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公開番号2025115838
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010522
出願日2024-01-26
発明の名称バルク弾性波デバイス
出願人株式会社D‐process
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類H03H 9/17 20060101AFI20250731BHJP(基本電子回路)
要約【課題】より高い共振周波数で使用するのに適した構成を有するバルク弾性波(BAW)デバイスを提供する。
【解決手段】BAWデバイス10は、圧電体から成り、共振周波数に対応する波長の半分の整数倍の厚さを有する圧電層11と、圧電層11の一方の表面に設けられた第1音響ブラッグ反射器121と、圧電層11の他方の表面に設けられた第2音響ブラッグ反射器122と、を備える。第1音響ブラッグ反射器121は、金属から成り前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第1高音響インピーダンス層1212と、金属から成り第1高音響インピーダンス層1212よりも音響インピーダンスが小さく前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第1低音響インピーダンス層1211とが積層されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
a) 圧電体から成り、共振周波数に対応する波長の1/2の整数倍の厚さを有する圧電層と、
b) 金属から成り前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第1高音響インピーダンス層と、金属から成り前記第1高音響インピーダンス層よりも音響インピーダンスが小さく前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第1低音響インピーダンス層とが積層され、前記圧電層の一方の表面に設けられた第1音響ブラッグ反射器と、
c) 金属から成り前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第2高音響インピーダンス層と、金属から成り前記第2高音響インピーダンス層よりも音響インピーダンスが小さく前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第2低音響インピーダンス層とが積層され、前記圧電層の他方の表面に設けられており、前記第1音響ブラッグ反射器において前記圧電層に最も近い位置に前記第1高音響インピーダンス層が配置されている場合には前記圧電層に最も近い位置に前記第2高音響インピーダンス層が配置され、前記第1音響ブラッグ反射器において前記圧電層に最も近い位置に前記第1低音響インピーダンス層が配置されている場合には前記圧電層に最も近い位置に前記第2低音響インピーダンス層が配置されている、第2音響ブラッグ反射器と
を備えることを特徴とするバルク弾性波デバイス。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
さらに、前記第1音響ブラッグ反射器の前記圧電層の側とは反対側の表面に絶縁体製の基板を備えることを特徴とする請求項1に記載のバルク弾性波デバイス。
【請求項3】
前記圧電層、前記第1音響ブラッグ反射器及び前記第2音響ブラッグ反射器により構成されるコンデンサの電気的なインピーダンスが前記共振周波数において50Ωであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルク弾性波デバイス。
【請求項4】
前記第1音響ブラッグ反射器及び前記第2音響ブラッグ反射器のいずれか一方のものの全体及び他方のものの厚さ方向の一部並びに前記圧電層の面積が、該他方のものの厚さ方向の前記一部以外の面積よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のバルク弾性波デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の通信機器等が有する周波数フィルタ等に用いられるバルク弾性波(BAW:Bulk Acoustic Wave)デバイスに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
BAWデバイスは、圧電体から成る層である圧電層の上下を電極で挟んで成る共振子を備える。BAWデバイスでは、電極の間に交流電圧を印加すると、交流電圧の周波数と同じ周波数を有する振動が圧電層に生成される。圧電層に生成された振動は電極に伝導し、その結果、共振子全体が振動する。そして、振動の波長λの1/2(半分)の整数倍(nλ/2:nは自然数)の値が圧電層と電極を合わせた共振子全体の厚さに一致するとき、すなわち該条件を満たす振動に対応する周波数(共振周波数)を有する交流電圧が電極間に印加されたとき、共振子に共振が形成される。
【0003】
BAWデバイスには、前記共振子を支持する部材の構成の相違により複数種のものがある。それらのうちソリッドマウント共振器(SMR:Solidly Mounted Resonator)型のBAWデバイスは、音響インピーダンスが異なる層を交互に積層して成る音響ブラッグ反射器の上に前記共振子を設けたものである。音響ブラッグ反射器の各層は、各層において共振子の共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍、の厚さを有する。なお、ここでいう波長は音響ブラッグ反射器中の各層における波長であり、層毎に交互に異なる値を有する。この音響ブラッグ反射器は、共振子に生成された共振周波数を有する振動を反射する。これにより、SMR型のBAWデバイスにおける音響ブラッグ反射器は、共振子の振動を共振子から漏出することを防ぎつつ該共振子を支持する支持体となる。
【0004】
SMR型のBAWデバイスが有する音響ブラッグ反射器の材料として、多くの場合、音響インピーダンスが高い方の層(高音響インピーダンス層)にはW(タングステン)、Mo(モリブデン)、Pt(白金)、Ta(タンタル)等の原子量が比較的大きい金属やその酸化物等が用いられ、音響インピーダンスが低い方の層(低音響インピーダンス層)にはアモルファスSiO
2
が用いられる。それに対して、本発明者が著者である非特許文献1に記載のSMR型のBAWデバイスでは、Pt製の高音響インピーダンス層と、Ptよりも原子量が小さいTi(チタン)製の低音響インピーダンス層が用いられる。圧電層の上には、Au(金)製であって1層のみから成る電極が設けられている。非特許文献1に記載のBAWデバイスによれば、音響ブラッグ反射器の高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層の双方が金属製であるため、放熱性を高くすることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
渡海智、柳谷隆彦、「エピタキシャル金属薄膜から成る音響ブラッグ反射器を用いたフルエピタキシャルSMRの作製」、圧電材料・デバイスシンポジウム2023講演論文集、圧電材料・デバイスシンポジウム運営委員会発行、2023年1月26日、第97-102頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スマートフォン等の移動通信では、第4世代から現在主流の第5世代に移行する際に、より高周波数側の周波数帯が使用されるようになったが、次世代(第6世代)ではさらに高周波数側の周波数帯が使用されることが想定されている。そのため、BAWデバイスの共振周波数も高くすることが求められている。BAWデバイスの共振周波数を高くするためには、圧電層及び/又は電極を薄くする必要がある。しかし、圧電層を薄くし過ぎると耐電圧性が低下し、電極を薄くし過ぎると電気抵抗が高くなる、という問題が生じる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、より高い共振周波数で使用するのに適した構成を有するBAWデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係るBAWデバイスは、
a) 圧電体から成り、共振周波数に対応する波長の1/2の整数倍の厚さを有する圧電層と、
b) 金属から成り前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第1高音響インピーダンス層と、金属から成り前記第1高音響インピーダンス層よりも音響インピーダンスが小さく前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第1低音響インピーダンス層とが積層され、前記圧電層の一方の表面に設けられた第1音響ブラッグ反射器と、
c) 金属から成り前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第2高音響インピーダンス層と、金属から成り前記第2高音響インピーダンス層よりも音響インピーダンスが小さく前記共振周波数に対応する波長の1/4の奇数倍の厚さを有する第2低音響インピーダンス層とが積層され、前記圧電層の他方の表面に設けられており、前記第1音響ブラッグ反射器において前記圧電層に最も近い位置に前記第1高音響インピーダンス層が配置されている場合には前記圧電層に最も近い位置に前記第2高音響インピーダンス層が配置され、前記第1音響ブラッグ反射器において前記圧電層に最も近い位置に前記第1低音響インピーダンス層が配置されている場合には前記圧電層に最も近い位置に前記第2低音響インピーダンス層が配置されている、第2音響ブラッグ反射器と
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るBAWデバイスが有する各層において「共振周波数(f
r
とする)に対応する波長(λ
r
とする)」とは、その層における音速をvとして、λ
r
=v/f
r
で表される波長を言う。なお、各層の厚さは、上記の波長に基づいて求められる値(該波長の1/2の整数倍、又は該波長の1/4の奇数倍)から多少(例えば±20%)の誤差が許容される。
【0010】
第1高音響インピーダンス層と第1低音響インピーダンス層は1層ずつのみ設けてもよい(それにより音響ブラッグ反射器として機能させることができる)し、それらを交互に3層以上設けてもよい。この点は第2高音響インピーダンス層と第2低音響インピーダンス層も同様である。
(【0011】以降は省略されています)

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