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公開番号2025134636
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2025015816
出願日2025-02-03
発明の名称運転者の疲労推定システムおよび運転者の疲労推定方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類A61B 5/18 20060101AFI20250909BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】プライバシー侵害の恐れがなく、運転時に邪魔にならず安全に測定可能であり、高い精度で疲労状態を推定することができる運転者の疲労推定システムおよび運転者の疲労推定方法を提供する。
【解決手段】座圧計測手段11が、車両の運転席に着座した運転者の、左右の坐骨が運転席の座面を押す座圧分布を計測するよう設けられている。推定手段12が、座圧計測手段11により計測された座圧分布に対して、トポロジカルデータ解析、座圧分布から求めた重心座標の時系列解析、および、重心座標の時間周波数解析を行い、それらの解析結果に基づいて、運転者の疲労状態を推定するよう設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
車両の運転席に着座した運転者の、左右の坐骨が運転席の座面を押す座圧分布を計測する座圧計測手段と、
前記座圧計測手段により計測された前記座圧分布に対して、トポロジカルデータ解析、前記座圧分布から求めた重心座標の時系列解析、および、前記重心座標の時間周波数解析を行い、それらの解析結果に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定する推定手段とを、
有することを特徴とする運転者の疲労推定システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記推定手段は、前記トポロジカルデータ解析により、各時間での座圧分布から単体複体を構成し、その単体複体の1次ホモロジーの穴の数を求め、求められた前記穴の数に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定することを特徴とする請求項1記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項3】
前記推定手段は、前記穴の数が1つのとき、前記運転者の疲労状態として、疲労ありと推定することを特徴とする請求項2記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項4】
前記推定手段は、前記時系列解析により、所定の時間範囲での各時間の前記重心座標を平面座標にプロットしたときの分布範囲を楕円で近似し、前記楕円の形状に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定することを特徴とする請求項1記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項5】
前記推定手段は、前記時系列解析により、所定の時間範囲での各時間の前記重心座標を平面座標にプロットしたときの分布範囲に対して円形度を求め、その円形度に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定することを特徴とする請求項1記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項6】
前記推定手段は、前記時間周波数解析により、所定の時間範囲での各時間の前記重心座標の座圧データに対して、短時間フーリエ変換(STFT)または離散ウェーブレット変換(DWT)を行い、その変換結果に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定することを特徴とする請求項1記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項7】
前記推定手段は、前記解析結果の時間変化に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定することを特徴とする請求項1記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項8】
前記推定手段で疲労ありと推定されたとき、その推定結果を前記運転手に対して出力する出力手段を有していることを特徴とする請求項1記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項9】
前記推定手段は、まず前記トポロジカルデータ解析を行い、そのトポロジカルデータ解析により疲労ありと推定されない場合に前記時系列解析を行い、その時系列解析により疲労ありと推定されない場合に前記時間周波数解析を行うことにより、前記運転者の疲労状態の推定を行い、その前記運転者の疲労状態の推定を所定の時間間隔で繰り返し行うよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の運転者の疲労推定システム。
【請求項10】
車両の運転席に着座した運転者の、左右の坐骨が運転席の座面を押す座圧分布を計測する座圧計測ステップと、
計測された前記座圧分布に対して、トポロジカルデータ解析(TDA)、前記座圧分布から求めた重心座標の時系列解析、および、前記重心座標の時間周波数解析を行い、それらの解析結果に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定する推定ステップとを
有することを特徴とする運転者の疲労推定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の疲労推定システムおよび運転者の疲労推定方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車事故の一因として、運転者の疲労が影響することが明らかになっており、安全運転の観点から、運転者の早期の疲労検出が重要である。運転時の疲労は、運転能力や反応速度の低下を招き、内在的前方不注意(漫然運転)を生じやすくなり、事故発生率の増加などに繋がるため、非常に危険である。
【0003】
従来、運転手の疲労を客観的に推定する方法として、例えば、運転中の運転者の顔を撮影し、画像解析により、運転者の目の閉鎖(瞬き)とあくびとを検出することにより、疲労を推定する方法(例えば、特許文献1、2、または非特許文献1参照)や、脈拍計または心電計を用いて運転者の加速度脈波データを測定し、その脈波データの周波数領域の低周波数成分(LF値)と高周波成分(HF値)との比(LF/HF値)に基づいて、疲労を推定する方法(例えば、特許文献3または4参照)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2016-524939号公報
特開2021-034035号公報
特許第5491749号公報
特開2017-063966号公報
【非特許文献】
【0005】
”Microsoft researchers use visual AI to make India’s roads safer”、[online]、7 November, 2017、[令和6年2月21日検索]、インターネット〈URL: https://news.microsoft.com/en-in/features/microsoft-hams-maruti-idtr-visual-ai-india-roads-driving/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2および非特許文献1等に記載の画像解析を利用した疲労推定方法では、運転席の明るさや、運転者に当たる光の強弱などの影響により、瞬きやあくびの検出精度が変化し、疲労の推定精度が低下してしまうという課題があった。また、運転者の顔を撮影するため、プライバシーを侵害する恐れがあり、採用しにくいという課題もあった。
【0007】
また、特許文献3および4等に記載の、心拍などの自律神経に関する変動を測定して疲労を推定するものでは、運転中の運転者の心拍などを測定するため、体動ノイズの影響が大きくなってSN比が低下し、疲労の推定精度が低下してしまうという課題があった。また、運転者にセンサや測定装置を取り付ける必要があるため、運転の邪魔になり、かえって危険であるという課題もあった。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、プライバシー侵害の恐れがなく、運転時に邪魔にならず安全に測定可能であり、高い精度で疲労状態を推定することができる運転者の疲労推定システムおよび運転者の疲労推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
座席に座ったとき、疲労のない状態では、人間は左右の坐骨で均等に座面を押すことができるが、疲労が溜まると、生体の重心バランスを維持することが困難になるため、左右どちらかの坐骨に重心がかかり、骨盤の歪みが生じて身体の重心点が遷移する。本発明者等は、このような知見に基づき、左右の坐骨のバランスをリアルタイムにモニタリングすることにより、着座に伴う疲労を推定可能であること見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る運転者の疲労推定システムは、車両の運転席に着座した運転者の、左右の坐骨が運転席の座面を押す座圧分布を計測する座圧計測手段と、前記座圧計測手段により計測された前記座圧分布に対して、トポロジカルデータ解析、前記座圧分布から求めた重心座標の時系列解析、および、前記重心座標の時間周波数解析を行い、それらの解析結果に基づいて、前記運転者の疲労状態を推定する推定手段とを、有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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