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公開番号2025122718
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024018313
出願日2024-02-09
発明の名称水性の機能性内装用仕上げ塗材
出願人株式会社自然素材研究所,個人
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 129/04 20060101AFI20250815BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】内装用仕上げ塗材として基本的な、粉付きのない良好な内壁面の形成に加え、室内における結露の発生を効果的に阻止し、施工後に生じるカビやダニの発生を抑制できるとともに、シックハウス症候群の原因物質とされている刺激性物質や、水蒸気と一緒に空気中を移動している酸性系のガスを除去できる有用な水性の内装用仕上げ塗材の提供。
【解決手段】内壁面に施工して用いられる水性の機能性内装用仕上げ塗材であって、軽量な無機多孔質素材が30質量%以上配合されてなり、固化剤として、ポバール及び粉末アクリル樹脂を含む少なくとも2種類の有機系の粉末樹脂が配合されており、且つ、セメント系塗材の硬化時における表面乾燥を遅らせるための皮張り防止・しわ防止剤が添加されてなる、JIS6909に準拠して測定した調湿性が200g/m2以上であり、且つ、揮発性有害化学物質を除去できる機能を有してなる水性の機能性内装用仕上げ塗材。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
内装用の仕上げ塗材として内壁面に施工して用いられる水性の機能性内装用仕上げ塗材であって、
軽量な無機多孔質素材が30質量%以上配合されてなり、固化剤として、ポバール及び粉末アクリル樹脂を含む少なくとも2種類の有機系の粉末樹脂が配合されており、且つ、セメント系塗材の硬化時における表面乾燥を遅らせるための皮張り防止・しわ防止剤が添加されてなる、JIS6909に準拠して測定した調湿性が200g/m

以上であり、且つ、揮発性有害化学物質を除去できる機能を有してなることを特徴とする水性の機能性内装用仕上げ塗材。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記軽量な無機多孔質素材が、シリカゲル、活性白土及び稚内層珪質頁岩の3成分を有してなる請求項1に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
【請求項3】
前記調湿性が、250g/m

以上である請求項1又は2に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
【請求項4】
前記セメント系塗材の硬化時における表面乾燥を遅らせるための皮張り防止・しわ防止剤が、シリカ、高級アルコール、非イオン界面活性剤及び水を含んでなる混合物である請求項1又は2に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
【請求項5】
さらに、水酸化アルミニウムを含有してなる請求項1又は2に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水と混練して使用される水性の機能性内装用仕上げ塗材(以下「機能性内装用仕上げ塗材」ともいう。)に関し、詳しくは、内装用の仕上げ塗材として内壁面に施工することで、室内における結露を抑制できる状態に確保することが可能な高い調湿性を有し、且つ、建材・内装材や家具などに起因して室内に放散されるホルムアルデヒド等の揮発性有害化学物質(刺激性物質とも呼ぶ)を除去することが可能な、施工面の粉付きが抑制された、高い調湿性と、室内における刺激性物質の除去性を実現できる優れた機能を有する機能性内装用仕上げ塗材を提供する技術に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、住宅などの高気密化が進むにしたがって「シックハウス症候群」と呼ばれる住まい環境によるアレルギーが増加している。アレルゲンの原因は、カビ・ダニなどの物理的アレルゲンや、人の粘膜を刺激するホルムアルデヒドなどの揮発性有害化学物質などの化学的アレルゲンがその要因と言われている。この対策として、調湿性能や、ガス状の刺激性物質に対する良好な吸着性能を発揮できる、室内に施工するための機能性塗材が種々開発されており(特許文献1~3等参照)、商品化がされているものもある。また、別の方法として、改正建築基準法が施行されて、住宅などに換気設備を設置して室内の換気を十分に行なう、24時間換気設備の導入などの換気策が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-101436号公報
特開2004-211049号公報
特許第4634696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した対策にもかかわらず、シックハウス症候群のアレルギー患者の増加は阻止できていないのが実情である。本発明者は、その理由について、従来の機能性塗材では調湿性の能力が不足しており十分であるとは言い難く、室内の結露を阻止することができておらずカビ・ダニの発生が阻止できていないことが問題であると考えている。また、換気設備の設置による換気では、室内に空気の流れにくい箇所ができていると考えられ、このことが原因して刺激性物質を健康被害が生じないレベルまで除去できていないことが想定される。
【0005】
さらに、従来は、シックハウス症候群のアレルゲンとしてホルムアルデヒドのみが強調されており、NOxやSOx等の酸性系のガスに対しては、人体への影響についての評価があまりされていない。しかし、酸性系のガスは、体内を酸性化して、活性酸素の暴発を招き、あらゆる病の原因になり得る物質であり、アレルギー発症の一因になり得る。そして、上記の酸性ガスは、親水性であり、水蒸気と一緒に空気中を移動している。空気中で最も多く存在するガスは、水蒸気であるので、人体への影響は避けられないといえる。本発明者は、調質性能は重要な性能であり、優れた調湿性能を実現して室内の結露を効果的に阻止することは、上記酸性系のガスに対応する点からもシックハウス症候群に対応する室内環境の実現に向けての極めて有効な手段である、との認識をもった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、内装用の塗材としての基本的な要求性能を確保し、粉付きのない良好な状態の内壁面の形成に加えて、室内における結露の発生を効果的に阻止することで、施工後に生じるカビやダニの発生を抑制できるとともに、シックハウス症候群の原因物質とされているホルムアルデヒド等の刺激性物質や、NOxやSOx等の水蒸気と一緒に空気中を移動している酸性系のガスを除去できる有用な水性の機能性内装用仕上げ塗材を開発することである。本発明の最終的な目的は、上記した手段を実現することで、シックハウス症候群に対応できる良好な室内環境の確保を実現し、居住する人に快適な住環境を提供して、居住する人の喘息やアトピーの症状の改善を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下記の機能性内装用仕上げ塗材を提供する。
[1]内装用の仕上げ塗材として内壁面に施工して用いられる水性の機能性内装用仕上げ塗材であって、
軽量な無機多孔質素材が30質量%以上配合されてなり、固化剤として、ポバール及び粉末アクリル樹脂を含む少なくとも2種類の有機系の粉末樹脂が配合されており、且つ、セメント系塗材の硬化時における表面乾燥を遅らせるための皮張り防止・しわ防止剤が添加されてなる、JIS6909に準拠して測定した調湿性が200g/m

以上であり、且つ、揮発性有害化学物質を除去できる機能を有してなることを特徴とする水性の機能性内装用仕上げ塗材。
【0008】
上記の機能性内装用仕上げ塗材の好ましいものとしては、下記が挙げられる。
[2]前記軽量な無機多孔質素材が、シリカゲル、活性白土及び稚内層珪質頁岩の3成分を有してなる上記[1]に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
[3]前記調湿性が、250g/m

以上である上記[1]又は[2]に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
[4]前記セメント系塗材の硬化時における表面乾燥を遅らせるための皮張り防止・しわ防止剤が、シリカ、高級アルコール、非イオン界面活性剤及び水を含んでなる混合物である上記[1]~[3]のいずれか1に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
[5]さらに、水酸化アルミニウムを含有してなる上記[1]~[4]のいずれか1に記載の水性の機能性内装用仕上げ塗材。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内装用の塗材としての基本的な要求性能である粉付きのない良好な状態の壁面の形成に加えて、室内における結露の発生の阻止を可能にしたことで、カビやダニの発生を抑制でき、また、NOxやSOx等の水蒸気と一緒に空気中を移動している酸性系のガスを吸着除去すると同時に、シックハウス症候群の原因物質とされているホルムアルデヒド等の刺激性物質を除去することが可能な、高い調湿性能と、刺激性物質の除去性能を同時に実現できる有用な機能性内装用仕上げ塗材が提供される。本発明によれば、上記した有用な機能性内装用仕上げ塗材の実現を可能にしたことで、シックハウス症候群に対応できる室内環境の確保を実現でき、居住する人に快適な住環境を提供して、居住する人の喘息やアトピーの症状の改善を図ることが可能になる。
【0010】
本発明では、これまでホルムアルデヒドと異なり、シックハウス症候群のアレルゲンとして評価があまりされていないNOxやSOx等の酸性系のガスについても問題視すると同時に、かかる問題点について、「粉付き」のない良好な状態の壁面の形成を可能にしつつ、塗材中に軽量な無機多孔質素材を30質量%以上の高い比率で配合することで、より好ましくは、軽量な無機多孔質素材を、シリカゲル、活性白土及び稚内層珪質頁岩の3成分を有してなる構成とすることで解決している。本発明者は、親水性であるNOxやSOx等の酸性系のガスは水蒸気と一緒に空気中を移動していることから、本発明の塗材を構成している30質量%以上の高い比率で配合されている軽量な無機多孔質素材に、水蒸気と一緒に十分に安定して吸着され、また、NOxやSOx等の酸性系のガスを無機多孔質素材の細孔内に閉じ込めることができたことで、本発明の顕著な効果が得られたものと考えている。また、本発明者の検討によれば、ガス吸着性能は使用する軽量な無機多孔質素材毎に異なり、ガスの種類によって得手不得手があることから単品で素材を使用するよりも、好ましい実施形態として、種類の異なる複数の多孔質素材を混合して利用することが有効である。本発明者の検討によれば、30質量%以上の高い比率で用いる軽量な無機多孔質素材を、例えば、シリカゲル、活性白土及び稚内層珪質頁岩の3成分を有してなる混合物の構成とすることで、吸着除去できる対象のガスがより広範囲になるといった効果が得られる。したがって、上記構成の本発明の機能性内装用仕上げ塗材は、様々な原因物質によるとされているシックハウス症候群のアレルゲンの低減方法として特に期待できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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