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公開番号2025117652
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012493
出願日2024-01-31
発明の名称電動制動装置
出願人株式会社アドヴィックス
代理人個人,個人
主分類B60T 8/00 20060101AFI20250805BHJP(車両一般)
要約【課題】モータ電流に基づいて押圧力を推定する場合、押圧力を推定する精度を高くできる電動制動装置を提供すること。
【解決手段】電動制動装置の処理回路は、押圧力推定値PEを導出する押圧力推定部M11として機能する。押圧力推定部M11は、モータ電流Imtが不感帯の範囲の値である場合、押圧力推定値PEを保持する。押圧力推定部M11は、モータ電流Imtが不感帯の上限値よりも大きい場合、第1関係に基づいて押圧力推定値PEを導出し、不感帯DZの上限値を変更する。押圧力推定部M11は、モータ電流Imtが不感帯の下限値よりも小さい場合、第2関係に基づいて押圧力推定値PEを導出し、不感帯DZの下限値を変更する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電気モータの回転に応じて、車両の車輪と一体に回転する回転体に摩擦材を押し付ける力である押圧力を調整可能に構成された電動制動装置において、
前記電気モータに流れる電流であるモータ電流を取得する電流取得部と、
制動力を増加させる方向に前記電気モータを回転させるときにおける前記モータ電流と前記押圧力との関係である第1関係、及び、前記制動力を減少させる方向に前記電気モータを回転させるときにおける前記モータ電流と前記押圧力との関係である第2関係のうちの一方の関係を選択し、当該一方の関係に基づいて、前記押圧力の推定値である押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出する押圧力推定部と、を備え、
前記押圧力推定部は、
前記モータ電流が増加する状態から保持又は減少する状態に遷移した時点の前記モータ電流を上限値とする第1不感帯の範囲の値に、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流がある場合には、前記押圧力推定値を、当該上限値を設定した時点の値で保持し、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流が前記第1不感帯の範囲の値から当該第1不感帯の上限値よりも大きい値に遷移した場合には、前記第1関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出し、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流が前記第1不感帯の範囲の値から当該第1不感帯の下限値よりも小さい値に遷移した場合には、前記第2関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出する第1推定処理と、
前記モータ電流が減少する状態から保持又は増加する状態に遷移した時点の前記モータ電流を下限値とする第2不感帯の範囲の値に、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流がある場合には、前記押圧力推定値を、当該下限値を設定した時点の値で保持し、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流が前記第2不感帯の範囲の値から当該第2不感帯の下限値よりも小さい値に遷移した場合には、前記第2関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出し、前記モータ電流が前記第2不感帯の範囲の値から当該第2不感帯の上限値よりも大きい値に遷移した場合には、前記第1関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出する第2推定処理と、のうち少なくとも一方の処理を実行する
ことを特徴とする電動制動装置。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記押圧力推定部は、前記第1推定処理を実行するようになっており、
前記押圧力推定部は、前記第1推定処理において、前記第1不感帯の前記上限値が大きいほど当該第1不感帯の範囲が広くなるように、当該第1不感帯の下限値を設定する
請求項1に記載の電動制動装置。
【請求項3】
前記押圧力推定部は、前記第2推定処理を実行するようになっており、
前記押圧力推定部は、前記第2推定処理において、前記第2不感帯の前記下限値が大きいほど当該第2不感帯の範囲が広くなるように、当該第2不感帯の上限値を設定する
請求項1に記載の電動制動装置。
【請求項4】
前記第1関係及び前記第2関係のうち少なくとも一方の関係は、前記モータ電流に重畳するコギングトルクによる変動成分と、前記モータ電流に重畳するトルクリップルによる変動成分と、の合成波の振幅の大きさを加味して設定されたものである
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の電動制動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる電動制動装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気モータの回転角に応じた制動力を車輪に付与できる電動制動装置を開示している。当該電動制動装置では、電気モータの回転角を大きくすることにより、車両の車輪と一体に回転する回転体に摩擦材を押し付ける力である押圧力が大きくなる。そして、押圧力が大きいほど、車輪に付与される制動力が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6752668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気モータに流れる電流であるモータ電流と押圧力との間には相関性がある。具体的には、モータ電流が大きいほど押圧力が大きい。
そのため、上記のような電動制動装置の制御部は、モータ電流の大きさに基づいて押圧力を推定することが可能である。
【0005】
しかしながら、上記のような電動制動装置における電気モータから摩擦材までの動力伝達経路には、減速機構及び直動変換機構などが設けられている。そのため、当該動力伝達経路で摩擦による機械損失が生じる。こうした機械損失の大きさは、押圧力を大きくする場合と押圧力を小さくする場合とで異なる。したがって、電動制動装置では、モータ電流の大きさに基づいて押圧力を推定する場合、当該押圧力の推定精度を向上させるという点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための電動制動装置は、電気モータの回転に応じて、車両の車輪と一体に回転する回転体に摩擦材を押し付ける力である押圧力を調整可能に構成された装置である。当該電動制動装置は、前記電気モータに流れる電流であるモータ電流を取得する電流取得部と、制動力を増加させる方向に前記電気モータを回転させるときにおける前記モータ電流と前記押圧力との関係である第1関係、及び、前記制動力を減少させる方向に前記電気モータを回転させるときにおける前記モータ電流と前記押圧力との関係である第2関係のうちの一方の関係を選択し、当該一方の関係に基づいて、前記押圧力の推定値である押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出する押圧力推定部と、を備えている。前記押圧力推定部は、前記モータ電流が増加する状態から保持又は減少する状態に遷移した時点の前記モータ電流を上限値とする第1不感帯の範囲の値に、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流がある場合には、前記押圧力推定値を、当該上限値を設定した時点の値で保持し、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流が前記第1不感帯の範囲の値から当該第1不感帯の上限値よりも大きい値に遷移した場合には、前記第1関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出し、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流が前記第1不感帯の範囲の値から当該第1不感帯の下限値よりも小さい値に遷移した場合には、前記第2関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出する第1推定処理と、前記モータ電流が減少する状態から保持又は増加する状態に遷移した時点の前記モータ電流を下限値とする第2不感帯の範囲の値に、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流がある場合には、前記押圧力推定値を、当該下限値を設定した時点の値で保持し、前記電流取得部によって取得された前記モータ電流が前記第2不感帯の範囲の値から当該第2不感帯の下限値よりも小さい値に遷移した場合には、前記第2関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出し、前記モータ電流が前記第2不感帯の範囲の値から当該第2不感帯の上限値よりも大きい値に遷移した場合には、前記第1関係に基づいて、前記押圧力推定値を前記モータ電流に応じた大きさに導出する第2推定処理と、のうち少なくとも一方の処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
上記電動制動装置は、電気モータに流れる電流に基づいて押圧力を推定する場合、押圧力を推定する精度を高くできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施形態の電動制動装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、第1関係と第2関係とを示すグラフである。
図3は、図1に示した電動制動装置が備える処理回路の機能構成を示すブロック図である。
図4は、図1に示した電動制動装置が備える処理回路が実行する一連の処理を示すフローチャートである。
図5は、不感帯の上限値及び下限値が変わる様子を示す模式図である。
図6は、制動力を変動させるべくモータ電流が変化している場合において、モータ電流と押圧力との関係の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、電動制動装置の一実施形態を図1から図6に従って説明する。
図1に示すように、電動制動装置10は、制動部11と、モータ制御装置80と、を備えている。制動部11は、キャリパ20と、ギアボックス30と、電気モータ40と、減速機構50と、直動変換機構60と、ピストン70と、を備えている。制動部11は、電気モータ40の回転角を大きくすると、車両の車輪100と一体に回転する回転体110に摩擦材120を押し付ける力である押圧力Pが大きくなることによって、車輪100に付与する制動力を大きくできるように構成されている。制動部11の一例は、ディスク式の制動装置である。
【0010】
<キャリパ及びギアボックス>
キャリパ20は、シリンダボディ21と、ブリッジ22と、アーム23と、を有している。
(【0011】以降は省略されています)

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