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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025102565
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2023220096
出願日
2023-12-26
発明の名称
負極活物質の製造装置及び負極活物質の製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01M
4/48 20100101AFI20250701BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】電池特性を維持しつつ、容量を増加可能な負極活物質を製造可能な負極活物質の製造装置を提供する。
【解決手段】負極活物質粒子は、多孔質炭素の構造体を含み、多孔質炭素の構造体の内部に、アモルファス状の低価数ナノシリコン酸化物、若しくは、多結晶シリコンとその酸化物、又はその両方が分散物質として分散されており、低価数ナノシリコン酸化物は、SiOx:x<1.0の各状態を含み、低価数ナノシリコン酸化物は平均50nm以下であるものであり、負極活物質の製造装置は、内部に保持した多孔質炭素の構造体に対して、分散物質の原料ガスが供給される構造を有しており、設計圧力P[MPaG]とするとき、装置内部の内容積V[m
3
]が、PV≦0.004の範囲に入るように構成されており、負極活物質の製造装置は加熱機構を有し、加熱機構は300~1200℃の範囲で加熱することができるものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
負極活物質粒子を有する負極活物質を製造するための負極活物質の製造装置であって、
製造する前記負極活物質に含まれる前記負極活物質粒子は、多孔質炭素の構造体を含み、
前記多孔質炭素の構造体の内部に、アモルファス状の低価数ナノシリコン酸化物、若しくは、多結晶シリコンとその酸化物、又は、前記アモルファス状の低価数ナノシリコン酸化物及び多結晶シリコンとその酸化物の両方、が分散物質として分散されており、
前記低価数ナノシリコン酸化物は、SiOx:x<1.0の各状態を含み、
前記低価数ナノシリコン酸化物は、断面TEM図で画像処理して求めた粒径が、平均50nm以下であるものであり、
前記負極活物質の製造装置は、前記多孔質炭素の構造体を内部に保持することができる構造を有し、該内部に保持した多孔質炭素の構造体に対して、前記分散物質の原料ガスが供給される構造を有しており、
前記負極活物質の製造装置において、設計圧力P[MPaG]とするとき、装置内部の内容積V[m
3
]が、PV≦0.004の範囲に入るように構成されており、
前記負極活物質の製造装置は加熱機構を有し、該加熱機構は300~1200℃の範囲で加熱することができるものであることを特徴とする負極活物質の製造装置。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
前記設計圧力Pが0.001~1MPaGの範囲であり、前記容積Vが0.0001~1m
3
の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質の製造装置
【請求項3】
前記原料ガスがシラン系ガスであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項4】
前記シラン系ガスが、モノシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項5】
前記内部に保持した前記多孔質炭素の構造体を撹拌させる撹拌機構を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項6】
前記撹拌機構が、スクリュー、撹拌翼、ブレードから選ばれる一つ以上の機構を有するものであることを特徴とする請求項5に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項7】
前記負極活物質の製造装置の装置全体を回転させる機構を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項8】
前記負極活物質の製造装置の装置全体を傾斜させる機構を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項9】
前記原料ガスを導入するための原料ガス導入管の先端にガス拡散装置を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質の製造装置。
【請求項10】
前記ガス拡散装置がスパージャー、焼結金属、メッシュから選ばれる一つ以上の機構を有するものであることを特徴とする請求項9に記載の負極活物質の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、負極活物質及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル端末などに代表される小型の電子機器が広く普及しており、さらなる小型化、軽量化及び長寿命化が強く求められている。このような市場要求に対し、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、小型の電子機器に限らず、自動車などに代表される大型の電子機器、家屋などに代表される電力貯蔵システムへの適用も検討されている。
【0003】
その中でも、リチウムイオン二次電池は小型かつ高容量化が行いやすく、また、鉛電池、ニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
【0004】
上記のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び、セパレータと共に電解液を備えており、負極は充放電反応に関わる負極活物質を含んでいる。
【0005】
この負極活物質としては、炭素系活物質が広く使用されている一方で、最近の市場要求から電池容量のさらなる向上が求められている。電池容量向上のために、負極活物質材としてケイ素を用いることが検討されている。なぜならば、ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも10倍以上大きいため、電池容量の大幅な向上を期待できるからである。負極活物質材としてのケイ素材の開発はケイ素単体だけではなく、合金、酸化物に代表される化合物などについても検討されている。また、活物質形状は、炭素系活物質では標準的な塗布型から、集電体に直接堆積する一体型まで検討されている。
【0006】
しかしながら、負極活物質としてケイ素を主原料として用いると、充放電時に負極活物質が膨張及び収縮するため、主に負極活物質表層近傍で割れやすくなる。また、活物質内部にイオン性物質が生成し、負極活物質が割れやすい物質となる。負極活物質表層が割れると、それによって新表面が生じ、活物質の反応面積が増加する。この時、新表面において電解液の分解反応が生じるとともに、新表面に電解液の分解物である被膜が形成されるため電解液が消費される。このためサイクル特性が低下しやすくなる。
【0007】
これまでに、電池初期効率やサイクル特性を向上させるために、ケイ素材を主材としたリチウムイオン二次電池用負極活物質材料、電極構成についてさまざまな検討がなされている。
【0008】
具体的には、良好なサイクル特性や高い安全性を得る目的で、気相法を用いケイ素及びアモルファス二酸化ケイ素を同時に堆積させている(例えば特許文献1参照)。また、高い電池容量や安全性を得るために、ケイ素酸化物粒子の表層に炭素材(電子伝導材)を設けている(例えば特許文献2参照)。さらに、サイクル特性を改善するとともに高入出力特性を得るために、ケイ素及び酸素を含有する活物質を作製し、かつ、集電体近傍での酸素比率が高い活物質層を形成している(例えば特許文献3参照)。また、サイクル特性を向上させるために、ケイ素活物質中に酸素を含有させ、平均酸素含有量が40at%以下であり、かつ集電体に近い場所で酸素含有量が多くなるように形成している(例えば特許文献4参照)。
【0009】
また、初回充放電効率を改善するためにSi相、SiO
2
、M
y
O金属酸化物を含有するナノ複合体を用いている(例えば特許文献5参照)。また、サイクル特性改善のため、SiO
x
(0.8≦x≦1.5、粒径範囲=1μm~50μm)と炭素材を混合して高温焼成している(例えば特許文献6参照)。また、サイクル特性改善のために、負極活物質中におけるケイ素に対する酸素のモル比を0.1~1.2とし、活物質、集電体界面近傍におけるモル比の最大値、最小値との差が0.4以下となる範囲で活物質の制御を行っている(例えば特許文献7参照)。また、電池負荷特性を向上させるため、リチウムを含有した金属酸化物を用いている(例えば特許文献8参照)。また、サイクル特性を改善させるために、ケイ素材表層にシラン化合物などの疎水層を形成している(例えば特許文献9参照)。
【0010】
また、サイクル特性改善のため、酸化ケイ素を用い、その表層に黒鉛被膜を形成することで導電性を付与している(例えば特許文献10参照)。特許文献10において、黒鉛被膜に関するRAMANスペクトルから得られるシフト値に関して、1330cm
-1
及び1580cm
-1
にブロードなピークが現れるとともに、それらの強度比I
1330
/I
1580
が1.5<I
1330
/I
1580
<3となっている。また、高い電池容量、サイクル特性の改善のため、二酸化ケイ素中に分散されたケイ素微結晶相を有する粒子を用いている(例えば、特許文献11参照)。また、過充電、過放電特性を向上させるために、ケイ素と酸素の原子数比を1:y(0<y<2)に制御したケイ素酸化物を用いている(例えば特許文献12参照)。
(【0011】以降は省略されています)
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