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公開番号
2025143533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-01
出願番号
2025122378,2025520661
出願日
2025-07-22,2024-03-13
発明の名称
耐油紙およびヒートシール耐油紙
出願人
日本製紙パピリア株式会社
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
D21H
21/14 20060101AFI20250924BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】非フッ素系耐油剤を用いた耐油紙を提供すること。
【解決手段】紙基材に、非フッ素系耐油剤と水溶性高分子とを含有する耐油性塗料が含浸されており、
前記紙基材が、坪量20g/m
2
以上であり、
離解濾水度が250mlCSF以上500mlCSF以下である耐油紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
紙基材に、非フッ素系耐油剤と水溶性高分子とを含有する耐油性塗料が含浸されており、
前記紙基材が、坪量20g/m
2
以上であり、
離解濾水度が250mlCSF以上500mlCSF以下である耐油紙。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記非フッ素系耐油剤が、アクリル系樹脂を含む請求項1に記載の耐油紙。
【請求項3】
前記耐油性塗料の付着量が、乾燥重量で1.3g/m
2
以上であり、
含浸加工面のJ.TAPPI No.41:2000で測定したキット値が2以上である請求項1に記載の耐油紙。
【請求項4】
変則キット法で耐油試験を行い、油接触前後の不透明度変化率が10%以下である請求項1に記載の耐油紙。
(変則キット法)
試験液としてナタネ油(1級試薬)を用い、23℃50%RH環境下で10時間調湿したものに試験液を滴下し、23℃50%RH環境下で3時間放置した後に、表面のナタネ油を拭き取る。油接触前の不透明度から、下記式に基づいて、不透明度変化率を算出する。
不透明度変化率={(OB-OA)/OB}×100
OB:油接触前の不透明度
OA:油接触後の不透明度
【請求項5】
前記耐油性塗料が含有する水溶性高分子が、澱粉系、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれる1以上である請求項1に記載の耐油紙。
【請求項6】
引張強さが1.5kN/m以上である請求項1に記載の耐油紙。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の耐油紙の少なくとも片面にヒートシール層を有するヒートシール耐油紙。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐油紙およびヒートシール層を有するヒートシール耐油紙に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
耐油紙は、油分の浸透を防止する機能を有する紙である。耐油紙は、例えば、唐揚げやフライ等の惣菜を包装する包装材や、ファーストフード店やコンビニエンスストア等でハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン等を詰める袋として広く用いられている。従来、耐油紙は、過フッ素炭化水素のアクリルレートや過フッ素炭化水素のリン酸エステルなどのフッ素樹脂系耐油剤を紙基材に塗布加工されたものが主流となっていた。
しかし、フッ素樹脂系耐油剤を塗布加工したフッ素系の耐油紙は、100~180℃に加熱した場合、環境蓄積性の高いパーフルオロアルコールを生成することが確認されている。また、これらフッ素樹脂系耐油剤を使用した耐油紙を使用後に焼却した際には、パーフルオロオクタン酸やパーフルオロスルホン酸等のフッ素化合物が発生し、人間を含む動物の健康被害や環境に悪影響を及ぼすことが懸念されている。また、その他の低分子フッ素化合物も一般的に難分解性であることから、特に食品包装用途ではフッ素系化合物を用いない耐油紙が望まれている。
【0003】
食品包装用の耐油紙には、油が紙を通過して反対面に漏れ出さない油バリア性を有すること、付着した油が耐油紙の表面に広がりにくく油が染み込んだ外観(染み込んだ部分が変色する)を呈さない油浸透防止性を有することなどの耐油性が要求される。さらに、食品包装用の耐油紙には、食品を包装した際に内容物が外から見え難いこと、有害物質を含まないこと、離解性(リサイクル性)があり資源として再利用できること等が要求される。
【0004】
特許文献1には、填料を含む製紙用天然繊維からなる基材に水溶性高分子を塗布した耐油紙が提案されている。特許文献1は、フッ素系化合物を用いずにリサイクル性を図ることを目的としているが、製紙用天然繊維を濾水度85~90°SRまで高叩解した高透気抵抗度の基材に耐油層として水溶性高分子層を設けることにより、要望の耐油紙を提供している。
特許文献2には、非フッ素系耐油剤と平均粒径が1~20μmのポリエチレンワックスからなる耐油層を紙基材に塗布した耐油紙が提案されている。特許文献2は、非フッ素系耐油剤としてアクリル樹脂、澱粉、ポリビニルアルコールが提示されており、紙基材の平滑度、透気度を規定範囲とすることで、これら耐油剤の塗布に関わる操業性、コスト面の課題に対応した耐油紙を提供している。
特許文献3には、フッ素系化合物を用いない耐油紙として、紙基材の原料が広葉樹パルプ/針葉樹パルプ(L/N比):0/100~70/30(質量比)、叩解度45°SR以上であり、抄紙した原紙の密度0.45g/cm
3
以上0.75g/cm
3
以下、ステキヒドサイズ度が5秒以上として、この紙基材にスチレンアクリル共重合樹脂及びパラフィンワックスを配合比が90:10~10:90(質量比)で塗布した耐油紙が提案されている。特許文献3には、スチレンアクリル共重合樹脂は耐油層に造膜性を与え、パラフィンワックスは紙基材の空隙に存在することで耐油性能を向上させる役割を担うと説明されている。
【0005】
特許文献4、特許文献5には、耐油剤に変性デンプン、アミロース、ポリビニルアルコールの1種または2種以上を用いた耐油紙が提案されている。紙基材はパルプ繊維を主体とし、耐油層の塗布として特許文献4は含浸法、特許文献5は多層紙の層間にスプレイ塗布する方法が採用されている。どちらの文献も紙基材の坪量についての明記は無いが、実施例は200~300g/m
2
以上の坪量域で実施されている。
特許文献6には、紙基材にポリ乳酸系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂及び/又は澱粉系化合物を70:30~98:2(乾燥重量比)を3g/m
2
以上20g/m
2
以下で塗布する耐油紙が提案されている。特許文献6は、耐油層にフッ素系化合物を使用せずに生分解性樹脂を配合することで、ヒートシール性を有しながらも燃焼時の有害物質の発生防止や環境中に流出した際の分解性を考慮した耐油紙を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4520138号
特許第5994455号
特開2020-122250号公報
特開2005-29943号公報
特許第4604466号
特開2020-128616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、非フッ素系耐油剤を用いた耐油紙を提供することを課題とする。また、本発明は、広い坪量の紙基材において耐油性能のバラツキが少なく均一な品質を備える耐油紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
1.紙基材に、非フッ素系耐油剤と水溶性高分子とを含有する耐油性塗料が含浸されており、
前記紙基材が、坪量20g/m
2
以上であり、原料パルプとして繊維幅(D)に対するルーメン幅(l)の比(l/D)が平均0.50以下である広葉樹パルプを30重量%以上含み、該紙基材を構成するパルプのショッパーリーグラー濾水度が25°SR以上45°SR以下である耐油紙。
2.前記耐油性塗料の付着量が、乾燥重量で1.3g/m
2
以上であり、
含浸加工面のJ.TAPPI No.41:2000で測定したキット値が2以上である1.に記載の耐油紙。
3.変則キット法で耐油試験を行い、油接触前後の不透明度変化率が10%以下である1.または2.に記載の耐油紙。
(変則キット法)
試験液としてナタネ油(1級試薬)を用い、23℃50%RH環境下で10時間調湿したものに試験液を滴下し、23℃50%RH環境下で3時間放置した後に、表面のナタネ油を拭き取る。油接触前の不透明度から、下記式に基づいて、不透明度変化率を算出する。
不透明度変化率={(O
B
-O
A
)/O
B
}×100
O
B
:油接触前の不透明度
O
A
:油接触後の不透明度
4.離解濾水度が250mlCSF以上500mlCSF以下である1.~3.のいずれかに記載の耐油紙。
5.前記耐油性塗料が含有する水溶性高分子が、澱粉系、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれる1以上である1.~4.のいずれかに記載の耐油紙。
6.引張強さが1.5kN/m以上である1.~5.のいずれかに記載の耐油紙。
7.1.~6.のいずれかに記載の耐油紙の少なくとも片面にヒートシール層を有するヒートシール耐油紙。
【発明の効果】
【0009】
本発明の耐油紙は、フッ素樹脂系耐油剤を用いないため、健康や環境への悪影響を抑えることができる。本発明の耐油紙は、使用する紙基材が非フッ素系耐油剤に適しており、これまでにフッ素樹脂系耐油剤の代替として提案されている合成高分子物質や天然高分子物質等の非フッ素系耐油剤を含む耐油層を塗設することで、耐油紙表面上でムラの無い耐油性を発現し、また各種の非フッ素系耐油剤の有する耐油性能を効率よく発現させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「耐油紙」
本発明の耐油紙は、紙基材に、非フッ素系耐油剤と水溶性高分子とを含有する耐油性塗料が含浸されている。なお、塗料が含浸されているか否かは、断面を顕微鏡等で観察することにより判別することができる。
・紙基材
本発明で使用する紙基材は、繊維幅(D)に対するルーメン幅(l)の比(l/D)が平均0.50以下である広葉樹パルプを30重量%以上含む。以下、本明細書において、繊維幅(D)に対するルーメン幅(l)の比(l/D)を、単に「l/D」ともいう。
(【0011】以降は省略されています)
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