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公開番号2025112252
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2024134697
出願日2024-08-09
発明の名称リン化コバルト炭素複合粒子
出願人公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 25/08 20060101AFI20250724BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明は、CoPが担持されたリン化コバルト炭素複合粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】細胞を、リンのオキソ酸及びその塩からなる群より選択されるリン源と共存させた状態で、コバルト化合物と有機溶媒とを含む処理液中で含浸処理する工程と、前記含浸処理後の細胞を焼成する工程と、を含み、前記リン源を構成するリンの量が、前記細胞の野生型に含まれるリンの量よりも多い、リン化コバルト炭素複合粒子の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
細胞を、リンのオキソ酸及びその塩からなる群より選択されるリン源と共存させた状態で、コバルト化合物と有機溶媒とを含む処理液中で含浸処理する工程と、
前記含浸処理後の細胞を焼成する工程と、を含み、
前記リン源を構成するリンの量が、前記細胞の野生型に含まれるリンの量よりも多い、リン化コバルト炭素複合粒子の製造方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記細胞がリン富化変異体であり、
前記状態が、前記細胞の内部に、野生型よりも多いリンを前記リン源として蓄積している状態である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記状態が、細胞と、前記細胞外部に添加された前記リン源との混合状態である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記有機溶媒が、アセトン、メタノール、エタノール、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記有機溶媒が水とともに用いられ、前記有機溶媒及び前記水からなる混合溶媒中、前記有機溶媒の含有量が10~90体積%である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記含浸処理後の細胞に含まれるリン源の量が、リンの量で、前記含浸処理後の細胞の乾燥重量100重量部あたり2.5重量部以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記リン源の添加量が、リンの量で、細胞乾燥重量100重量部当たり5~100重量部である、請求項3に記載の製造方法。
【請求項8】
前記コバルト化合物の使用量が、コバルトの量で、前記細胞の乾燥重量1g当たり0.36~70ミリモルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記焼成の時間が5分~2.5時間である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記焼成の温度が800℃以上である、請求項1に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素発生反応(HER)触媒等として有用な遷移金属リン化物(TMP)に関し、より具体的には、リン化コバルト炭素複合粒子に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
水素発生反応(Hydrogen Evolution Reaction:HER)のための効果的で環境に優しい触媒は、新しいクリーンエネルギー技術にとって重要である。HER活性をもつ触媒としては、典型的には白金等が用いられてきたが、このような高価な触媒の代替として、Co
2
P、Ni
2
P等の、より低廉な遷移金属リン化物(Transition Metal Phosphide:TMP)がHER触媒として有用であることが報告されている。
【0003】
本来、TMPの合成には化学的なリン源を要するため、合成手順の複雑さ、及び毒性の問題に対処しなければならない問題があった。ところが、近年、酵母細胞をCo
2+
と共に水熱処理し焼成することによって、導電体である炭素マトリックスに覆われたリン化コバルトナノ粒子(Co
2
P-C)が作製できるという画期的な報告がなされた(非特許文献1)。
【0004】
一方、DNAをリン源として用い、酵母から抽出したDNAとコバルトとを焼成することでCoPが合成されることも報告されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Zhang et al. Microbial Phosphorus Enabled Synthesis of Phosphide Nanocomposites for Efficient Electrocatalysts J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 11248-11253
Tong et al.A bifunctional CoP/N doped porous carbon composite derived from a single source precursor for bisphenol A removal. 2020, RSC Adv. 10, 9976-9984
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、CoPの触媒活性を調べたところ、Co
2
Pと同等以上の優れた触媒活性が期待できることを見出した。しかしながら、CoPを合成できることが報告されている非特許文献2の技術は、リン源となるDNAの抽出作業が煩雑であり、実用的ではない。一方、非特許文献1で報告されるようなTMPが炭化細胞内に担持された触媒であれば、DNAの抽出作業が不要となるものの、非特許文献1で合成できるTMPはCo
2
Pである。つまり、CoPが担持されたリン化コバルト炭素複合粒子はこれまで報告されていない。
【0007】
そこで、本発明は、CoPが担持されたリン化コバルト炭素複合粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、コバルト化合物と有機溶媒とを含む処理液中でリン酸蓄積細胞を含浸処理、又は、リン酸源とコバルト化合物と有機溶媒とを含む処理液中で通常の細胞を含浸処理し、その後、処理した細胞を焼成することで、CoPが担持されたリン化コバルト炭素複合粒子が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
【0009】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 細胞を、リンのオキソ酸及びその塩からなる群より選択されるリン源と共存させた状態で、コバルト化合物と有機溶媒とを含む処理液中で含浸処理する工程と、
前記含浸処理後の細胞を焼成する工程と、を含み、
前記リン源を構成するリンの量が、前記細胞の野生型に含まれるリンの量よりも多い、リン化コバルト炭素複合粒子の製造方法。
項2. 前記細胞がリン富化変異体であり、
前記状態が、前記細胞の内部に、野生型よりも多いリンを前記リン源として蓄積している状態である、項1に記載の製造方法。
項3. 前記状態が、細胞と、前記細胞外部に添加された前記リン源との混合状態である、項1に記載の製造方法。
項4. 前記有機溶媒が、アセトン、メタノール、エタノール、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される、項1~3のいずれかに記載の製造方法。
項5. 前記有機溶媒が水とともに用いられ、前記有機溶媒及び前記水からなる混合溶媒中、前記有機溶媒の含有量が10~90体積%である、項1~4のいずれかに記載の製造方法。
項6. 前記含浸処理後の細胞に含まれるリン源の量が、リンの量で、前記含浸処理後の細胞の乾燥重量100重量部あたり2.5重量部以上である、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
項7. 前記リン源の添加量が、リンの量で、細胞乾燥重量100重量部当たり5~100重量部である、項3に記載の製造方法。
項8. 前記コバルト化合物の使用量が、コバルトの量で、前記細胞の乾燥重量1g当たり0.36~70ミリモルである、項1~6のいずれかに記載の製造方法。
項9. 前記焼成の時間が5分~2.5時間である、項1~8のいずれかに記載の製造方法。
項10. 前記焼成の温度が800℃以上である、項1~9のいずれかに記載の製造方法。
項11. 前記焼成を、不活性ガス流速10~1500ml/分の条件下で行う、項1~10のいずれかに記載の製造方法。
項12. 炭化細胞と、前記炭化細胞に担持されたCoPとを含む、リン化コバルト炭素複合粒子。
項13. 項12に記載のリン化コバルト炭素複合粒子を含む、水素発生反応用触媒。
項14. 導電性基材と、前記導電性基材の表面に設けられた、項13に記載の水素発生反応用触媒を含む被覆層とを含む、水素発生反応用電極。
項15. 項12に記載のリン化コバルト炭素複合粒子を含む、アンモニア発生反応用触媒。
項16. 導電性基材と、前記導電性基材の表面に設けられた、項15に記載のアンモニア発生反応用の触媒を含む被覆層とを含む、アンモニア発生反応用電極。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、CoPが担持されたリン化コバルト炭素複合粒子が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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