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公開番号
2025126458
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-29
出願番号
2024022652
出願日
2024-02-19
発明の名称
オーステナイト系ステンレス鋼帯または鋼板およびそれらの製造方法、ならびに、高圧水素ガス用機器または液体水素用機器
出願人
日本冶金工業株式会社
代理人
弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250822BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】高圧水素ガス環境、液体水素環境で使用される材料を高機能化・安定化できる技術を提供する。
【解決手段】C:0.040~0.100%、Si:0.25~1.00%、Mn:13.50~18.50%、P:0.020~0.045%、S:0.0001~0.0020%、Ni:4.00~8.00%、Cr:16.50~18.00%、Mo:0.05~2.00%、Cu:0.05~1.00%、N:0.12~0.45%、Al:0.002~0.020%、Sn:0.002~0.016%、Co:0.06~1.00%、および、O:0.0001~0.0050%、を成分組成として含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量基準で、
C:0.040~0.100%、
Si:0.25~1.00%、
Mn:13.50~18.50%、
P:0.020~0.045%、
S:0.0001~0.0020%、
Ni:4.00~8.00%、
Cr:16.50~18.00%、
Mo:0.05~2.00%、
Cu:0.05~1.00%、
N:0.12~0.45%、
Al:0.002~0.020%、
Sn:0.002~0.016%、
Co:0.06~1.00%、および、
O:0.0001~0.0050%、
を成分組成として含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる、オーステナイト系ステンレス鋼。
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
前記成分組成が、さらに、質量基準で、Nb:0.05~0.50%およびV:0.05~0.50%のうちから1種または2種を含み、W:0.02~1.20%およびB:0.0005~0.0050%を含み、下記関係式(1)および(2)を満足する、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
(1)式
1.00≦10×C/N≦5.50
(2)式
1.5×Sn+B≧0.0060
上記式中の元素記号は質量百分率であらわす各元素の含有量を示す。
【請求項3】
請求項1または2に記載の成分組成を有する鋼帯または鋼板であって、焼鈍および酸洗後の表層の結晶粒界の幅に対する粒界の深さの比が1.5以下である、オーステナイト系ステンレス鋼帯または鋼板。
【請求項4】
請求項1または2に記載の成分組成を有する合金を溶製し、連続鋳造して鋼片とする工程と、
前記鋼片を熱間圧延し、熱延合金板とする工程と、
前記熱延合金板を冷間圧延し、冷延合金板とする工程と、
前記冷延合金板を最終焼鈍し、表面を酸洗仕上げする工程を含む、オーステナイト系ステンレス鋼帯または鋼板の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載のオーステナイト系ステンレス鋼帯または鋼板からなる、高圧水素ガス用機器または液体水素用機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水素ガス用機器、または液体水素用機器などに使用されるオーステナイト系ステンレス鋼に関するものである。本明細書中で数値の範囲を表す「x~y」は「x以上y以下」を意味し、境界値を含む。質量の単位「t」は1000kgを表す。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の問題が顕著化し、多くの議論が行われた結果、水素エネルギーの利用促進が強力に進められている。高圧水素ガス用の機器では、実用化が本格的に進んでおり、この過程で使用材料の特性評価が精力的に行われ、高強度を特徴とするステンレス鋼が提案されている。
【0003】
たとえば、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとして、既存鋼の特性把握、使用環境の拡大を図った例(NEDO 平成25年度~平成29年度成果報告書)がある。そこでは、SUS316、SUH660、海外規格品であるXM-19(ASME SA-240/UNS S20910、商品名:Nitronic50相当材)が高圧水素ガス環境で使用できる材料として認定されている。
【0004】
また、特許文献1~4には、Mnを添加することで窒素の含有量を高め、Nb、Vを含有するオーステナイト系ステンレス鋼が提案されている。いずれも、化学組成の最適化、結晶粒径の制御などで高圧水素ガス環境での高強度を達成している。
【0005】
実際の構造物では、溶接による製造が必須であり、これについても提案がされている。たとえば、特許文献5では、ガスタングステン溶接が可能な材料が提案されている。このように実用化のための提案が材料分野でも進んでおり、今後もこの傾向は拡大していくものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2004/083476号
国際公開第2004/083477号
国際公開第2004/110695号
特開平09-137255号公報
特開2016-074976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術には以下の問題があった。
すなわち、一般的なステンレス鋼帯や鋼板は、溶解-精錬-連続鋳造したスラブを熱間圧延した帯や板に固溶化熱処理を施した後、酸洗を行ったものが提供される。つまり、表面状態としては、酸洗後の状態で構造物を製造するために使用されるのが一般的である。したがって、この表面仕上げでの特性が重要である。しかしながら、高圧水素ガス環境の特性評価として行われる低歪速度引張試験(SSRT:Slow Strain Rate Technique)では、丸棒試験片や機械加工により板状試験片を使って評価している。さらなる高機能化、安定化のためには、酸洗仕上げを施した表面を有する試験片での評価が有効である。しかしながら、これまでこの様な検討は行われていない。
【0008】
それゆえ、本発明では、高圧水素ガス環境、液体水素環境で使用される材料について、量産工程で製造される表面仕上げにおいて、水素による脆性挙動を抑制・改善することで高機能化・安定化できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を有利に解決する本発明にかかるオーステナイト系ステンレス鋼は、質量基準で、C:0.040~0.100%、Si:0.25~1.00%、Mn:13.50~18.50%、P:0.020~0.045%、S:0.0001~0.0020%、Ni:4.00~8.00%、Cr:16.50~18.00%、Mo:0.05~2.00%、Cu:0.05~1.00%、N:0.12~0.45%、Al:0.002~0.020%、Sn:0.002~0.016%、Co:0.06~1.00%、および、O:0.0001~0.0050%、を成分組成として含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0010】
なお、本発明にかかるオーステナイト系ステンレス鋼は、前記成分組成が、さらに、質量基準で、Nb:0.05~0.30%およびV:0.05~0.50%のうちから1種または2種を含み、W:0.02~1.20%およびB:0.0005~0.0050%を含み、下記関係式(1)および(2)を満足することがより好ましい課題解決手段になる。
(1)式
1.00≦10×C/N≦5.50
(2)式
1.5×Sn+B≧0.0060
上記式中の元素記号は質量百分率であらわす各元素の含有量を示す。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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