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公開番号
2025125512
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-27
出願番号
2025008280
出願日
2025-01-21
発明の名称
正極材料、蓄電デバイス及びリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法
出願人
日本化学工業株式会社
代理人
弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類
C01B
25/45 20060101AFI20250820BHJP(無機化学)
要約
【課題】リン酸バナジウムリチウムのナノ粒子を生成させることもでき、X線回折的に高純度なリン酸バナジウムリチウムを含有するリン酸バナジウムリチウム炭素複合体を工業的に有利に製造する方法を提供すること。
【解決手段】ナシコン構造を有するリン酸バナジウムリチウムと炭素との複合体の製造方法であって、五酸化バナジウム、リン酸及び第1のカルボン酸を水溶媒に添加し、五酸化バナジウムの還元反応を行い、還元反応スラリーを調製する第一工程と、該還元反応スラリーに第2のカルボン酸を添加し、還元反応調製液を調製する第二工程と、該還元反応調製液にリチウム源を添加し、溶液状の原料混合溶液を調製する第三工程と、該原料混合溶液を噴霧乾燥処理して反応前駆体を得る第四工程と、該反応前駆体を、不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気で500~1300℃で焼成し、リン酸バナジウムリチウム炭素複合体を得る第五工程と、を有することを特徴とするリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
ナシコン(NASICON)構造を有するリン酸バナジウムリチウムと炭素との複合体の製造方法であって、
五酸化バナジウム、リン酸及び第1のカルボン酸を水溶媒に添加し、五酸化バナジウムの還元反応を行い、還元反応スラリーを調製する第一工程と、
該還元反応スラリーに第2のカルボン酸を添加し、還元反応調製液を調製する第二工程と、
該還元反応調製液にリチウム源を添加し、溶液状の原料混合溶液を調製する第三工程と、
該原料混合溶液を噴霧乾燥処理して反応前駆体を得る第四工程と、
該反応前駆体を、不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気で500~1300℃で焼成し、リン酸バナジウムリチウム炭素複合体を得る第五工程と、
を有することを特徴とするリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
前記第一工程において、還元反応を60℃未満で行うことを特徴とする請求項1に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項3】
前記第2のカルボン酸が、加熱により炭素を単離するヒドロキシカルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項4】
前記第1のカルボン酸が、クエン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項5】
前記第2のカルボン酸が、グルコン酸及びリンゴ酸から選ばれる1種又は2種であることを特徴とする請求項4に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項6】
前記第1のカルボン酸が、グルコン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項7】
前記第2のカルボン酸が、リンゴ酸であることを特徴とする請求項6に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項8】
前記第1のカルボン酸の添加量が、五酸化バナジウム中のV原子に対する第1のカルボン酸中のC原子のモル比(C/V)で2.0~6.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項9】
前記第2のカルボン酸の添加量が、五酸化バナジウム中のV原子に対する第2のカルボン酸中のC原子のモル比(C/V)で0.50~4.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
【請求項10】
更にMe源(MeはV以外の原子番号11以上の金属元素又は遷移金属元素を示す。)を第一工程の還元反応スラリー及び/又は第三工程の溶液状の原料溶液に含有させることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池の正極材料や電気化学キャパシタ等の正極材料として有用なリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法、それを用いた正極材料及び蓄電デバイスに関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
携帯機器、ノート型パソコン、電気自動車、ハイブリッド自動車向けの電池としてリチウムイオン電池が活用されている。リチウムイオン電池は一般に容量、エネルギー密度に優れているとされ、現在その正極にはLiCoO
2
が主に使用されているが、Coの資源問題からLiMnO
2
、LiNiO
2
、Li-Ni-Mn-Co系などの開発も盛んに行われている。
【0003】
現在、さらなる代替材料としてLiFePO
4
が着目され各機関で研究開発が進んでいる。Feは資源的に優れ、これを用いたLiFePO
4
はエネルギー密度がやや低いものの、高温特性に優れていることから電動車両向けのリチウムイオン電池用正極材料として期待されている。
【0004】
しかし、LiFePO
4
は動作電圧がやや低く、Feの代わりにVを用いたナシコン(NASICON;Na Super Ionic Conductor)構造を有するリン酸バナジウムリチウム(Li
3
V
2
(PO
4
)
3
)が着目されている。
【0005】
本出願人らは先に、下記特許文献1で、リチウム源、5価又は4価のバナジウム化合物、リン源及び加熱分解により炭素が生じる導電性炭素材料源とを水溶媒中で混合して原料混合液を調製する第一工程と、該原料混合液を加熱して沈殿生成反応を行い、沈殿生成物を含む反応液を得る第二工程と、該沈殿生成物を含む反応液をメディアミルにより湿式粉砕処理して、粉砕処理物を含むスラリーを得る第三工程と、該粉砕処理物を含むスラリーを噴霧乾燥処理して、反応前駆体を得る第四工程と、該反応前駆体を不活性ガス雰囲気中又は還元雰囲気中で600~1300℃で焼成するリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法を提案した。また、本出願人は下記特許文献2で、バナジウム化合物、リン源及び加熱分解により炭素が生じる導電性炭素材料源を水溶媒中で、好ましくは60~100℃で加熱処理して反応を行った後、加熱処理後の液に、更にリチウム源を添加して反応を行い、得られる反応液を噴霧乾燥して反応前駆体を得、該反応前駆体を不活性ガス雰囲気中又は還元雰囲気中で焼成してリン酸バナジウムリチウムを製造する方法等を提案した。
【0006】
また、下記特許文献3には、クエン酸をバナジウムのキレート剤及びリン酸バナジウムリチウムを被覆する導電性炭素源として用い、五酸化バナジウム、リン酸及びクエン酸を水溶媒に混合し、これを85℃で加熱処理して水溶媒を除去した乾燥物を得、該乾燥物を850℃で焼成してVPO
4
/Cを得、該VPO
4
とリチウム源とを反応させる方法、また、下記特許文献4には、水酸化リチウム、五酸化バナジウム、クエン酸、リン酸二水素アンモニウムを、この順で水溶媒に溶解し、この溶液を蒸発乾固し、乾固した前駆体を自動乳鉢で粉砕し、次いで窒素ガス雰囲気中で焼成を行う方法等が提案されている。
【0007】
また、リン酸バナジウムリチウムのナノ粒子を含むリン酸バナジウム炭素複合体を電極材料として用いた高放電特性、サイクル特性等に優れた蓄電デバイスが提案されている(特許文献5及び非特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2012/043367号パンフレット
特開2017-160107号公報
国際公開第2018/142082号パンフレット、0121段落
特開2011-198657号公報、0044段落
特開2014-229830号公報
【非特許文献】
【0009】
Scientific Report,4,4047(2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
リン酸バナジウムリチウムは、高温においても安全性が高くなることから、自動車用途等のリチウム二次電池、全固体電池、電気化学キャパシタ等の正極材料として注目されており、該化合物の実用化のため、工程の簡素化等により、いっそうの低コスト化が可能なリン酸バナジウムリチウム炭素複合体を製造する方法の開発が望まれる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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