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公開番号2025130829
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028150
出願日2024-02-28
発明の名称歯車対
出願人株式会社ジェイテクト
代理人弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250902BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】低コストでトロコイド干渉に起因する損傷を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】歯車対1は、互いに噛み合う駆動歯車2および被動歯車4を有する。駆動歯車2および被動歯車4は、それぞれ、表面に表面硬化層を有する。駆動歯車2の表面硬化層の表面硬さは、700HV以上、780HV以下である。駆動歯車2の表面硬化層の表面の炭素濃度は、0.80~0.99質量%である。駆動歯車2の表面硬化層の表面の残留オーステナイト量は、25体積%以上40体積%以下である。被動歯車4の表面硬化層の表面硬さは、720HV以上800HV以下である。被動歯車4の表面硬化層の表面の炭素濃度は、0.60~0.74質量%である。被動歯車4の表面硬化層の表面の残留オーステナイト量は、5体積%以上19体積%以下である。前記表面硬化層は、浸炭層および浸炭窒化層のいずれかである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
互いに噛み合う駆動歯車および被動歯車を有する歯車対であって、
前記駆動歯車の素材の組成、および、前記被動歯車の素材の組成は、
Cが、0.12質量%以上、0.23質量%以下、
Siが、0.15質量%以上0.35質量%以下、
Mnが、0.4質量%以上1.0質量%以下、
Crが、0.4質量%以上1.2質量%以下、
Moが、含まれないか、または、0.15質量%以上0.30質量%以下、
Niが、含まれないか、または、0.4質量%以上2.0質量%以下、
残りが、不可避不純物およびFeであり、
前記駆動歯車および前記被動歯車は、それぞれ、表面に表面硬化層を有し、
前記駆動歯車の前記表面硬化層の表面硬さは、700HV以上、780HV以下であり、
前記駆動歯車の前記表面硬化層の表面の炭素濃度は、0.80質量%以上、0.99質量%以下であり、
前記駆動歯車の前記表面硬化層の表面の残留オーステナイト量は、25体積%以上、40体積%以下であり、
前記被動歯車の前記表面硬化層の表面硬さは、720HV以上800HV以下であり、
前記被動歯車の前記表面硬化層の表面の炭素濃度は、0.60質量%以上、0.74質量%以下であり、
前記被動歯車の前記表面硬化層の表面の残留オーステナイト量は、5体積%以上、19体積%以下であり、
前記表面硬化層は、浸炭層および浸炭窒化層のいずれかである
歯車対。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記駆動歯車の素材の鋼種と、前記被動歯車の素材の鋼種と、は、同一である
請求項1に記載の歯車対。
【請求項3】
前記駆動歯車は、
外周に歯部を有する歯車本体と、
前記歯車本体を回転自在に支持する転がり軸受用の軸受軌道と、を有する
請求項1または請求項2に記載の歯車対。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、歯車対に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に、歯車の歯先エッジ部を歯元歯面よりも軟化させることで、歯車対においてトロコイド干渉が生じたとしても、歯先エッジ部および歯面の損傷を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、歯車に対して通常の熱処理を行った後、歯先エッジ部のみを再加熱して局所的に焼戻す方法であり、この方法によって、歯先エッジ部を軟化させた歯車が得られる。
【0003】
トロコイド干渉に起因する損傷の防止策として、歯車の歯面に対して3次元歯面修整を施すことで、歯面のうちのトロコイド干渉が生じる位置の局所的な面圧を低下させることも考えられる。
【0004】
下記特許文献2に、歯車の軸の外周に、歯車の軸を中心軸とする転がり軸受の内輪軌道を設けた歯車が開示されている。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/024418
特開2004-019823公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1による方法は、歯車に対して通常の熱処理を行った後、さらに歯先エッジ部のみを熱処理する方法であり、工数増加によりコストが増加する。
また、歯車の歯面に対して3次元歯面修整を施す方法においても、3次元歯面修整を行うための加工機が必要となること、および、歯面修整を行うための工数増加によりコスト増の懸念がある。
【0007】
そこで、本開示は、低コストでトロコイド干渉に起因する損傷を抑制することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態である歯車対は、互いに噛み合う駆動歯車および被動歯車を有する歯車対である。前記駆動歯車の素材の組成、および、前記被動歯車の素材の組成は、Cが、0.12質量%以上、0.23質量%以下、Siが、0.15質量%以上0.35質量%以下、Mnが、0.4質量%以上1.0質量%以下、Crが、0.4質量%以上1.2質量%以下、Moが、含まれないか、または、0.15質量%以上0.30質量%以下、Niが、含まれないか、または、0.4質量%以上2.0質量%以下、残りが、不可避不純物およびFeである。前記駆動歯車および前記被動歯車は、それぞれ、表面に表面硬化層を有する。前記駆動歯車の前記表面硬化層の表面硬さは、700HV以上、780HV以下である。前記駆動歯車の前記表面硬化層の表面の炭素濃度は、0.80質量%以上、0.99質量%以下である。前記駆動歯車の前記表面硬化層の表面の残留オーステナイト量は、25体積%以上40体積%以下である。前記被動歯車の前記表面硬化層の表面硬さは、720HV以上800HV以下である。前記被動歯車の前記表面硬化層の表面の炭素濃度は、0.60質量%以上、0.74質量%以下である。前記被動歯車の前記表面硬化層の表面の残留オーステナイト量は、5体積%以上19体積%以下である。前記表面硬化層は、浸炭層および浸炭窒化層のいずれかである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、低コストでトロコイド干渉に起因する損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態に係る歯車対の一例を示す要部断面図である。
図2は、歯車対の要部拡大図である。
図3は、ローラピッチング試験を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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