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公開番号2025128359
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2025101566,2021566026
出願日2025-06-17,2020-05-08
発明の名称再灌流傷害の処置のためのBNIP3ペプチド
出願人ビミュオ ゲーエムベーハー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 14/47 20060101AFI20250826BHJP(有機化学)
要約【課題】再灌流傷害の処置のためのBNIP3ペプチドの提供。
【解決手段】本発明は、BNIP3、BAXおよびミトコンドリアの個々の活性および経路間コミュニケーションを阻害することができるペプチドを提供する。本ペプチドは、細胞損傷および細胞死を予防することが望ましい対象における疾患または状態を処置する方法において使用することができる。本発明は、モノマーとしてならびにそれらのホモオリゴマーおよびヘテロオリゴマーとしてのBNIP3およびBAXに結合するペプチドを提供し、これは、BNIP3およびBAXの個々の活性およびオリゴマー活性を回避することにより幅広い連続的な活性を示す。心臓および脳組織ならびにヒト人工多能性幹細胞由来のヒト心室心筋細胞を再灌流傷害から保護することによって証明されるように、有効性は器官または種に制約されない。心筋梗塞サイズもブタにおいて著しく減少した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再灌流傷害の処置に関する。特に、本発明は、ミトコンドリアにおけるBNIP3およびBAXの活性を低下させることによって細胞損傷および細胞死を予防するBNIP3由来ペプチドを提供する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
血管の閉塞は、組織の一部への血液の停止を引き起こし、これは特に、不十分な酸素供給、栄養素の利用可能性の低下および代謝老廃物の不十分な除去をもたらして、細胞を著しく破壊し、その後、細胞を死滅させる。急性の閉塞は予測可能でも回避可能でもないが、血管開存性の回復は実現可能であり、患者の転帰のために不可欠である

。適時の再灌流レジメンは推奨される治療であるが、血液および特にO

供給の急速な回復は、組織に現在のところ利用可能な処置は存在しない傷害を与える。再灌流の初期段階は、高酸素状態、活性酸素種の急激な発生およびアシドーシスを伴わないカルシウムレベルの増加をもたらす高レベルの酸素を特徴とする。再灌流傷害の病態は、心臓、脳、肝臓および腎臓において認知されており、冬眠心筋、急性心不全、脳機能障害、胃腸機能障害、腎機能障害、全身性炎症反応症候群および多臓器機能障害症候群を含む重篤な臨床所見に関連している。したがって、再灌流傷害は、重要な治療上の課題を提起する重大な医学的状態である。心筋梗塞(MI)は突然の時間的に予測不可能な事象であり、ここで、再灌流が生存のために不可欠であるが、これが最終的な梗塞サイズの最大50%を決定する

。この運命は、移植された臓器にも当てはまる。MIは心不全症例の最も一般的な原因であり、したがって、再灌流傷害を軽減するための治療的介入は、生存能力のある心筋を救済し、MIサイズを制限し、心機能を保存し、心不全の発生率に影響を与える機会を提供する

。再灌流によって誘発される梗塞の進行においては、2つの形態の細胞死、すなわちネクローシスおよびアポトーシスが本質的な役割を果たす。ネクローシス性の心筋細胞死は、初期の梗塞領域中で主に観察され得る。ネクローシスは、炎症、マトリックスリモデリングおよびその後の線維症などの下流の組織応答を誘導する

。アポトーシスは、梗塞領域および梗塞周囲領域中で起こり、初期の梗塞後リモデリングの主たる要素である


【0003】
がん患者にとっては、心臓損傷も重大な問題である。スクリーニングおよび処置戦略の進歩により、がん生存者の集団は過去30年間にわたって着実に増大した。5年全生存率は、10年間の追跡調査で50~70%に改善した。その結果、がん治療の副作用、特に心血管毒性の有病率が増加している。従来の化学療法(例えば、アントラサイクリン)は、左室駆出率(LVEF)の無症候性および症候性の低下、心筋症および心不全(HF)の原因であると広く認識されてきた、多くのがんに対して一般的に使用されている治療である。がんによって媒介される心筋症は、典型的には不可逆的である、活性酸素種(ROS)によって媒介されるLV収縮機能の用量依存的な減少を特徴とする。現在のところ、アントラサイクリン化学療法またはその他のがん治療を受けている患者における心毒性副作用(例えば、心機能の低下、心筋症など)を効果的に低減するための予防的アプローチも治療法も存在しない。この医学的な要望に取り組むことを目標にしたいくつかの研究は、不完全な結果/利益を得るに留まった。CECCY試験は、乳がん患者におけるカルベジオールの利益を示すことはできなかったが、トロポニンの低下による保護は示された

。PRADA試験は、カンデサルタンおよびメトプロロールの評価を行い、心筋症の予防に対するカンデサルタンの有意な利益を明らかにしたが、心毒性の現行の定義によれば本試験は十分な検出力がなかった

。MANTICORE試験の初期の結果は、左心室の直径の変化であった。β遮断薬もACE阻害薬もこの転帰尺度に対して有意な影響を有さなかったが、二次的転帰としての心不全を有意に予防した

。まとめると、既存の文献は心不全療法の潜在的な利益を示しているが、現在のところ、がん患者における心毒性の予防における現在のガイドラインによって規定される最先端の心不全治療の価値を綿密に評価した研究は存在しない。
【0004】
ミトコンドリアは、ネクローシス性シグナル伝達およびアポトーシス性シグナル伝達の両方の中心を成す

。これらには、電子伝達、酸化的リン酸化およびATP合成の破壊、DNA断片化、タンパク質および脂質の損傷、ならびにROSの過剰な生成が含まれる。
【0005】
ミトコンドリアにおけるネクローシスの決定的事象は、ミトコンドリア内膜(MIM)内の孔、いわゆるミトコンドリア膜透過性遷移孔(mPTP)の開口である。これは、エネルギー崩壊およびミトコンドリア内への浸透圧調節物質の流入と溶質との迅速な交換をもたらす。その後のマトリックスの膨潤は、ミトコンドリア外膜の破裂、細胞膨潤および細胞破壊をもたらす
10
。Ca
2+
などのネクローシス性刺激は、mPTPの開口を誘発することが示唆されており、ROSによって増強され得る
10
。広範な調査にもかかわらず、トランスジェニック動物研究では、アデニンヌクレオチドトランスロカーゼ
11
、電位依存性アニオンチャネル
12
、ミトコンドリアリン酸キャリアー
13
(SLC25A3)およびシクロフィリンD
14
を含むいくつかの推定成分を除き、mPTPの成分は不明のままである。ごく最近では、ATPシンターゼのc-サブユニットが内膜に孔を形成することが示唆されている
15、16
。シクロスポリンAなどの薬理学的阻害剤を使用したmPTP開口の防止は、I/R傷害の前臨床モデルにおいて梗塞サイズを減少させることが報告されている
17、18
。より大規模な臨床試験では、その効果は中立的であった
19
。ミトコンドリアを標的とするペプチドであるエラミプレチド(以前は、ベンダビアまたはMTP-131と呼ばれていた)およびミトコンドリアを標的とする薬物であるTRO40303は、再灌流の開始時に投与すると、ミトコンドリア由来のROSの産生を減弱させることによって梗塞サイズを減少させることが動物研究で実証されている
20~22
。しかしながら、STEMI患者研究では、PPCIの前に投与された静脈内エラミプレチド
20
およびTRO40303のいずれも、梗塞サイズを減少させることができなかった
23
。特に、プラセボ群と比較した場合、TRO40303を服用した患者ではより多くの有害事象が報告され、それにより、この治療的アプローチの臨床適用が制限された。Na

/H

交換阻害剤
24
、スーパーオキシドジスムターゼなどの抗酸化物質
25
および様々な抗好中球抗体
26、27
も同様に効果がないようであった。
【0006】
梗塞領域および梗塞周囲領域中で起こるアポトーシス性細胞死は、シトクロムc、アポトーシス誘導因子、SMAC/DIABLO(Second Mitochondria-derived Activator of Caspases/Direct IAP Binding Protein with Low PI)およびエンドヌクレアーゼGなどのアポトーシス促進性タンパク質の膜間腔から細胞質ゾル中への放出を可能にするミトコンドリア外膜(MOM)透過化によって開始され、カスパーゼおよびDNA断片化を介した細胞死カスケードの開始をもたらす
28~30

【0007】
死促進性(pro-death)BCL-2タンパク質であるBNIP3(BCL-2アデノウイルスE1B 19kDa相互作用タンパク質-3)およびBAX(BCL-2関連Xタンパク質)はMOM透過化を誘導し、MOM中へ転位してヘテロ二量体を形成することでミトコンドリアのアポトーシスを媒介する、代表的な媒介物質および下流エフェクターである
31~35
。さらに、BNIP3およびBAXはMIMの擾乱を制御し、それによってネクローシスの重要な活性化因子として機能する
5、36

【0008】
本発明は、BNIP3およびBAX相互作用活性の阻害剤を提供することによって、中心的な梗塞領域中の急性傷害およびすぐ近傍の領域中のその後の細胞死のいずれもを最適に改善することの必要性に対処し、ここで、心臓、脳、肝臓および腎臓における再灌流傷害、および他の適応症(ミトコンドリアの擾乱が、例えば、心不全、臓器移植、心停止または外科的および薬理学的介入に起因する細胞損傷および細胞死、ならびに脳卒中、がんおよびがん治療によって誘発される心臓損傷などを引き起こす)を処置するために、個々としてまたは3つの組としてBNIP3、BAXおよびミトコンドリア間での経路内および経路間コミュニケーションが妨げられる。。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、モノマーとしてならびにそれらのホモオリゴマーおよびヘテロオリゴマーとしてのBNIP3およびBAXに結合するペプチドを提供し、これは、BNIP3およびBAXの個々の活性およびオリゴマー活性を回避することにより幅広い連続的な活性を示す。心臓および脳組織ならびにヒト人工多能性幹細胞由来のヒト心室心筋細胞を再灌流傷害から保護することによって証明されるように、有効性は器官または種に制約されない。心筋梗塞サイズもブタにおいて著しく減少した。
【0010】
ペプチドはBNIP3のN末端部分に由来し、BNIP3のアミノ酸13~20からなる8アミノ酸区間が最も活性であることが証明された。このような短いペプチドがBNIP3およびBAX活性を阻害し、これらのタンパク質のホモオリゴマー化およびヘテロオリゴマー化の形成を遮断し、細胞内でのこれらのホモオリゴマーおよびヘテロオリゴマーの立体構造変化を誘導することができたことは非常に驚くべきことであった。ペプチド配列中のある特定の変異は、その有効性をさらに高めた。
(【0011】以降は省略されています)

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