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公開番号2025127200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024023782
出願日2024-02-20
発明の名称活性エネルギー線硬化型組成物ならびにそれを用いた縫合物およびその製造方法
出願人東亞合成株式会社
代理人
主分類C08F 290/06 20060101AFI20250825BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】複数の素材同士を縫合してできる縫合部の封止性を高め、光が届きにくい縫合部の奥も短時間で硬化させることができる活性エネルギー線硬化型組成物を提供する。
【解決手段】エチレン性不飽和基を有する化合物および光ラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、JIS K 6833に準じ、円すい-平板形回転粘度計を用い、温度25℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度が1~1000mPa・sであり、かつJIS K 7161:2014に準じ、温度23℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物の引張ひずみが50~700%である活性エネルギー線硬化型組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン性不飽和基を有する化合物および光ラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、JIS K 6833に準じ、円すい-平板形回転粘度計を用い、温度25℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度が1~1000mPa・sであり、かつJIS K 7161:2014に準じ、温度23℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物の引張ひずみが50~700%である活性エネルギー線硬化型組成物。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記エチレン性不飽和基を有する化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートおよび単官能不飽和化合物を含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
前記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量Mwが、3000~100000である請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
前記光ラジカル重合開始剤の405nmにおける吸光係数(mL/g・cm)が、100以上である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
前記光ラジカル重合開始剤が、前記エチレン性不飽和基を有する化合物の合計量100質量部に対して、0.01~15質量部含む請求項1または4に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
蛍光剤および/または還元剤を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項7】
前記蛍光剤の発光スペクトルが、380~500nmの間で極大を示す請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項8】
前記蛍光剤が、前記エチレン性不飽和基を有する化合物の合計量100質量部に対して、0.001~5質量部含む請求項7に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項9】
前記還元剤の405nmにおける吸光係数(mL/g・cm)が100以上である請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項10】
前記還元剤が、2価のスズ化合物、3価のリン化合物およびチオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項9に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関し、好ましくは、紫外線等の活性エネルギー線の照射により、活性エネルギー線が直接照射されない部位も硬化することができる活性エネルギー線硬化型組成物に関し、当該技術分野に属する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
複数の素材同士を固定してなる縫合物において、防水や気密性を向上させるために、縫い糸で縫合した部分に樹脂液を塗布・硬化させる目止め加工が行われている。例えば、レインコートやテントなど水漏れを防ぐ必要のある繊維部材の防水や、高い気密性が求められるエアバッグの縫合部の封止などが挙げられる。
【0003】
特許文献1には、第1のパネルと第2のパネルの縁部同士を結合手段によって結合してなるエアバッグにおいて、該結合手段は、糸による縫合と、シリコーン系接着剤またはウレタン系接着剤のような弾性接着剤による接着とからなることを特徴とするエアバッグが記載されている。
【0004】
特許文献2には、合成繊維からなる2枚の織物を、無溶剤型液状シリコーンゴムのような室温硬化型接着シール材で接合してなるエアバッグにおいて、該室温硬化型接着シール材の25℃におけるチクソトロピー指数が1.5~6であり、かつ該合成繊維からなる織物のカバーファクターが1500~2100であるエアバッグが記載されている。
【0005】
特許文献3には、ワンピース織布(OPW)エアバッグからの空気漏れを低減させる方法であって、縫い目を有するOPWエアバッグを形成することと、前記OPWエアバッグの1つ以上の縫い目にホットメルトシーラント材料を塗布することとを含む方法が記載されている。
【0006】
しかし、シリコーン系接着剤またはウレタン系接着剤は、硬化に水分が必要なことと、完全硬化までに一日程度の時間を要するため、生産性が不十分であるという問題があった。また、電線と電線の間にある隙間の奥まで浸透した部分は、水分が侵入しにくいので十分硬化せず、その結果封止性が不十分となる場合があった。
また、ホットメルトシーラント材料は、粘度が高いので縫い目の隙間に樹脂を十分に浸透させることが難しいという問題があった。
さらに、活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線が当たらない部分を硬化させることは困難であるため、縫い糸のような活性エネルギー線を透過しにくい物品を接着する場合、縫い糸と基布の間の隙間など、活性エネルギー線が届かない、いわゆる「暗部」において、活性エネルギー線硬化型組成物が未硬化になってしまい、その結果、封止性が不十分になる問題があった。なお、この暗部をも硬化可能とする性能が「暗部硬化性」であり、別名として「影部硬化性」、「陰影部硬化性」、「暗反応硬化性」、「遮光部硬化性」および「ダークキュア性」等とも呼ばれており、本明細書ではこれらをまとめて「暗部硬化性」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-1854号公報
特開2007-38694公報
特表2020-536003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複数の素材同士を縫合してできる縫合部の封止性を高め、光が届きにくい縫合部の奥も短時間で硬化させることができる活性エネルギー線硬化型組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、種々の検討の結果、エチレン性不飽和基を有する化合物と光ラジカル重合開始剤からなり、特定の引張ひずみと粘度を有することで、複数の素材同士を縫合してできる縫合部の封止性を高め、光が届きにくい縫合部の奥も短時間で硬化させることができる活性エネルギー線硬化型組成物を提供できることを見出した。
【0010】
本発明は以下の実施形態を含む。
[1]
エチレン性不飽和基を有する化合物および光ラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、JIS K 6833に準じ、円すい-平板形回転粘度計を用い、温度25℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度が1~1000mPa・sであり、かつJIS K 7161:2014に準じ、温度23℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物の引張ひずみが50~700%である活性エネルギー線硬化型組成物。
[2]
前記エチレン性不飽和基を有する化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートおよび単官能不飽和化合物を含むに[1]記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[3]
前記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量Mwが、3000~100000である[2]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[4]
前記光ラジカル重合開始剤の405nmにおける吸光係数(mL/g・cm)が、100以上である[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[5]
前記光ラジカル重合開始剤が、前記エチレン性不飽和基を有する化合物の合計量100質量部に対して、0.01~15質量部含む[1]または[4]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[6]
蛍光剤および/または還元剤を含む[1]~[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[7]
前記蛍光剤の発光スペクトルが、380~500nmの間で極大を示す[6]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[8]
前記蛍光剤が、前記エチレン性不飽和基を有する化合物の合計量100質量部に対して、0.001~5質量部含む[7]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[9]
前記還元剤の405nmにおける吸光係数(mL/g・cm)が100以上である[6]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[10]
前記還元剤が、チオール化合物、2価のスズ化合物および3価のリン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む[9]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[11]
前記還元剤が、前記エチレン性不飽和基を有する化合物の合計量100質量部に対して、0.1~20質量部含む[10]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[12]
[1]~[4]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含む縫合部塗布用封止剤。
[13]
複数の素材同士を縫合して形成される縫合部に、活性エネルギー線硬化型組成物を含む封止剤を塗布し、その塗布部に活性エネルギー線を照射し硬化させてなる縫合物であって、前記活性エネルギー線硬化型組成物が、エチレン性不飽和基を有する化合物および光ラジカル重合開始剤を含み、JIS K 6833に準じ、円すい-平板形回転粘度計を用い、温度25℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度が1~1000mPa・sであり、かつJIS K 7161:2014に準じ、温度23℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物の引張ひずみが、50~700%であることを特徴とする縫合物。
[14]
複数の素材同士を縫合して形成される縫合部に、活性エネルギー線硬化型組成物を含む封止剤を塗布し、その塗布部に活性エネルギー線を照射し硬化させてなる縫合物の製造方法であって、前記活性エネルギー線硬化型組成物が、エチレン性不飽和基を有する化合物および光ラジカル重合開始剤を含み、JIS K 6833に準じ、円すい-平板形回転粘度計を用い、温度25℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度が1~1000mPa・sであり、かつJIS K 7161:2014に準じ、温度23℃で測定したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物の引張ひずみが、50~700%であることを特徴とする縫合物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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