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公開番号2025129916
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026893
出願日2024-02-26
発明の名称粘着剤組成物、粘着剤層及び車両保護フィルム
出願人日本カーバイド工業株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C09J 133/02 20060101AFI20250829BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】架橋反応を制御することで基材との密着性に優れる粘着剤層を形成できる粘着剤組成物、粘着剤層及び車両保護フィルムの提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位及びカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含み、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が全構成単位に対して0.5質量%~5.0質量%である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、比誘電率が1.8~2.5である有機溶剤(B)と、架橋剤(C)と、を含み、粘着剤組成物に含まれる全ての有機溶剤に占める有機溶剤(B)の割合が、10質量%~50質量%である粘着剤組成物及びその応用。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(a1)及びカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位(a2)を含み、前記構成単位(a2)の含有率が全構成単位に対して0.5質量%~5.0質量%である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、
比誘電率が1.8~2.5である有機溶剤(B)と、
架橋剤(C)と、
を含み、
粘着剤組成物に含まれる全ての有機溶剤に占める前記有機溶剤(B)の割合が、10質量%~50質量%である粘着剤組成物。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、アルキル部位の炭素数が1~2である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(a1-1)を全構成単位に対して40質量%~60質量%の割合で含む請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記架橋剤(C)の含有量が、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.2質量部~1.0質量部である請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記架橋剤(C)が、金属キレート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及びイソシアネート系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層。
【請求項6】
コーティング層と、
基材と、
請求項5に記載の粘着剤層と、
をこの順に備える車両保護フィルム。
【請求項7】
前記基材の材質が、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである請求項6に記載の車両保護フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、粘着剤組成物、粘着剤層及び車両保護フィルムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
車両保護フィルムは、車両の塗装面に傷、汚れ等が付かないように、外的要因から車両を守るための粘着フィルムである。このような粘着フィルムは、ペイントプロテクションフィルム(PPF)とも称され、近年、広く用いられている。
【0003】
車両保護フィルムは、車両に貼り付け、一定期間(例えば、5年)を経過した後に車両から剥離されるが、車両に貼り付けてから一定期間経過した車両保護フィルムは、車両から剥離する際に、粘着剤層が車両に転着(所謂、糊残り)する場合がある。このため、車両保護フィルムには、車両から簡単に剥離しないような高い粘着力に加えて、糊残りを生じさせずに車両から剥離できるリワーク性も求められる。
【0004】
被着体に対する良好な粘着力とリワーク性との両立を課題とした車両保護フィルム用粘着剤については、種々の報告がなされている。
例えば、特許文献1には、所定の構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が20万~180万である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、所定の構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が0.3万~1万である(メタ)アクリル系共重合体(B)と、金属キレート系架橋剤と、を含み、(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量及び金属キレート系架橋剤の含有量が、それぞれ(メタ)アクリル系共重合体(A)の含有量に対して所定の割合である車両保護フィルム用粘着剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7308166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、走行中の飛石等によって車両保護フィルムが簡単に破損しないように、基材の粘着剤層とは反対側の面にコーティング層が設けられた車両保護フィルムが増加しつつある。
一般に、粘着剤層は、粘着剤組成物の塗布乾燥により得られた粘着膜の養生を、基材と粘着膜とを貼り合わせた状態で、通常23℃という温和な条件下において行い、徐々に架橋反応を進行させることで形成される。このような方法によれば、粘着膜の基材へのぬれ性が確保された状態で架橋反応が進行するため、粘着剤層の基材への密着性は十分に得られる。しかし、車両保護フィルムが備えるコーティング層は、基材と粘着膜とを貼り合わせた状態で、基材の粘着膜とは反対側の面にコーティング層形成用組成物の塗布膜を形成した後、形成した塗布膜を100℃以上の高温で乾燥させることにより形成される場合がある。この場合、粘着剤組成物が塗布膜の乾燥工程により高温環境下に曝された後、さらに粘着膜がコーティング層形成用組成物の塗布膜の乾燥工程により高温環境下に曝されるため、粘着膜中での架橋反応が急速に進行することがある。このようなことが起こると、粘着膜の基材へのぬれ性が確保できない状態で架橋反応が進行するため、粘着剤層の基材への密着性が十分に得られず、糊残りが生じやすくなる。このため、粘着膜中で架橋反応を制御することが可能な粘着剤組成物の設計が求められる。
【0007】
特許文献1に開示された車両保護フィルム用粘着剤組成物は、ガラス転移温度が大きく異なる2種類の共重合体を併用しており、かつ、ガラス転移温度が高い低分子量の共重合体は、極性基である水酸基を有するアクリルモノマーに由来する構成単位を多く含んでいるので、高い凝集力を発現するものである。しかしながら、粘着剤組成物が塗布膜の乾燥工程により高温環境下に曝された後、さらに粘着膜がコーティング層形成用組成物の塗布膜の乾燥工程により高温環境下に曝されると、粘着膜に分散していた低分子量の共重合体は、凝集力の高さから再凝集したり、界面に移行したりする。そのため、粘着膜が常温に戻った際に、低分子量の共重合体が粘着膜の界面に偏在した状態となり、その結果、粘着剤層と基材との密着性が低下し、糊残りが生じやすくなる懸念がある。
【0008】
本開示は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、架橋反応を制御することで基材との密着性に優れる粘着剤層を形成できる粘着剤組成物を提供することにある。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、基材との密着性に優れる粘着剤層、及び上記粘着剤層を備える車両保護フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(a1)、及びカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位(a2)を含み、上記構成単位(a2)の含有率が全構成単位に対して0.5質量%~5.0質量%である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、比誘電率が1.8~2.5である有機溶剤(B)と、架橋剤(C)と、を含み、粘着剤組成物に含まれる全ての有機溶剤に占める上記有機溶剤(B)の割合が、10質量%~50質量%である粘着剤組成物。
<2> 上記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、アルキル部位の炭素数が1~2である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(a1-1)を全構成単位に対して40質量%~60質量%の割合で含む、<1>に記載の粘着剤組成物。
<3> 上記架橋剤(C)の含有量が、上記(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.2質量部~1.0質量部である<1>又は<2>に記載の粘着剤組成物。
<4> 上記架橋剤(C)が、金属キレート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及びイソシアネート系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む<1>~<3>のいずれか1つに記載の粘着剤組成物。
<5> <1>~<4>のいずれか1つに記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層。
<6> コーティング層と、基材と、<5>に記載の粘着剤層と、をこの順に備える車両保護フィルム。
<7> 上記基材の材質が、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである<6>に記載の車両保護フィルム。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、架橋反応を制御することで基材との密着性に優れる粘着剤層を形成できる粘着剤組成物が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、基材との密着性に優れる粘着剤層、及び上記粘着剤層を備える車両保護フィルムが提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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