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公開番号2025127905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024024906
出願日2024-02-21
発明の名称医療用コーティング剤及び医療機器
出願人東亞合成株式会社
代理人
主分類A61L 33/06 20060101AFI20250826BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】フッ素樹脂基材のような難塗工性基材の表面に対して優れた抗血栓性を付与することができる医療用コーティング剤を提供すること。
【解決手段】ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(M1)と、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(M2)と、を含む重合体を含有する、医療用コーティング剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(M1)と、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(M2)と、を含む重合体を含有する、医療用コーティング剤。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記構造単位(M2)は、CF

基又はCF

基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位である、請求項1に記載の医療用コーティング剤。
【請求項3】
前記構造単位(M2)は、パーフルオロアルキル基(-(CF



-CF

、但し、n≧1)を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位である、請求項1に記載の医療用コーティング剤。
【請求項4】
前記構造単位(M2)の含有割合が、前記重合体が有する全構造単位に対して10質量%以上である、請求項1に記載の医療用コーティング剤。
【請求項5】
前記重合体に水を含ませ、示差走査熱量計(DSC)を用いて速度5℃/分の条件にて昇温することにより得られるDSC曲線において、氷の融解による吸熱のピークトップが0℃に現れるときの前記重合体の含水状態を飽和含水状態とした場合に、飽和含水状態における前記重合体のガラス転移温度が-30℃以下である、請求項1に記載の医療用コーティング剤。
【請求項6】
スピンコートによりフッ素樹脂基材上に形成された前記重合体からなる膜を水中に5分間浸漬した後に前記膜に対して水中で気泡を接触させた場合に、前記気泡の接触角が120度以上である、請求項1に記載の医療用コーティング剤。
【請求項7】
前記重合体は(メタ)アクリル系重合体である、請求項1に記載の医療用コーティング剤。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の医療用コーティング剤が基材にコーティングされた医療機器。
【請求項9】
前記基材はフッ素樹脂基材である、請求項8に記載の医療機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用コーティング剤及び医療機器に関し、より詳しくは、生体成分や生体組織に接触されて使用される医療機器に生体適合性を付与する技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
医療機器の材料としては、合成高分子やセラミックス、ガラス、金属等といった種々の材料が用いられている。一方、生体成分や生体組織に医療機器が接触すると、生体がその医療機器を異物と認識することによって医療機器の機能が阻害されたり、生体に影響が及んだりすることが考えられる。例えば、医療機器が血液に接触されて使用される用途では、血液中の成分が医療機器を異物と認識することによってその成分の生体防御機能が活性化され、血栓が形成されることが考えられる。そこで従来、生体適合性の合成高分子を用いて、医療機器の表面に生体適合性を付与することが注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、2-メトキシエチルアクリレートに由来する構造単位を有する重合体を生体適合性医療材料として用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平04-152952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療機器の基材としては、様々な樹脂基材が使用されており、フッ素樹脂基材のような表面の塗工が難しい基材(以下、「難塗工性基材」ともいう)が用いられることがある。しかしながら、フッ素樹脂基材の表面に対して、生体適合性の合成高分子をコーティングして生体適合性を付与しようとした場合、生体適合性の合成高分子が基材表面に密着せず、医療機器の表面に対して生体適合性を付与できないことがある。また、基材表面と合成高分子との密着性を向上させるために、基材表面に対してコロナ処理やプラズマ処理等による表面改質を行うことも考えられるが、その場合、基材の表面改質処理を行う工程が必要になり、医療機器の製造工程が煩雑になることが懸念される。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フッ素樹脂基材のような難塗工性基材の表面に対して優れた抗血栓性を付与することができる医療用コーティング剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、生体適合性を示す重合体に特定の構造単位を導入することにより、重合体が有する抗血栓性を保ちながら、フッ素樹脂基材のような難塗工性基材に対する重合体の密着性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明によれば以下の手段が提供される。
【0008】
〔1〕ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(M1)と、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(M2)と、を含む重合体を含有する、医療用コーティング剤。
〔2〕前記構造単位(M2)は、CF

基又はCF

基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位である、〔1〕に記載の医療用コーティング剤。
〔3〕前記構造単位(M2)は、パーフルオロアルキル基(-(CF



-CF

、但し、n≧1)を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位である、〔1〕又は〔2〕に記載の医療用コーティング剤。
〔4〕前記構造単位(M2)の含有割合が、前記重合体が有する全構造単位に対して10質量%以上である、〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の医療用コーティング剤。
〔5〕前記重合体に水を含ませ、示差走査熱量計(DSC)を用いて速度5℃/分の条件にて昇温することにより得られるDSC曲線において、氷の融解による吸熱のピークトップが0℃に現れるときの前記重合体の含水状態を飽和含水状態とした場合に、飽和含水状態における前記重合体のガラス転移温度が-30℃以下である、〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の医療用コーティング剤。
〔6〕スピンコートによりフッ素樹脂基材上に形成された前記重合体からなる膜を水中に5分間浸漬した後に前記膜に対して水中で気泡を接触させた場合に、前記気泡の接触角が120度以上である、〔1〕~〔5〕のいずれか一に記載の医療用コーティング剤。
〔7〕前記重合体は(メタ)アクリル系重合体である、〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の医療用コーティング剤。
〔8〕〔1〕~〔7〕のいずれか一に記載の医療用コーティング剤が基材にコーティングされた医療機器。
〔9〕前記基材はフッ素樹脂基材である、〔8〕に記載の医療機器。
【発明の効果】
【0009】
本発明の医療用コーティング剤によれば、フッ素樹脂基材のような難塗工性基材の表面に対して優れた抗血栓性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
水和時に中間水を含む重合体の飽和含水状態におけるDSC曲線の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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