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公開番号2025141837
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025032985
出願日2025-03-03
発明の名称接合部材の解体方法及び接合部材並びに易解体性の液状シリコーン系接着剤
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C09J 183/04 20060101AFI20250919BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】室温で、更に150℃程度の高温に晒された後もシール性能を発揮しつつ、極めて短時間かつ少ない消費エネルギーで容易にリサイクルすることができる接合部材及びその接合部材の解体方法、並びに該接合部材に用いる易解体性の液状シリコーン系接着剤を提供する。
【解決手段】平均直径が0.5~50nmであるカーボンナノチューブと分解温度が180~600℃である水酸化化合物を含有し、カーボンナノチューブの含有量が0.05~3.0質量%である硬化性液状シリコーン系接着剤を硬化させてなる硬化物で複数の部材同士が接合された接合部材について、該硬化物に周波数300MHz以上300GHz以下、出力300W以上10,000W以下のマイクロ波を5秒以上90秒未満照射して硬化物を水酸化化合物の分解温度以上に加熱することにより、前記複数の部材同士を分離して接合部材を解体する工程を含む接合部材の解体方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
平均直径が0.5~50nmであるカーボンナノチューブと分解温度が180~600℃である水酸化化合物を含有し、カーボンナノチューブの含有量が0.05~3.0質量%である硬化性液状シリコーン系接着剤を硬化させてなる硬化物で複数の部材同士が接合された接合部材について、該硬化物に周波数300MHz以上300GHz以下、出力300W以上10,000W以下のマイクロ波を5秒以上90秒未満照射して硬化物を水酸化化合物の分解温度以上に加熱することにより、前記複数の部材同士を分離して接合部材を解体する工程を含む接合部材の解体方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
硬化性液状シリコーン系接着剤が、縮合硬化型液状シリコーン系接着剤又は付加反応硬化型液状シリコーン系接着剤である請求項1に記載の接合部材の解体方法。
【請求項3】
カーボンナノチューブが、多層カーボンナノチューブである請求項1に記載の接合部材の解体方法。
【請求項4】
分解温度が180~600℃である水酸化化合物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化酸化アルミニウム(べーマイト)から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の接合部材の解体方法。
【請求項5】
分解温度が180~600℃である水酸化化合物の含有量が、硬化性液状シリコーン系接着剤全体の35~65質量%である請求項1に記載の接合部材の解体方法。
【請求項6】
上記接合部材の解体が人手又はスクレーパーにより前記複数の部材から硬化性液状シリコーン系接着剤の硬化物を剥離する工程を含むものである請求項1に記載の接合部材の解体方法。
【請求項7】
接合部材が自動車部品又は電気・電子部品である請求項1に記載の接合部材の解体方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の接合部材の解体方法に用いられる接合部材。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の接合部材の解体方法に用いられ、平均直径が0.5~50nmであるカーボンナノチューブを接着剤全体の0.05~3.0質量%、及び分解温度が180~600℃である水酸化化合物を接着剤全体の35~65質量%含有する易解体性の硬化性液状シリコーン系接着剤。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の接合部材の解体方法に用いられる下記(A)~(F)成分を含有する易解体性の縮合硬化型液状シリコーン系接着剤。
(A)平均直径が0.5~50nmであるカーボンナノチューブ:接着剤全体の0.05~3.0質量%、
(B)分解温度が180~600℃である水酸化化合物:接着剤全体の35~65質量%、
(C)ケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性シリル基で分子鎖両末端が封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(D)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1~40質量部、
(E)硬化触媒:0.001~20質量部、及び
(F)シランカップリング剤:0.05~20質量部。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車電装部品等の自動車部品、電気・電子製品などの回収、修理、リサイクル時の作業を極めて短時間で容易に行うことができる硬化性液状シリコーン系接着剤を使用した接合部材の解体方法及び該方法に使用する接合部材並びに易解体性の液状シリコーン系接着剤に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境にやさしく、コストも低減できる点から、様々な分野で材料のリサイクル性が要求されている。自動車分野、電気・電子分野等においてもリサイクルするため、接合部材における部材同士の解体が必要とされている。一方で接合部材、特にはその接合部分は外部の埃や水分の侵入を防ぎ、内部の部品を保護するために重要な役割を果たすため、確かなシール性能も求められる。そのシール性能は接着によるシールが最も優れるため、様々な条件(耐熱、耐湿など)においても接着性を維持することが求められる。そのため、通常は基材に硬化物が強く接着しており、接合部材の除去は容易ではない。
【0003】
硬化性樹脂組成物を用いた接合部材のリサイクル方法として、例えば、特開2003-026784号公報(特許文献1)には、ポリオール系の硬化性組成物を用いてなる接合部材を、150~200℃に加熱することにより軟化又は液状化させて、該硬化物で接合された部材同士を解体することが提案されている。また、特開2002-327163号公報(特許文献2)には、ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型接着剤を用いた接着構造物の接着部分に、ハロゲン系有機溶剤を接触させることにより、接着部分の接着力を低下させた後、接着部分から接着構造物の構成部材を剥離解体することが提案されている。更に、特開2008-120903号公報(特許文献3)には、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とするビニル系モノマー混合物からなる接着剤を用い、接合時には高い常態接着力を維持しつつ、接合部を分離・解体する際には、加熱により接着力が低下して、容易に分離・解体することができる再剥離型粘着テープが提案されている。そして、特許第6221630号公報(特許文献4)には、オキシアルキレン重合体に粘着性付与剤樹脂を含有させることによりリワーク可能であり、リワーク後も再結合でき、シール性能を維持できることが提案されている。
【0004】
一方、シリコーン系の接着剤やシーリング材は、上記の有機系接着剤より、耐熱性、耐候性等の特性に優れるため、自動車分野、電気電子分野、建築分野等で広く使用されている。その反面、熱をかけてもシリコーン系の接着剤やシーリング材が分解し難いため、修理あるいはリサイクルし難いという問題がある。
【0005】
部材同士の解体が容易で、かつ、シール性を発揮できるシリコーン系接着剤としてマスキング型シリコーン系接着剤が提案されている。接着付与剤を含まないマスキング型シリコーン系接着剤は、剥離性付与剤を添加してガラス、金属への離型性を付与したシリコーン系接着剤がある。しかし、このようなシリコーン系接着剤は、200℃を超える高温耐久において剥離性付与剤自体が熱分解してその効力を失い、部材とシリコーン系接着剤が熱により接着することで解体が難しく、回収・修理することが困難となる。
【0006】
また、特開2022-183437号公報(特許文献5)では、水酸化アルミニウムを用いるシリコーン系接着剤が提案されているが、解体させることまで3時間と長時間が必要である。そして、国際公開第2023/054052号(特許文献6)では、マイクロ波により発熱する粒子を接着剤に添加し、マイクロ波を照射させることにより90~180秒と短時間での剥離が可能と提案されている。
【0007】
しかし、より短時間かつ省エネルギーでの解体が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-026784号公報
特開2002-327163号公報
特開2008-120903号公報
特許第6221630号公報
特開2022-183437号公報
国際公開第2023/054052号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、接合された接着部材がシリコーン系の接着剤の硬化物であり、室温(23℃±15℃、以下同じ)で、更に150℃程度の高温に晒された後もシール性能を発揮しつつ、極めて短時間かつ少ない消費エネルギーで容易にリサイクルすることができる接合部材及びその接合部材の解体方法、並びに該接合部材に用いる易解体性の液状シリコーン系接着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、先に出願した国際公開第2023/054052号(特許文献6)より更にエネルギー消費が少なく、短時間でリサイクル可能な接合部材とその解体方法を鋭意検討した結果、電気・電子製品などの回収・修理、リサイクル作業の効率化及び省エネルギー化を図るために、接合部材の接着部材として用いる硬化性液状シリコーン系接着剤にカーボンナノチューブを特定の含有量で添加し、更に熱により分解して水を発生する水酸化化合物(特には金属水酸化物又は酸化金属の水酸化物)を配合することにより、該硬化性液状シリコーン系接着剤を硬化させてなる硬化物で接合された接合部材(特に有機樹脂製及び/又は金属製等の複数(特には2個)の部材同士が接合された接合部材)は、接合された接着部材(硬化性液状シリコーン系接着剤の硬化物)が室温、更に150℃程度の高温に晒された後もシール性を発揮しつつ、周波数300MHz以上300GHz以下、出力300W以上10,000W以下のマイクロ波を5秒以上90秒未満照射して硬化物を水酸化化合物の分解温度以上に加熱することにより接着性が低下することから、該接着部材(硬化性液状シリコーン系接着剤の硬化物)にマイクロ波を上記条件で照射することによって、前記有機樹脂製及び/又は金属製等の複数(特には2個)の部材同士を分離して接合部材を極めて短時間かつ少ない消費エネルギーで容易に解体することができ、部材をリサイクルすることができることを見出し、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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