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公開番号2025136611
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035306
出願日2024-03-07
発明の名称編地及び衣類
出願人日本毛織株式会社
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類D04B 1/00 20060101AFI20250911BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】冬季スポーツ用衣類に好適な保温性及び吸水拡散性の高い編地及び衣類を提供する。
【解決手段】表面層2がポリエステルマルチフィラメント糸で構成され、裏面(肌側面)層3が獣毛とポリエステル短繊維を含む紡績糸で構成される多層構造編地1であり、多層構造編地1は吸水拡散加工されており、裏面(肌側面)層3は起毛されている。肌4から出た汗5a,5bは裏面(肌側面)層3の起毛層3bにより編地1の厚さ方向に吸収され、編地基材層3aを通過し、表面層2に移り、平面方向に拡散する。表面層2には外気6が当たるので、汗5a,5bは素早く乾く。前記前記多層構造編地は、好ましくは、両面編み編地、ダブルニット編地、又は接結2重構造編地である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面層がポリエステルマルチフィラメント糸で構成され、裏面(肌側面)層が獣毛とポリエステル短繊維を含む紡績糸で構成される多層構造編地であって、
前記多層構造編地は吸水拡散加工されており、
前記裏面(肌側面)層は起毛されていることを特徴とする多層構造編地。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記多層構造編地は、両面編み編地、ダブルニット編地、又は接結2重構造編地である請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項3】
前記裏面(肌側面)層の起毛長さは、0.05~1mmである請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項4】
前記紡績糸は、獣毛とポリエステル短繊維を含む混紡紡績糸、芯鞘状紡績糸、又は長短複合紡績糸である請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項5】
前記多層構造編地は、編地全体を100質量%としたとき、獣毛繊維の混率が20~70質量%である請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項6】
前記多層構造編地は、単位面積当たりの質量が300g/m
2
以下である請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項7】
前記多層構造編地の破裂強度はJIS L1096 A法(ミューレン形法)で300kPa以上である請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項8】
前記吸水拡散加工は、吸水性ポリエステル系樹脂による加工である請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項9】
前記多層構造編地は、裏面(肌側面)の起毛に対して水滴を落とした場合に、前記多層構造編地の表面における吸収拡散直径が、前記多層構造編地の裏面における吸収拡散直径の2倍以上である、請求項1に記載の多層構造編地。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の多層構造編地を含む衣類。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、獣毛繊維を含む編地及び衣類に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ウール繊維を代表とする獣毛繊維を含む編地を用いたTシャツ、長そでシャツなどの衣類は、高い保温性、吸放湿出性、汗冷えしないなどの優れた特性を持ち、登山、トレイルラン、スキー、ゴルフなどのスポーツや冬の快適衣料として好まれている。しかし、ウール繊維はポリエステル等の合繊繊維と比較すると強力が劣るため、ウール繊維100%では軽量で薄手の編地は実用的な強力を満たすことが出来なかった。糸の強力を増す手段としてはウールとポリエステル短繊維との混紡糸とする方法があるが、ピリング性能に難があり、毛玉が出来やすかった。従来技術として、本出願人は合成繊維マルチフィラメント糸を特定の位置に配置した長短複合紡績糸を提案し(特許文献1)、また、吸水性とべたつき抑制を同時に達成する技術として、肌側となる内層と、外気側となる外層と、前記内層と外層を繋ぐ接結糸を含む両面編地であり、前記内層を疎水性とし、外層を親水性とした多層構造編地を提案した(特許文献2)。吸水性を有する編物の片面から撥水性を有する樹脂を部分的に固着させた部分吸水編物も提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-105395号公報
特開2017-155374号公報
特開2013-133572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1~3の編地は、例えば、冬季スポーツ用衣類に使用する場合はさらに高い保温性及び吸水拡散性が求められる。
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、冬季スポーツ用衣類等に好適な保温性及び吸水拡散性の高い編地及び衣類を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一態様において、表面層がポリエステルマルチフィラメント糸で構成され、裏面(肌側面)層が獣毛とポリエステル短繊維を含む紡績糸で構成される多層構造編地であって、前記多層構造編地は吸水拡散加工がされており、前記裏面(肌側面)層は起毛されている多層構造編地に関する。
【0007】
本発明は、一態様において、本発明の多層構造編地を含む衣類に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の多層構造編地は、表面層がポリエステルマルチフィラメント糸で構成され、裏面(肌側面)層が獣毛とポリエステル短繊維を含む紡績糸で構成され、前記多層構造編地は吸水拡散加工さがれており、前記裏面(肌側面)層は起毛されていることにより、冬季スポーツ用衣類に好適な保温性及び吸水拡散性の高い編地及び衣類を提供できる。すなわち、吸水拡散加工と裏面(肌側面)起毛とを組み合わせることによって、裏面(肌側面)から表面層側への吸水拡散性が高いので、汗を吸っても濡れ感が残りづらい。また、厚さのわりに軽量で暖かく、獣毛とポリエステル短繊維を含む紡績糸の起毛により、サラサラとした手触りと柔らかな獣毛素材の特徴とを兼ね備えており、編地の厚みが増しているので、編地内に空気が含まれることによって保温性が高まり、ふんわりとした着心地の良い衣類となる。これは汗をかく冬季スポーツ用衣類に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は本発明の一実施形態の多層構造編地の模式的断面図である。
図2は本発明の一実施形態の多層構造編地の裏面(肌側面)から表面への吸水拡散性を示す模式的概念図である。
図3は本発明の一実施形態の多層構造編地の裏面(肌側面)に水滴を落としたときの水の表面への吸水拡散性を示す模式的概念図である。
図4は本発明の一実施形態の編地の多層構造組織を示す模式的平面図である。
図5Aは本発明の一実施形態のTシャツの正面図、図5Bは同背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、表面層がポリエステルマルチフィラメント糸で構成され、裏面(肌側面)層が獣毛とポリエステル短繊維を含む紡績糸で構成される多層構造編地である。この編地は吸水拡散加工されており、裏面(肌側面)層の表面層側の面の反対面は起毛されている。これにより、起毛したポリエステル短繊維の方向(編地の厚さ方向)に汗などの液体の水は伝わりやすい。表面層は、ポリエステルマルチフィラメント糸で構成されており、吸水拡散加工されていることにより、汗などの液体の水は表面層の平面方向に拡散され、かつポリエステル糸は疎水性繊維であることから平面方向に拡散された液体は外気と接触して乾きやすい。また、裏面(肌側面)層の獣毛も起毛しているので、サラサラとした手触りと柔らかな獣毛素材の特徴とを兼ね備えており、編地の厚みが増し、編地内に空気が含まれることによって保温性が高まり、ふんわりとした着心地の良い衣類となる。獣毛は吸湿性・放湿性がともに優れており、気体の汗を適切に吸放湿し、むれ感もない。一方、獣毛は液体状の水は吸収しにくいが、編地には吸水拡散加工がされており、吸水拡散加工されたポリエステル繊維により裏面(肌側面)層から表面層への液体の吸水拡散性が高いので、編地が汗を吸っても濡れ感が残らず、軽量で暖かく、冬季スポーツ用衣類に好適である。以下、「表面層」の裏面層側の面の反対面は「表面」と呼び、「裏面層」の表面層側の面の反対面は「裏面」と呼ぶ。
(【0011】以降は省略されています)

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