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公開番号2025131217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028820
出願日2024-02-28
発明の名称アルミナゲルおよびその製造方法
出願人浅田化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C01F 7/36 20060101AFI20250902BHJP(無機化学)
要約【課題】 本発明は、シリカまたカルシウム材料を使用せず、アルミニウムによるゲルが速やかに形成でき、保形性に優れたゲル材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 Al2O35~25質量%、アルカリ金属原子1~8質量%、ヒドロキシ酸5~20質量%および水55~85質量%を含有するpH8~12を有するアルミナゲルであって、
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、ヘーズメーターで測定した場合に色座標でL*が90~100、a*が-0.5~0.5、b*が0~1.0を示し、かつ
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、直径30mmの表面♯400仕上げのステンレス製治具で挟み込み、引張試験機で10mm/secで引張試験を行った場合に最大応力値が5N以上を示す、
ことを特徴とするアルミナゲルおよびその製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Al



5~25質量%、アルカリ金属原子1~8質量%、ヒドロキシ酸5~20質量%および水55~85質量%を含有するpH8~12を有するアルミナゲルであって、
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、ヘーズメーターで測定した場合に色座標でL*が90~100、a*が-0.5~0.5、b*が0~1.0を示し、かつ
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、直径30mmの表面♯400仕上げのステンレス製治具で挟み込み、引張試験機で10mm/secで引張試験を行った場合に最大応力値が5N以上を示す、
ことを特徴とするアルミナゲル。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
シリコン原子またはカルシウム原子の含有量が0~100ppmである、請求項1記載のアルミナゲル。
【請求項3】
アルミナゲルが、安定剤を含み、前記安定剤が三糖類以上の多糖類、糖アルコール、アンモニアまたは水溶性アミンの1種以上である、請求項1または2記載のアルミナゲル。
【請求項4】
(A)ヒドロキシ酸アルミニウムと、(B)アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリとを、混合してゲル化することを特徴とするアルミナゲルの製造方法。
【請求項5】
前記ヒドロキシ酸アルミニウム(A)が、乳酸アルミニウムまたはグリコール酸アルミニウムである、請求項4記載のアルミナゲルの製造方法。
【請求項6】
前記ヒドロキシ酸アルミニウム(A)が、ヒドロキシ酸アルミニウム(A)中のヒドロキシ酸のモル数と該ヒドロキシ酸中のカルボキシル基数との積(I)と、ヒドロキシ酸アルミニウム(A)のアルミニウムのモル数から換算したAl



のモル数(II)の比がI/II=1.0~2.0の範囲である、請求項4または5記載のアルミナゲルの製造方法。
【請求項7】
前記アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリ(B)が、アルミン酸ナトリウム、乳酸アルミン酸ナトリウムまたはグリコール酸アルミン酸ナトリウムの1種以上である、請求項4記載のアルミナゲルの製造方法。
【請求項8】
混合時に安定剤(C)を添加し、前記安定剤(C)が三糖類以上の多糖類、糖アルコール、アンモニアまたは水溶性アミンの1種以上である、請求項4または5記載のアルミナゲルの製造方法。
【請求項9】
得られたアルミナゲルが、Al



5~25質量%、アルカリ金属原子1~8質量%、ヒドロキシ酸5~20質量%および水55~85質量%を含有し、
pH8~12を有し、
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、ヘーズメーターで測定した場合に色座標でL*が90~100、a*が-0.5~0.5、b*が0~1.0を示し、かつ
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、直径30mmの表面♯400仕上げのステンレス製治具で挟み込み、引張試験機で10mm/secで引張試験を行った場合に最大応力値が5N以上を示す、
請求項4または5記載のアルミナゲルの製造方法。
【請求項10】
(A)ヒドロキシ酸アルミニウムと(B)アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリとを反応およびゲル化することにより得られたアルミナゲルであって、
前記アルミナゲルが、pH8~12を有し、かつAl



を5~25質量%、アルカリ金属原子を1~8質量%、ヒドロキシ酸を5~20質量%および水を55~85質量%を含有する、ことを特徴とするアルミナゲル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナゲル、特にシリカまたはカルシウム材料を使用しないアルミナゲル、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウムを含むゲルは、建設また窯業分野をはじめ、成形物、繊維、触媒、その他下地処理等で使用されている。しかし、従来の材料はシリカやカルシウム等の元素を必須とするものが多く、用途によっては、これらの元素が最終組成物の耐熱性、硬度、強度等の性能不足となることがあった。
【0003】
特許第6503129号(特許文献1)には、耐火物の湿式吹き付け施工に用いられる粉末状の急結剤であって、添加剤と、耐火材料とを含み、前記添加剤は、水酸化カルシウムと、アルミナセメント及び珪酸塩から選択される少なくとも一種の硬化促進剤と、硫酸塩、炭酸塩、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも一種の特定粉末材料と、を含み、前記水酸化カルシウムの含有量と前記硬化促進剤の含有量との比(前記水酸化カルシウ ムの含有量/前記硬化促進剤の含有量)が0.7以上4以下であり、前記水酸化カルシウム及び前記硬化促進剤の合量と前記特定粉末材料の含有量との比(前記水酸化カルシウム及び前記硬化促進剤の合量/前記特定粉末材料の含有量)が1以上10以下である、急結剤が開示されている。この耐火物は良好に用いられるが、シリカまたカルシウムが高含有となり、配合物の耐熱性が低下するため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6503129号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、シリカまたはカルシウム材料を使用せず、アルミニウムによるゲルが速やかに形成でき、保形性に優れたゲル材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は以下の態様を提供する:
[1] Al



5~25質量%、アルカリ金属原子1~8質量%、ヒドロキシ酸5~20質量%および水55~85質量%を含有するpH8~12を有するアルミナゲルであって、
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、ヘーズメーターで測定した場合に色座標でL*が90~100、a*が-0.5~0.5、b*が0~1.0を示し、かつ
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、直径30mmの表面♯400仕上げのステンレス製治具で挟み込み、引張試験機で10mm/secで引張試験を行った場合に最大応力値が5N以上を示す、
ことを特徴とするアルミナゲル。
[2] シリコン原子またはカルシウム原子の含有量が0~100ppmである、[1]記載のアルミナゲル。
[3] アルミナゲルが、安定剤を含み、前記安定剤が三糖類以上の多糖類、糖アルコール、アンモニアまたは水溶性アミンの1種以上である、[1]または[2]記載のアルミナゲル。
[4] (A)ヒドロキシ酸アルミニウムと、(B)アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリとを、混合してゲル化することを特徴とするアルミナゲルの製造方法。
[5] 前記ヒドロキシ酸アルミニウム(A)が、乳酸アルミニウムまたはグリコール酸アルミニウムである、[4]記載のアルミナゲルの製造方法。
[6] 前記ヒドロキシ酸アルミニウム(A)が、ヒドロキシ酸アルミニウム(A)中のヒドロキシ酸のモル数と該ヒドロキシ酸中のカルボキシル基数との積(I)と、ヒドロキシ酸アルミニウム(A)のアルミニウムのモル数から換算したAl



のモル数(II)の比がI/II=1.0~2.0の範囲である、[4]または[5]記載のアルミナゲルの製造方法。
[7] 前記アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリ(B)が、アルミン酸ナトリウム、乳酸アルミン酸ナトリウムまたはグリコール酸アルミン酸ナトリウムの1種以上である、[4]記載のアルミナゲルの製造方法。
[8] 混合時に安定剤(C)を添加し、前記安定剤(C)が三糖類以上の多糖類、糖アルコール、アンモニアまたは水溶性アミンの1種以上である、[4]または[5]記載のアルミナゲルの製造方法。
[9] 得られたアルミナゲルが、Al



5~25質量%、アルカリ金属原子1~8質量%、ヒドロキシ酸5~20質量%および水55~85質量%を含有し、
pH8~12を有し、
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、ヘーズメーターで測定した場合に色座標でL*が90~100、a*が-0.5~0.5、b*が0~1.0を示し、かつ
前記アルミナゲルの2mm塗工膜を、直径30mmの表面♯400仕上げのステンレス製治具で挟み込み、引張試験機で10mm/secで引張試験を行った場合に最大応力値が5N以上を示す、
[4]または[5]記載のアルミナゲルの製造方法。
[10] (A)ヒドロキシ酸アルミニウムと(B)アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリとを反応およびゲル化することにより得られたアルミナゲルであって、
前記アルミナゲルが、pH8~12を有し、かつAl



を5~25質量%、アルカリ金属原子を1~8質量%、ヒドロキシ酸を5~20質量%および水を55~85質量%を含有する、ことを特徴とするアルミナゲル。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアルミナゲルおよびその製造方法によれば、シリカまたカルシウムをほとんど含まないアルミナゲルを速やかに形成することが可能である。本発明のアルミナゲルは、20~200℃で乾燥することで粉末化が可能であり、100℃での乾燥物の結晶系が主に非晶質であることを特徴とし、更に加水時に同様のゲル化効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、好ましい実施形態に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲において種々の変更が可能である。また、本発明において数値範囲における「数値1~数値2」という表記は数値1を下限値とし、数値2を上限値とする。両端の数値1及び数値2を含む範囲を意味し、「数値1以上、数値2以下」と同義である。
【0009】
本発明のアルミナゲルは、(A)ヒドロキシ酸アルミニウムと、(B)アルミン酸アルカリまたはヒドロキシ酸アルミン酸アルカリとを、混合してゲル化することにより製造され、組成としてAl



5~25質量%、アルカリ金属原子1~8質量%、ヒドロキシ酸5~20質量%および水55~85質量%を含有するpH8~12を有するアルミナゲルが得られる。
製造方法から説明する。
【0010】
(A)ヒドロキシ酸アルミニウム(以下、「成分(A)」ともいうこともある。)
ヒドロキシ酸アルミニウムに用いるヒドロキシ酸は乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸またはグリコール酸が挙げられ、好適には乳酸、グルコン酸、グリコール酸である。ヒドロキシ酸アルミニウムは、これらを1種でも2種以上を使用してもよい。このときのヒドロキシ酸のモル数と該ヒドロキシ酸中のカルボキシル基数との積(I)と、成分(A)中のアルミニウムのAl



換算でのモル数(II)がI/II=1.0~2.0の範囲である。1.0未満では溶液が固化しやすく不安定であり、2.0を超えるとアルミニウム化合物の溶解度が低下しまた沈殿析出しやすく不安定である。
(【0011】以降は省略されています)

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