すること。
【解決手段】(a)下記式(I)で表されるシリコーンオリゴマーと、(b)分子鎖末端にシラノール基を有するシリコーンオイルとの縮合物であって、25℃における動粘度が、100~2,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025113525000006.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">11</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">153</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R2は、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基またはイソプロピル基を表す。a、b、cおよびdは、それぞれ0≦a<1、0<b≦1、0≦c<0.5、0≦d<0.5、かつa+b+c+d=1を満たす数であり、eは0<e≦4を満たす数である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)下記式(I)で表されるシリコーンオリゴマーと、(b)分子鎖末端にシラノール基を有するシリコーンオイルとの縮合物であって、25℃における動粘度が、100~2,000mm
2
/sであるオルガノポリシロキサン。
TIFF
2025113525000005.tif
11
153
(式中、R
1
は、それぞれ独立に、水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数6~18のアリール基もしくは炭素原子数7~20のアラルキル基を表し、R
2
は、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基またはイソプロピル基を表す。a、b、cおよびdは、それぞれ0≦a<1、0<b≦1、0≦c<0.5、0≦d<0.5、かつa+b+c+d=1を満たす数であり、eは0<e≦4を満たす数である。)
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記式(I)において、aおよびdが、0である請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項3】
前記(a)成分のゲル浸透クロマトグラフィーにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、500~3,000である請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項4】
前記(b)成分のゲル浸透クロマトグラフィーにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、200~2,000である請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項5】
前記(a)成分100質量部に対し、前記(b)成分が10~80質量部である請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項6】
ゲル浸透クロマトグラフィーにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、5,000~100,000である請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンおよび硬化触媒を含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項8】
請求項7記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなるコーティング剤。
【請求項9】
請求項7記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物。
【請求項10】
基材と、該基材の少なくとも一方の面に直接または1つ以上の他の層を介して形成された請求項9記載の硬化物とを有する被覆物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノポリシロキサン、それを含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、コーティング剤および被覆物品に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
アルコキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサンは、塗料やコーティング剤に広く使用されている。一般に、末端にアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、硬化触媒を配合し、熱エネルギー等の外部エネルギーを加えることで末端のアルコキシ基が相互に反応し、強固なシロキサンネットワークを形成する。その結果得られる被膜は、耐熱性や耐候性に優れるため、その施工対象は屋外建造物から、自動車部品、電子部品まで多岐に亘っている。
【0003】
アルコキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサンは、一般にアルコキシシランを加水分解縮合することで製造されている(特許文献1,2)。
しかし、一般的に活性の高いアルコキシ基の多くは、製造時における加水分解縮合反応により消費され、生成物であるオルガノポリシロキサンには活性の低いアルコキシ基が少数残存しているのみとなり、その被膜は硬化性に劣るものが多い。硬化性の低下の傾向は、生成物であるオルガノポリシロキサンの分子量が高いほど顕著となり、低い硬化性を補うために、被膜形成時に高温での加熱などの追加工程を要する。
【0004】
一方、分子量が5,000以下の低分子オルガノポリシロキサンにおいては、活性なアルコキシ基が多く残存しているため反応性に優れることから、低分子オルガノポリシロキサンを含む組成物の中には、加熱工程を経ずとも硬化するものも存在する。しかし、低分子オルガノポリシロキサンの硬化被膜は、薄膜であることから機械的特性が低いうえ、外部から熱が加わることで被膜中の残存アルコキシ基が逐次的に反応し、経時でクラックが生じるなどの問題を有している。
【0005】
上述のように、種々のオルガノポリシロキサンにおいて、分子量が大きい場合は重合性官能基数が少ないことに起因する硬化性の悪化などの問題があり、分子量が小さい場合は、機械的強度が低く、加熱により経時でクラックが発生するなどの問題がある。
また、オルガノポリシロキサンの分子量の違いによって、塗膜の硬化温度や耐熱性、耐光性、耐溶剤性、表面硬度、作業性等の種々の物性も異なるため、用途に適した分子量が求められている。
【0006】
これらの理由から、オルガノポリシロキサンの製造においてはその分子量制御が重要な要素となっており、特許文献3では、特定の分子量領域に所定のピークトップおよびピーク面積を有するオルガノポリシロキサンが、上記課題を解決することができることを見出しており、具体的には、高い分子量を持つオルガノポリシロキサンと低い分子量を持つオルガノポリシロキサンとを組み合わせることで、上記課題を解決した。しかし、この方法では高い分子量のオルガノポリシロキサンを溶解させるために溶剤が必要となり、環境配慮の面から好ましくない。
【0007】
特許文献4では、アルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサンユニットと、予め縮合させたシリコーンオリゴマーとを反応させた、高分子量かつ高反応性を有する液状オルガノポリシロキサンが提案されている。このオルガノポリシロキサンは、無溶剤で液体であることおよび室温硬化性を両立することが可能だが、高反応性を有している一方で、高温環境において硬化膜にクラックが発生してしまう場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許6525573号公報
特許4110402号公報
特開2021-172707号公報
国際公開第2023/157603号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、溶媒を使用しない場合でも低粘度であり、かつ硬化性に優れ、耐熱性の良好な硬化物を作製可能な室温硬化性組成物を与えるオルガノポリシロキサンおよびこれを含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アルコキシシリル基を有するシリコーンオリゴマーと、分子鎖末端にシラノール基を有するシリコーンオイルとを縮合させた縮合物であるオルガノポリシロキサンが、無溶剤であっても液体であり、硬化性に優れるとともに、当該オルガノポリシロキサンを含む組成物の硬化膜が、耐クラック性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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