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公開番号2025126780
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024023192
出願日2024-02-19
発明の名称リン酸バナジウムリチウムの製造方法
出願人日本化学工業株式会社
代理人
主分類C01B 25/45 20060101AFI20250822BHJP(無機化学)
要約【課題】X線回折的に高純度なリン酸バナジウムリチウムを工業的に有利に製造する方法を提供すること。
【解決手段】 ナシコン(NASICON)構造を有するリン酸バナジウムリチウムの製造方法であって、五酸化バナジウム、リン酸及びクエン酸を水溶媒に添加し、五酸化バナジウムの還元反応を60℃未満で行い還元反応スラリーを調製する第一工程、次いで該還元反応スラリーにリチウム源を添加してリチウムバナジウムリン複合酸化物を含む原料混合スラリーを調製する第二工程、次いで該原料混合スラリーをメディアミルで湿式粉砕処理して、湿式粉砕処理スラリーを調製する第三工程、次いで該湿式粉砕処理したスラリーを噴霧乾燥処理して反応前駆体を得る第四工程、次いで該反応前駆体を、不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気で500~1300℃で焼成し、リン酸バナジウムリチウムを得る第五工程と、を有することを特徴とするリン酸バナジウムリチウムの製造方法
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ナシコン(NASICON)構造を有するリン酸バナジウムリチウムの製造方法であって、
五酸化バナジウム、リン酸及びクエン酸を水溶媒に添加し、五酸化バナジウムの還元反応を60℃未満で行い還元反応スラリーを調製する第一工程、
次いで該還元反応スラリーにリチウム源を添加して下記一般式(1):
LiVOPO

・xH

O (1)
(式中、xは0~2)
で表されるリチウムバナジウムリン複合酸化物を含む原料混合スラリーを調製する第二工程、
次いで該原料混合スラリーをメディアミルで湿式粉砕処理して、湿式粉砕処理スラリーを調製する第三工程、
次いで該湿式粉砕処理したスラリーを噴霧乾燥処理して反応前駆体を得る第四工程、
次いで該反応前駆体を、不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気で500~1300℃で焼成し、リン酸バナジウムリチウムを得る第五工程と、
を有することを特徴とするリン酸バナジウムリチウムの製造方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
第一工程におけるクエン酸の添加量が、五酸化バナジウム中のV原子に対するクエン酸中のC原子に対するモル比(C/V)で0.9~6.0であることを特徴とする請求項1に記載のリン酸バナジウムリチウムの製造方法。
【請求項3】
第三工程の湿式粉砕処理スラリーにおける固形分の平均粒子径が2μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウムの製造方法。
【請求項4】
第一工程において、更にMe源(MeはV以外の原子番号11以上の金属元素又は遷移金属元素を示す。)を還元反応スラリーに含有させることを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸バナジウムリチウムの製造方法。
【請求項5】
Me源が、Ti源及びAl源から選ばれることを特徴とする請求項4に記載のリン酸バナジウムリチウムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池、全固体電池の正極材や電気化学キャパシタ等の正極材として有用なリン酸バナジウムリチウムの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
携帯機器、ノート型パソコン、電気自動車、ハイブリッド自動車向けの電池としてリチウムイオン電池が活用されている。リチウムイオン電池は一般に容量、エネルギー密度に優れているとされ、現在その正極にはLiCoO

が主に使用されているが、Coの資源問題からLiMnO

、LiNiO
2、
Li―Ni―Mn―Co系などの開発も盛んに行われている。
【0003】
現在、さらなる代替材料としてLiFePO

が着目され各機関で研究開発が進んでいる。Feは資源的に優れ、これを用いたLiFePO

はエネルギー密度がやや低いものの、高温特性に優れていることから電動車両向けのリチウムイオン電池用正極材料として期待されている。
【0004】
しかし,LiFePO

は動作電圧がやや低く,Feに代わりにVを用いたナシコン(NASICON;Na Super Ionic Conductor)構造を有するリン酸バナジウムリチウム(Li



(PO



)が着目されている。
【0005】
本出願人らは先に、下記特許文献1で、リチウム源、5価又は4価のバナジウム化合物、リン源及び加熱分解により炭素が生じる導電性炭素材料源の還元糖とを水溶媒中で混合して原料混合液を調製する第一工程と、該原料混合液を加熱して沈殿生成反応を行い、沈殿生成物を含む反応液を得る第二工程と、該沈殿生成物を含む反応液をメディアミルにより湿式粉砕処理して、粉砕処理物を含むスラリーを得る第三工程と、該粉砕処理物を含むスラリーを噴霧乾燥処理して、反応前駆体を得る第四工程と、該反応前駆体を不活性ガス雰囲気中又は還元雰囲気中で600~1300℃で焼成するリン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法を提案した。また、本出願人は下記特許文献2で、バナジウム化合物、リン源及び加熱分解により炭素が生じる導電性炭素材料源の還元糖を水溶媒中で、好ましくは60~100℃で加熱処理して反応を行った後、加熱処理後の液に、更にリチウム源を添加して反応を行い、得られる反応液を噴霧乾燥して反応前駆体を得、該反応前駆体を不活性ガス雰囲気中又は還元雰囲気中で焼成してリン酸バナジウムリチウムを製造する方法等を提案した。
【0006】
また、下記特許文献3には、クエン酸をバナジウムのキレート剤及びリン酸バナジウムリチウムを被覆する導電性炭素源として用い、五酸化バナジウム、リン酸及びクエン酸を水溶媒に混合し、これを85℃で加熱処理して水溶媒を除去した乾燥物を得、該乾燥物を850℃で焼成してVPO

/Cを得、該VPO

とリチウム源とを反応させる方法、また、下記特許文献4には、水酸化リチウム、五酸化バナジウム、クエン酸、リン酸二水素アンモニウムを、この順で水溶媒に溶解し、この溶液を蒸発乾固し、乾固した前駆体を自動乳鉢で粉砕し、次いで窒素ガスで焼成を行う方法等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2012/043367号パンフレット
特開2017-160107号公報
国際公開第2018/142082号パンフレット、0121段落
特開2011-198657号公報、0044段落
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リン酸バナジウムリチウムは、高温においても安全性が高くなることから、自動車用途等のリチウム二次電池、全固体電池等の正極活物質として注目されており、該化合物の実用化のため、工程の簡素化等により、いっそうの低コスト化が可能なリン酸バナジウムリチウムを製造する方法の開発が望まれる。
【0009】
本発明者らは、上記特許文献1及び2のリン酸バナジウムリチウムの製造方法の工程を簡素化すべく検討する中で、反応前駆体の調製工程において、還元糖に代えて、クエン酸を用いて特定の工程を行うことにより、積極的に加熱処理を行うことなく優れた反応性を有する反応前駆体を得ることができ、該反応前駆体を焼成することにより、X線回折的に高純度なリン酸バナジウムリチウムが得られること等を見出し本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、本発明の目的は、X線回折的に高純度なリン酸バナジウムリチウムを工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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