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公開番号
2025130428
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-08
出願番号
2024027582
出願日
2024-02-27
発明の名称
マグネトロンスパッタリング装置
出願人
株式会社アルバック
代理人
弁理士法人青莪
主分類
C23C
14/34 20060101AFI20250901BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】磁石ユニットを内部に組み付けた筒状のターゲットを所定時間に亘ってスパッタリングする間、ターゲットの長手方向に沿った膜厚分布の変化を可及的に抑制することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】真空チャンバ内に配置される筒状のターゲットTgと、ターゲットの内方空間に配置されてターゲットと成膜対象物との間に磁場の垂直成分がゼロとなる位置を通る線がターゲットの母線に沿ってのびてレーストラック状に閉じるようにターゲット表面から漏洩する磁場を発生させる磁石ユニットと、ターゲットに電力投入するスパッタ電源Psと、ターゲットの長手方向両側に配置される防着板6とを備える。ターゲットの周囲を囲う筒状の導電性部材が、ターゲットの長手方向両側に夫々投影した防着板の内面に夫々突設される。導電性部材にターゲット電位より高い電位が印加される。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
真空雰囲気の真空チャンバ内で成膜対象物の表面に薄膜を成膜するためのマグネトロンスパッタリング装置であって、
真空チャンバ内に配置される筒状のターゲットと、ターゲットの内方空間に配置されてターゲットと成膜対象物との間に磁場の垂直成分がゼロとなる位置を通る線がターゲットの母線に沿ってのびてレーストラック状に閉じるようにターゲット表面から漏洩する磁場を発生させる磁石ユニットと、ターゲットに電力投入するスパッタ電源と、ターゲットの長手方向両側に配置される防着板とを備えるものにおいて、
ターゲットの周囲を囲う筒状または半筒状の導電性部材が、ターゲットの長手方向両側に夫々投影した防着板の内面に夫々突設され、導電性部材にターゲット電位より高い電位となるように構成したことを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
続きを表示(約 170 文字)
【請求項2】
請求項1記載のマグネトロンスパッタリング装置であって、前記スパッタ電源により前記ターゲットに負の電位を持つ直流電力を投入するものにおいて、
前記スパッタ電源からの一方の出力が前記ターゲットに接続され、他方の出力が前記防着板と電気的に絶縁された導電性部材に接続されることを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空雰囲気の真空チャンバ内で成膜対象物の表面に薄膜を成膜するためのマグネトロンスパッタリング装置に関し、より詳しくは、ターゲットとして筒状のものを用いるものに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
この種のマグネトロンスパッタリング装置として例えば特許文献1に記載のものが知られている。このものは、真空チャンバ内に配置される筒状のターゲットと、ターゲットの内方空間に配置される磁石ユニットと、ターゲットに電力投入するスパッタ電源とを備える。以下では、ターゲットの長手方向をX軸方向、長手方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交するターゲットからこれに対向配置される成膜対象物に向かう方向をZ軸方向とする。磁石ユニットとしては、X軸方向に沿って配置される中央磁石とこの中央磁石の周囲を囲う周辺磁石とをそのZ軸方向上側の極性をかえて有するものが用いられる。これにより、ターゲットと成膜対象物との間に磁場の垂直成分がゼロとなる位置を通る線がターゲットの母線に沿ってのびてレーストラック状に閉じるようにターゲット表面から漏洩する磁場が発生する。磁石ユニットは、中央磁石が成膜対象物を向く姿勢を基準姿勢として、通常、基準姿勢から所定の角度範囲内でX軸回りに回転駆動できるように構成される。真空チャンバ内にはまた、一般に、ターゲットの長手方向両端から間隔を存して、真空チャンバ内壁面などへの着膜を防止する防着板が設けられる。
【0003】
上記マグネトロンスパッタリング装置を用いて真空雰囲気の真空チャンバ内で成膜対象物の表面に薄膜を成膜する際には、真空チャンバ内にスパッタガスを導入し、ターゲットに例えば負の電位を持つ電力を投入すると、レーストラック状の線に沿ってプラズマが発生する。このとき、プラズマ中の電子は中央磁石と周辺磁石とのZ軸方向上側の極性に応じて時計周りまたは反時計回りに運動するが、レーストラックのコーナー部では電子密度が局所的に高くなり易い。そのため、ターゲットをスパッタリングしたときのX軸方向の侵食をみると、スパッタリング時間が長くなるのに従い、ターゲットの両端部での侵食量がその中央部と比較して多くなる(これに起因して、ターゲット表面での磁場強度も次第に高くなる)。結果として、X軸方向に沿う薄膜の膜厚分布を変化させてしまうという問題がある。
【0004】
ここで、本願発明者らの鋭意研究により次のことを知見するのに至った。即ち、ターゲットのY軸方向両側にターゲットと同等の長さを有する導電性の棒状部材を配置し、スパッタリング時には棒状部材をターゲット電位より高い電位(例えば、アース電位)とすることで、棒状部材をアノードとして機能させる。これにより、ターゲットの侵食に伴いその両端部におけるターゲット表面での磁場強度が局所的に高くなっても、X軸方向に沿う薄膜の膜厚分布の変化を抑制できることを知見するのに至った。然し、棒状部材をターゲットの外筒面にその全体に亘って対峙させたのでは、スパッタリング時に棒状部材の表面にもスパッタ粒子が直接付着し、これがパーティクルの発生源となって良好な成膜が阻害される虞がある。しかも、磁石ユニットが基準姿勢のときには、プラズマが棒状部材から遠く離れてしまい、アノードとしての機能が損なわれてプラズマが不安定になる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-237913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、筒状のターゲットを所定時間に亘ってスパッタリングする間、ターゲットの長手方向に沿った膜厚分布の変化を可及的に抑制することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、真空雰囲気の真空チャンバ内で成膜対象物の表面に薄膜を成膜するための本発明のマグネトロンスパッタリング装置は、真空チャンバ内に配置される筒状のターゲットと、ターゲットの内方空間に配置されてターゲットと成膜対象物との間に磁場の垂直成分がゼロとなる位置を通る線がターゲットの母線に沿ってのびてレーストラック状に閉じるようにターゲット表面から漏洩する磁場を発生させる磁石ユニットと、ターゲットに電力投入するスパッタ電源と、ターゲットの長手方向両側に配置される防着板とを備え、ターゲットの周囲を囲う筒状または半筒状の導電性部材が、ターゲットの長手方向両側に夫々投影した防着板の内面に夫々突設され、導電性部材にターゲット電位より高い電位が印加されるように構成したことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、レーストラック状の線に沿ってプラズマを発生させたときには、上記棒状部材と同様に、防着板から突設した導電性部材をアノードとして機能させることができる。仮にスパッタリング中、磁石ユニットを基準姿勢から所定の角度範囲内で回転駆動させる場合にそれに伴ってプラズマが変位しても、導電性部材が筒状または半筒状の輪郭を有することで、常時、略均等な距離に導電性部材を位置させることができる。その結果、ターゲットを所定時間に亘ってスパッタリングする間、ターゲットの侵食に伴いその両端部におけるターゲット表面での磁場強度が局所的に高くなっても、X軸方向に沿う薄膜の膜厚分布の変化を可及的に抑制することができ、その上、プラズマの安定性も向上できる。しかも、ターゲットの長手方向両側に夫々投影した防着板の内面に導電性部材が配置されているため、上記棒状部材と比較して導電性部材へのスパッタ粒子の付着量を少なくでき、パーティクルの発生を大幅に低減することができる。本発明にいう「筒状または半筒状」はその輪郭が円形に限られるものではなく、矩形、楕円または長円であってもよい。
【0009】
本発明のマグネトロンスパッタリング装置において、スパッタ電源によりターゲットに負の電位を持つ直流電力を投入する場合には、前記スパッタ電源からの一方の出力を前記ターゲットに接続し、他方の出力が防着板と電気的に絶縁された導電性部材に接続しておけば、ターゲット電位より高い電位が印加される構成を簡単に実現でき、有利である。なお、直流電力の投入には、パルス状に電力投入するものも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態のマグネトロンスパッタリング装置を模式的に示す斜視図。
ターゲットの断面図。
ターゲットを一部省略して示す拡大平面図。
防着板への導電性部材の立設を説明する拡大断面図。
従来例に係るターゲットを一部省略して示す拡大平面図。
(a)乃至(c)は、本発明の効果を確認する実験結果のグラフ。
変形例に係る防着板への導電性部材の立設を説明する拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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