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公開番号2025137042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024036020
出願日2024-03-08
発明の名称油吸着材用不織布
出願人ユニチカトレーディング株式会社
代理人
主分類D04H 1/4382 20120101AFI20250911BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】繊維の脱落や飛散を抑えた油吸着材用不織布であって、吸油性能に優れることに加えて、吸着した油を保持する性能にも優れ、環境への負荷も少ない油吸着材用不織布を提供する。
【解決手段】カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であって、ポリ乳酸繊維は単糸繊度が3~20dtexであり、不織布の全質量を100質量%とするとき、カポック繊維と綿繊維の合計含有量が15~30質量%、かつポリ乳酸繊維の含有量が70~85質量%である油吸着材用不織布。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であって、
ポリ乳酸繊維は単糸繊度が3~20dtexであり、
不織布の全質量を100質量%とするとき、カポック繊維と綿繊維の合計含有量が15~30質量%、かつポリ乳酸繊維の含有量が70~85質量%である油吸着材用不織布。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
下記式で算出した油吸着量の倍率が18倍以上、かつ油保持率が84%以上である、請求項1に記載の油吸着材用不織布。
油吸着量の倍率=(w2-w1)/w1
油保持率(%)=(w3/w2)×100
(w1:油吸着前の不織布重量、w2:油吸着後5分間放置した後の不織布重量、w3:油吸着後65分間放置した後の不織布重量)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む油吸着材用不織布に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
海上での船舶事故、又は工場での油漏れなどで流出した油分を吸収するための不織布が知られている。また、飲食店の調理場又は業務用厨房においては、排水に含まれる油脂(グリース)を分離除去するためのグリース阻集器(グリーストラップ)の設置が義務付けられており、こうしたグリーストラップにおける油分を回収するための不織布が知られている。
【0003】
従来からこれらの不織布の構成についてはカポック繊維を用いたものが検討されている。ここで、特許文献1にはカポック繊維について、ボンバセアエ(Bombaceae)科に属する植物の種子繊維であり、セルロースを主体とする天然繊維でありながら、そのもの自体に撥水性を有すること、また、カポック繊維自身が一つの細胞を構成し、細胞壁は薄いがルーメンは厚く、その中に気泡を有しているため比重が極めて小さいものであり、自重の20~40倍まで水に浮上する性質があること、また、繊維1gに対して約50倍程度の高い吸油性能を備えることが記載されている。
【0004】
また、カポック繊維と綿繊維やポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などが混用されたものも様々に検討されている。例えば、特許文献2には、カポック繊維と熱可塑性高分子繊維とが混繊された複合不織布を用いることで、カポック繊維のみを使用した場合よりもカポック繊維の脱落や飛散を抑えることが可能となり、形態安定性および流水分離性能に優れた流水分離フィルター用濾材を得られることが記載されている。また、特許文献3には、カポック繊維および木綿繊維がポリプロピレンまたはポリエステルからなる熱融着繊維により接着、固定されているシート状油吸着材が開示されており、木綿繊維を用いることで原料コストを抑えられ、また繊維同士の絡み合いが良好となり、ポリプロピレンまたはポリエステルからなる熱融着繊維により接着、固定することでカポック繊維の飛散を防ぎ、吸油性と加工性に優れたシート状油吸着材とできることが記載されている。
【0005】
一方、近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な社会問題となっている状況下、汎用の非生分解性合成繊維の繊維屑がマイクロプラスチックの発生源の内の一つとして問題視されている。したがって、環境保全の観点から、油吸着材として非生分解性合成繊維を含まないものが望まれている。そのような油吸着材として、特許文献4には、セルロース繊維の反毛綿をニードルパンチングして所定厚みの不織布とし、これを所定濃度の撥水加工剤溶液に浸漬することでシート状の油吸着材とすることが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献3のシート状油吸着材は熱融着繊維が化石燃料資源由来の原料とした繊維であるため、環境保全の観点から不十分であり、また吸着した油を保持する性能も十分なものではなかった。また、特許文献4の油吸着材はニードルパンチングによってシートを形成するもので、強度と浮力を確保するために単糸長の長い特殊な超長綿繊維綿や綿繊維以外の単糸長の長いセルロース繊維(例えばレーヨン繊維)を使用したり、また、単糸長の短い綿繊維を用いる場合には、綿繊維をニードルパンチしてシート状不織布を得た後、さらにセルロース不織布をニードルパンチによって上下に積層させる必要があるなど、製造工程が複雑となりコスト的に不利なものであった。また、カポック繊維とセルロース繊維のみを使用しているため、油の吸着性能や保持する性能が不十分なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭52-138081号公報
韓国公開特許第10-2015-0092506号公報
特開平4-161289号公報
特開2022-74353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、カポック繊維の脱落や飛散を抑えた油吸着材用不織布であって、吸油性能に優れることに加えて、吸着した油を保持する性能にも優れ、環境への負荷も少ない油吸着材用不織布を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明は、次の(イ)~(ロ)を要旨とするものである。
(イ)カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であって、ポリ乳酸繊維は単糸繊度が3~20dtexであり、不織布の全質量を100質量%とするとき、カポック繊維と綿繊維の合計含有量が15~30質量%、かつポリ乳酸繊維の含有量が70~85質量%であある油吸着材用不織布。
(ロ)下記式で算出した油吸着量の倍率が18倍以上、かつ油保持率が84%以上である、(イ)に記載の油吸着材用不織布。
油吸着量の倍率=(w2-w1)/w1
油保持率(%)=(w3/w2)×100
(w1:油吸着前の不織布重量、w2:油吸着後5分間放置した後の不織布重量、w3:油吸着後65分間放置した後の不織布重量)
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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