TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025117295
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024012055
出願日2024-01-30
発明の名称アルキル置換多環芳香族化合物の製造方法
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C07C 2/64 20060101AFI20250804BHJP(有機化学)
要約【課題】多環芳香族化合物に対して位置選択的にアルキル化する方法の提供。
【解決手段】多環芳香族化合物と、下式(2A)又は(2B)で表される化合物とを、紫外光又は可視光照射下に反応させる工程を備える、製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025117295000122.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">75</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(1):
TIFF
2025117295000118.tif
17
170
[式中、Ar

は環の数が4~6個である縮合芳香環(ただし、クリセン環、トリフェニレン環、及びジベンゾ[g,p]クリセン環を除く)、チエノチオフェン環、ベンゾ[f]インドール環、ベンゾジチオフェン環、ベンゾジフラン環、又はナフトチオフェン環を示す。R

はアルキル基を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
前記Ar

で構成される多環芳香族化合物と、
一般式(2A)又は(2B):
TIFF
2025117295000119.tif
78
170
[式中、R

は前記に同じである。R

はアルキル基又はアリール基を示す。R

はハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基を示す。mは0~4の整数を示す。]
で表される化合物とを、
紫外光又は可視光照射下に反応させる工程
を備える、製造方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記R

が、3級アルキル基である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記Ar

が、ピレン環、フルオランテン環、ペリレン環、チエノチオフェン環、ベンゾ[f]インドール環、ベンゾジチオフェン環、ベンゾジフラン環、又はナフトチオフェン環である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記反応を、金属化合物及び/又はアンモニウム塩の存在下で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記金属化合物を構成する金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記反応を、塩基の存在下で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記塩基が、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、水酸化物、アルコキシド及びアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記反応を、有機溶媒の存在下で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記有機溶媒が、アミド溶媒及び/又はスルホキシド溶媒である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記紫外光又は可視光は、光源のピーク波長が300~800nmである、請求項1又は2に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキル置換多環芳香族化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
芳香族化合物を製造する方法は、有機化学において特に重要である。現代では、芳香族部分構造は、事実上全ての医薬品化合物に見られ、多くのポリマーや材料の重要な成分となっている。芳香族化合物の中でも、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)は、グラフェンのフラグメントとしても、それ自体興味深い材料として多くの注目を集めている。機能化された多環芳香族炭化水素化合物(PAH)は、有機電子デバイス、バイオイメージング、センシング、遺伝子送達等の各種用途においてすでに有望であることが示されている。近年、ヘテロ原子や様々なサイズの環を含む系等、原子的に正確な新しい多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の調製を可能にするいくつかのボトムアップアプローチが開発された。これらの新しい多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の機能を探索するには、エッジサイトを修飾する方法が重要である。エッジサイトを修飾する方法は、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の溶解性及び加工性を向上させ、分子間相互作用及び電子特性の調整を可能にするためである。これらはすべて材料用途における重要な要素である。しかし、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の構築には過酷な反応条件が必要となることが多く、適用できる官能基が制限され、所望の置換基を位置選択的に導入するための適切な前駆体の調製にいくつかのステップが必要になる。したがって、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の炭素-水素(C-H)結合を位置選択的に官能化する簡単な方法の開発が不可欠である。
【0003】
多環芳香族炭化水素化合物(PAH)に官能基を導入する直接的な方法の中で、フリーデル・クラフツ・アルキル化反応が最も広く使用されている(例えば、非特許文献1参照)。この古典的な反応から予想されるように、フリーデル・クラフツ・アルキル化反応においては強酸が必要である(例えば、非特許文献2~3参照)。その結果、官能基の適合性が低くなり、導入できる基は非常に単純なアルキル基に制限される。位置選択性の正確な制御も、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)に対してフリーデル・クラフツ反応を採用する場合に重要な課題である。例えば、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)がピレンである場合、求電子性芳香族置換は一般に、C1、C3、C6及びC8の位置で起こるが、嵩高い第3級アルキル基はC2及びC7の位置に置換される。現在までに電気化学的条件下でピレンのC1位の3級アルキル化が1例あるものの、水素化されたピレンも生じるため選択的な合成は困難である。したがって、多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の古典的な熱官能基化における位置選択性は置換基のかさ高さに依存しており、構造的に多様な多環芳香族炭化水素化合物(PAH)誘導体を調製する合成の取り組みが非常に複雑になっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
P. H. Gore, The Friedel-Crafts Acylation Reaction and its Application to Polycyclic Aromatic Hydrocarbons, Chem. Rev. 55, 229-281 (1955).
L. Rodenburg, R. Brandsma, C. Tintel, J. van Thujil, J. Lugtenburg, J. Cornelisse, Synthesis and Properties of Nitro Derivatives of 2-tert-Butyl- and 2,7-Di-tert-butylpyrene. Recl. Trav. Chim. Pays-Bas 105, 156-161 (1986).
A. Wrona-Piotrowicz, A. Makal, J. Zakrzewski, Triflic Acid-Promoted Adamantylation and tert-Butylation of Pyrene: Fluorescent Properties of Pyrene-Decorated Adamantanes and a Channeled Crystal Structure of 1,3,5-Tris(pyren-2-yl)adamantane. J. Org. Chem. 85, 11134-11139 (2020).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、多環芳香族化合物に対して位置選択的にアルキル化することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の多環芳香族化合物と、テトラゾール骨格を有するスルホン化合物等とを紫外光又は可視光照射下に反応させることにより、かさ高いアルキル基であっても、特定の多環芳香族化合物に対して位置選択的にアルキル化することができることを見出した。本発明者らは、このような知見に基づき、さらに鋭意研究を重ね、本発明を完成した。本発明は、以下の構成を包含する。
【0007】
項1.一般式(1):
【0008】
TIFF
2025117295000001.tif
17
170
[式中、Ar

は環の数が4~6個である縮合芳香環(ただし、クリセン環、トリフェニレン環、及びジベンゾ[g,p]クリセン環を除く)、チエノチオフェン環、ベンゾ[f]インドール環、ベンゾジチオフェン環、ベンゾジフラン環、又はナフトチオフェン環を示す。R

はアルキル基を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
前記Ar

で構成される多環芳香族化合物と、
一般式(2A)又は(2B):
【0009】
TIFF
2025117295000002.tif
78
170
[式中、R

は前記に同じである。R

はアルキル基又はアリール基を示す。R

はハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基を示す。mは0~4の整数を示す。]
で表される化合物とを、
紫外光又は可視光照射下に反応させる工程
を備える、製造方法。
【0010】
項2.前記R

が3級アルキル基である、項1に記載の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社トクヤマ
四塩化炭素の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
炭素-窒素結合形成方法
1か月前
株式会社トクヤマ
シロキサン類の回収方法
1か月前
株式会社トクヤマ
ビオチン誘導体の製造方法
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物
12日前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
19日前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
18日前
株式会社トクヤマ
ベンザゼピン化合物の製造方法
17日前
株式会社トクヤマ
ホルムアミド化合物の製造方法
6日前
日本特殊陶業株式会社
メタン製造装置
2か月前
artience株式会社
四塩基酸無水物の製造方法
1か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミドおよびその製造方法
2か月前
信越化学工業株式会社
新規化合物
1か月前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
2か月前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
1か月前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
1か月前
株式会社トクヤマ
サフィナミド若しくはその塩の製造方法
1か月前
国立大学法人東京農工大学
深共晶溶媒
11日前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の保存溶液
1か月前
旭化成株式会社
トリオキサンの製造方法
1か月前
株式会社トクヤマ
アシル化ベンゼン誘導体の酸塩の製造方法
6日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
JNC株式会社
有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体
18日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
10日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
2か月前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
2か月前
国立大学法人京都大学
抗がん剤
5日前
JFEスチール株式会社
メタノール合成方法
2か月前
国立大学法人岩手大学
反応性付与化合物
11日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
2か月前
公立大学法人大阪
カルボン酸化合物の製造方法
1か月前
出光興産株式会社
プロピレンの製造方法
3か月前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
3か月前
東京都公立大学法人
キチン系複合体
25日前
続きを見る