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公開番号2025143139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042910
出願日2024-03-18
発明の名称吸収性物品用不織布
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類D04H 1/732 20120101AFI20250924BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】柔らかさと滑らかさとを両立させながら、意匠性の高い吸収性物品用不織布を提供する。
【解決手段】厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有し、前記第1繊維層の厚みH1に対する前記隆起部の厚みH2の比(H2/H1)が、0.6以上1以下である、吸収性物品用不織布。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、
前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、
前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、
前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有し、
前記第1繊維層の厚みH1に対する前記隆起部の厚みH2の比(H2/H1)が、0.6以上1以下である、
吸収性物品用不織布。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記第1繊維層における前記壁部の繊維が平面方向に配向している、請求項1記載の吸収性物品用不織布。
【請求項3】
前記第2繊維層における前記隆起部は、前記壁部の付け根部からの盛り上がりの裾野に位置する裾部を有し、
前記裾部は、前記壁部とは異なる繊維密度を有する、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項4】
前記開孔部の面積が10mm

以上60mm

以下である、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項5】
前記第2繊維層の前記第1繊維層との対向面側は、平面方向に延在する連続繊維層となっている、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項6】
前記第2繊維層における前記隆起部は、厚み方向頂部に位置する隆起頂部を有し、
前記隆起頂部の繊維密度は、前記第1繊維層における前記頂部の繊維密度よりも低い、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項7】
前記第2繊維層における前記隆起部は、厚み方向頂部に位置する隆起頂部を有し、
前記隆起頂部の繊維密度は、前記第1繊維層における前記壁部の繊維密度よりも低い、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項8】
前記第2繊維層は、前記壁部の付け根部が食い込む窪み部を有し、
前記第2繊維層における前記隆起部は、前記壁部の付け根部からの盛り上がりの裾野に位置する裾部と、厚み方向頂部に位置する隆起頂部とを有し、
前記隆起頂部の繊維密度が、前記裾部の繊維密度及び前記窪み部の繊維密度よりも低い、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項9】
前記第1繊維層からの上面視で、前記第1繊維層がある領域の目付が、前記第2繊維層における前記隆起部の目付より10g/m

以上高い、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項10】
前記隆起部の数が4個/25cm

以上である、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品用不織布に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
不織布は、おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材など様々な用途に用いられている。例えば、吸収性物品の表面シートとして用いられる不織布には様々な構造を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、撥水性不織布からなる表面層と親水性不織布からなる裏面層とを有する複合不織布が記載されている。該複合不織布はメルトブロー不織布よりなる。前記撥水性不織布は穿孔板に吹き付けて堆積することによって形成した穿孔部を備え、該穿孔部が下方に延出してなる管部内には、前記親水性不織布の上部が突出して形成された盛り上がり部が配されている。前記親水性不織布は、前記撥水性不織布の裏面側にベルトブロー用ダイから吐出したファイバーを吹き付けて堆積させることにより、前記盛り上がり部を伴って形成される。この場合、メルトブロー用ダイから吐出されたファイバーは、前記撥水性不織布(表面層)の形状に沿って堆積させて形成されるため、親水性不織布の前記盛り上がり部の内部は中空の構造となる。
特許文献2には、導液管を備える第1シートとその下面側に位置する第2シートとからなる表面シートが記載されている。前記第2シートは前記第1シートの導液管の下面開口の周縁に融着し、前記第2シートの繊維がほぐれて導液管の管壁に沿って延出している。これにより、前記第2シートは前記導液管において空洞を形成している。前記第2シートにおける前記空洞は、第1シートに対して、サンクションの作用下でメルトブロー押出機によりメルトブロー繊維を吹き付けることで形成されることが記載されている。
特許文献3には、畝部と溝部とを交互に有する表面シートが記載されている。前記表面シートは不織布からなり、表面層と裏面層とを備える多層構造を有する。前記表面層には、前記溝部に開孔を有するものが示されている。この表面シートは、凹凸賦形ベルト上に表面層前駆体及び裏面層前駆体を順次積層して都度押圧処理及び流体吹き付け処理を繰り返し、最後に熱風処理を施して形成される。表面層の溝部における開孔は、前記凹凸賦形ベルトの山部の頂部に複数の切り欠き部があるものを用い、非切り欠き部で構成繊維の寄り分けが起きて形成される。この場合、裏面層前駆体は凹凸賦形ベルトがある状態で積層されるため、裏面層前駆体が表面層前駆体の開孔から対抗面側に隆起することが妨げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-168728号公報
特開平6-166937号公報
特開2009-279098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特許文献1~3に示すような凹凸に賦形された不織布は、吸収性物品に求められる柔らかな肌触りを高めることができる。しかし、不織布の表面が凹凸であると指等の肌で触れる際に凹部によって滑らかさが損なわれることがある。凹凸の高低差が大きくなればなるほど、柔らかな肌触りが向上する一方で滑らかさが低減しやすい。すなわち、凹凸の不織布において柔らかな肌触りと滑らかさとの両立が実現し難い。
また、従来の不織布においては前記凹凸や開孔、エンボス加工によって視認できる柄を付与することができる。この柄を視認できることで、例えば肌触りの良さや液吸収性(液透過性)の高さを消費者に想起させることができる。しかし、加工の程度によっては、柄を構成する凹凸が前述の通り滑らかさを低減したり、開孔が液戻りを誘発したり、エンボス部分が繊維のフィルム化により液吸収や柔らかさを低減したりしかねない。すなわち、不織布において、柄をより明確にすることによる視認性すなわち意匠性の向上と、滑らかさ、液戻り防止性、並びに液吸収性及び柔らかさとの両立が実現し難い。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、柔らかさと滑らかさとを両立させながら、意匠性の高い吸収性物品用不織布を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有し、前記第1繊維層の厚みH1に対する前記隆起部の厚みH2の比(H2/H1)が、0.6以上1以下である、吸収性物品用不織布を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品用不織布は、柔らかさと滑らかさとを両立させながら、意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態を模式的に示す断面図である。
(A)は、本実施形態の吸収性物品用不織布の厚み方向の断面について4.9mN/cm

の荷重となる錘Wを載せた状態として示す図面代用写真であり、(B)は隆起部を拡大して示す図面代用写真である。
(A)及び(B)は、本実施形態の吸収性物品用不織布の一方の面側にて視認される柄の一例を示す図面代用写真である。
図1に示す吸収性物品用不織布における隆起部及び壁部を拡大して模式的に示す部分拡大断面図である。
本実施形態の吸収性物品用不織布の具体例を一方の面側から模式的に示す平面図である。
図5に示す吸収性物品用不織布のR1-R1線断面図である。
図5に示す吸収性物品用不織布のR2-R2線断面図である。
本発明に係る吸収性物品用不織布の製造方法の好ましい一実施形態を模式的に示す説明図であり、(A)は押し込み工程を示し、(B)は押し込みにより賦形した繊維層をエアーの吹き付けによって平面方向に配向させる工程を示し、(C)は第1の熱風により凹凸開孔不織布を得る工程を示し、(D)は第2繊維ウエブを凹凸開孔不織布に積層する工程を示し、(E)は第2の熱風により凹凸開孔不織布と第2繊維ウエブとを一体化し、第2繊維ウエブを不織布化する工程を示している。
支持体の平面図である。
押し込み部材の平面図である。
支持体と押し込み部材とを組み合わせた状態を示す平面図である。
(A)及び(B)は、押し込み工程によって賦形された繊維層の状態を示す図面代用写真であり、(C)及び(D)は、エアーの吹き付け工程後の前記繊維層の状態を示す図面代用写真である。
意匠性の評価としての画像解析による柄の測定において取得したスキャン画像であり、(A)は実施例1の不織布試料を示し、(B)~(F)は比較例1~3、5及び6の不織布試料を示す。
図13に示すスキャン画像を画像変換して16色ビットマップファイルにした白黒画像であり、(A)は実施例1の不織布試料を示し、(B)~(F)は比較例1~3、5及び6の不織布試料を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら、以下に説明する。なお、本明細書において、吸収性物品用不織布を単に不織布ということがある。
本実施形態の不織布10は、繊維同士の交差部に繊維融着部を有する不織布である。例えば、エアスルー法によって前記繊維融着部を形成したエアスルー不織布が挙げられる。そのため、不織布10は構成繊維に熱可塑性繊維を含む。すなわち、不織布10を構成する後述の第1繊維層M1及び第2繊維層M2は構成繊維に熱可塑性繊維を含み、前記繊維融着部を形成した不織布である。第1繊維層M1と第2繊維層M2とは互いの繊維同士の交差部における繊維融着部によって一体化されている。
本実施形態の不織布10がエアスルー不織布である場合、製造工程において未融着の繊維がランダムに絡む繊維ウエブに対するエアスルーにより形成されるため、前記繊維融着部は繊維同士の交差部における繊維表面での点接着の状態として形成される。これは、繊維融着部を有する他の種類の不織布、例えばメルトブロー不織布やスパンボンド不織布のように繊維同士が同化するように接着するものに比して、前記繊維融着部での融着面積が極めて小さいことを意味する。この点、前記メルトブロー不織布やスパンボンド不織布では、従来、溶融樹脂をノズルより吐出させて直接繊維化し堆積させる方法で製造される。そのため、前記メルトブロー不織布やスパンボンド不織布では、構成繊維が単芯繊維となり前述の同化するような接着が生じるのであり、また繊維長に沿って融着しやすく、前記エアスルー不織布のような点接着の状態にはなりえない。
そのため、本実施形態の不織布10がエアスルー不織布である場合、不織布10は嵩高く、点接触により融着面積の少なさ自体から生じる繊維同士の変形性及び回復性に優れ、これに起因する柔らかさを備える。前記点接着をより明確にする観点から、構成繊維は、融点が異なる複数の樹脂成分を含む複合繊維であることが好ましく、芯鞘型の複合繊維であることがより好ましい。
【0010】
このような本実施形態の不織布10は、図1に示すように、厚み方向Zに積層された第1繊維層M1と第2繊維層M2とを有する。不織布10は一方の面側10Tと他方の面側10Bとの表裏面を有し、一方の面側10Tに第1繊維層M1が配され、他方の面側10Bに第2繊維層M2が配される。不織布10において、例えば一方の面側10Tを使用面とすることができる。例えば、不織布10を吸収性物品の表面シートとして用いる場合、一方の面側10Tを肌面側とすることができる。この場合、第1繊維層M1は上層、第2繊維層M2は下層ともいう。なお、上記の一方の面側10Tと他方の面側10Bとは、不織布10全体の表裏面を意味すると同時に、第1繊維層M1及び第2繊維層M2のそれぞれの表裏面も意味する。また、不織布10の厚み方向Zは、第1繊維層M1及び第2繊維層M2のそれぞれの厚み方向Zも意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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