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公開番号2025132417
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029962
出願日2024-02-29
発明の名称両性共重合体を含有するタンパク質吸着抑制材料
出願人日東紡績株式会社,国立大学法人富山大学
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類C08F 226/02 20060101AFI20250903BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】タンパク質吸着抑制性能に優れ、使用条件、形態の自由度が高く各種の素材やその表面にタンパク質吸着抑制性能を付与可能であるとともに、設計上の自由度が高くタンパク質吸着抑制性能を所望の程度に制御可能なタンパク質吸着抑制材料を提供する。
【解決手段】構造中にアミノ基を含むカチオン性構成単位(1)と、アニオン性構成単位(2)とを有する両性共重合体(I)を含有するタンパク質吸着抑制材料であって、
前記カチオン性構成単位(1)の少なくとも一部がアリルアミン系単量体若しくはジアリルアミン系単量体から導かれる構造、又はその無機酸塩若しくは有機酸塩である構造を有する構成単位(i)であり、前記アニオン性構成単位(2)の少なくとも一部が、スルホン酸基を有する単量体又はその塩から導かれる構造を有する構成単位(ii)である、上記タンパク質吸着抑制材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
構造中にアミノ基を含むカチオン性構成単位(1)と、アニオン性構成単位(2)とを有する両性共重合体(I)を含有するタンパク質吸着抑制材料であって、
前記カチオン性構成単位(1)の少なくとも一部がアリルアミン系単量体若しくはジアリルアミン系単量体から導かれる構造、又はその無機酸塩若しくは有機酸塩である構造を有する構成単位(i)であり、前記アニオン性構成単位(2)の少なくとも一部が、スルホン酸基を有する単量体又はその塩から導かれる構造を有する構成単位(ii)である、上記タンパク質吸着抑制材料。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記両性共重合体(I)におけるカチオン性構成単位(1)とアニオン性構成単位(2)との割合(モル比)が、4:1から1:4である、請求項1に記載のタンパク質吸着抑制材料。
【請求項3】
前記構成単位(i)の少なくとも一部が第2級アミノ基、第3級アミノ基、及び第4級アミノ基からなる群より選択される少なくとも1のアミノ基を有するアリルアミン系単量体若しくはジアリルアミン系単量体から導かれる構造、又はその無機酸塩若しくは有機酸塩である構造を有する構成単位である、請求項1又は2に記載のタンパク質吸着抑制材料。
【請求項4】
前記構成単位(i)の少なくとも一部がアリルアミン系単量体又はジアリルアミン系単量体から導かれる構造の無機酸塩又は有機酸塩である構造を有する、請求項1又は2に記載のタンパク質吸着抑制材料。
【請求項5】
前記構成単位(ii)の少なくとも一部が、アリルスルホン酸若しくはアクリルアミドスルホン酸又はその塩から導かれる構造を有する構成単位である、請求項1又は2に記載のタンパク質吸着抑制材料。
【請求項6】
前記構成単位(ii)の少なくとも一部が、アクリルアミドアルキルスルホン酸から導かれる構造を有する構成単位である、請求項5に記載のタンパク質吸着抑制材料。
【請求項7】
等電点が4~12のタンパク質の吸着防止に用いられる、請求項1又は2に記載のタンパク質吸着抑制材料。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のタンパク質吸着抑制材料を用いる、生体成分吸着抑制材料、医療器具用表面保護剤、又は透明材料用防汚コーティング剤。
【請求項9】
窓ガラス又はタッチパネルである透明材料に用いる、請求項8に記載の透明材料用防汚コーティング剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質吸着抑制材料に関し、より具体的には、特定の両性共重合体を含有することにより、高いタンパク質吸着抑制性能等の優れた特性を実現可能なタンパク質吸着抑制材料に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
医療機器、生命科学、分析機器等の各種技術、産業分野においては、生体液、細胞、ウイルス等のタンパク質を含有する物質を取り扱うことが多く、その際にそれらタンパク質を含有する物質と接する部材がタンパク質を吸着することにより、汚染、変質、分析精度低下等の問題を生ずる場合がある。このため、タンパク質の吸着を有効に抑制し得る材料が検討されている。
【0003】
例えば特許文献1においては、表面がカチオン性高分子電解質とアニオン性高分子電解質とを反応させることによって得られる高分子電解質錯体により形成されていることを特徴とする、生体液成分吸着抑制材料が提案されている。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の高分子電解質錯体は、カチオン性高分子電解質とアニオン性高分子電解質とをそれぞれ別個に合成した上で両者を混合させる必要があるため、合成時に煩雑な工程を有する。また、それぞれの高分子が強固な共有結合を介して結合しているわけではないため、pHや電荷バランスによって構造が一部変更されてしまうことなどにより性能が大きく変動しうるため、使用条件、形態が制限されるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平6-261936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術に鑑み、本発明の目的は、タンパク質吸着抑制性能に優れ、使用条件、形態の自由度が高く各種の素材やその表面にタンパク質吸着抑制性能を付与可能であるとともに、設計上の自由度が高くタンパク質吸着抑制性能を所望の程度に制御可能なタンパク質吸着抑制材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の構造を有する両性共重合体をタンパク質吸着抑制材料使用することにより、優れたタンパク質吸着抑制性能、高い使用条件、形態上の自由度、高い設計上の自由度等が実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]
構造中にアミノ基を含むカチオン性構成単位(1)と、アニオン性構成単位(2)とを有する両性共重合体を含有するタンパク質吸着抑制材料であって、
前記カチオン性構成単位(1)の少なくとも一部がアリルアミン系単量体若しくはジアリルアミン系単量体から導かれる構造、又はその無機酸塩若しくは有機酸塩である構造を有する構成単位(i)であり、前記アニオン性構成単位(2)の少なくとも一部が、スルホン酸基を有する単量体又はその塩から導かれる構造を有する構成単位(ii)である、上記タンパク質吸着抑制材料、に関する。
【0008】
以下、[2]から[9]は、いずれも本発明の好ましい一態様又は一実施形態である。
[2]
前記両性共重合体(I)におけるカチオン性構成単位(1)とアニオン性構成単位(2)との割合(モル比)が、4:1から1:4である、[1]に記載のタンパク質吸着抑制材料。
[3]
前記構成単位(i)の少なくとも一部が第2級アミノ基、第3級アミノ基、及び第4級アミノ基からなる群より選択される少なくとも1のアミノ基を有するアリルアミン系単量体若しくはジアリルアミン系単量体から導かれる構造、又はその無機酸塩若しくは有機酸塩である構造を有する構成単位である、[1]又は[2]に記載のタンパク質吸着抑制材料。
[4]
前記構成単位(i)の少なくとも一部がアリルアミン系単量体又はジアリルアミン系単量体から導かれる構造の無機酸塩又は有機酸塩である構造を有する、[1]から[3]の少なくとも一項に記載のタンパク質吸着抑制材料。
[5]
前記構成単位(ii)の少なくとも一部が、アリルスルホン酸若しくはアクリルアミドスルホン酸又はその塩から導かれる構造を有する構成単位である、[1]から[4]のいずれか一項に記載のタンパク質吸着抑制材料
[6]
前記構成単位(ii)の少なくとも一部が、アクリルアミドアルキルスルホン酸から導かれる構造を有する構成単位である、[5]に記載のタンパク質吸着抑制材料。
[7]
等電点が4~12のタンパク質の吸着防止に用いられる、[1]から[6]のいずれか一項に記載のタンパク質吸着抑制材料。
[8]
[1]から[6]のいずれか一項に記載のタンパク質吸着抑制材料を用いる、生体成分吸着抑制材料、医療器具用表面保護剤、又は透明材料用防汚コーティング剤。
[9]
窓ガラス又はタッチパネルである透明材料に用いる、[8]に記載の透明材料用防汚コーティング剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タンパク質吸着抑制性能に優れ、使用条件、形態の自由度が高く各種の素材やその表面にタンパク質吸着抑制性能を付与可能であるとともに、設計上の自由度が高くタンパク質吸着抑制性能を所望の程度に制御可能な、実用上高い価値を有する優れた特性を有するタンパク質吸着抑制材料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のタンパク質吸着抑制材料は、それぞれ特定の構造を有するカチオン性構成単位(1)と、アニオン性構成単位(2)とを有する両性共重合体(以下、「両性共重合体(I)」とも呼ぶ。)を含有する。
両性共重合体(I)において、カチオン性構成単位(1)はその構造中にアミノ基を有する構成単位である。両性共重合体(I)におけるカチオン性構成単位(1)の少なくとも一部は、アリルアミン系単量体若しくはジアリルアミン系単量体から導かれる構造、又はその無機酸塩若しくは有機酸塩である構造を有する構成単位(i)である。
両性共重合体(I)において、アニオン性構成単位(2)の少なくとも一部は、スルホン酸基を有する単量体又はその塩から導かれる構造を有する構成単位(ii)である。
両性共重合体(I)を含有することで、本発明のタンパク質吸着抑制材料は、高いタンパク質吸着抑制性能等の優れた技術的効果を実現することができる。
本発明のタンパク質吸着抑制材料は、両性共重合体(I)を1種類のみ含有していてもよく、2種類以上の組み合わせを含有していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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