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公開番号
2025146792
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2025045730
出願日
2025-03-19
発明の名称
白血病の髄外浸潤マーカー
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
C12Q
1/6869 20180101AFI20250926BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】一態様において、白血病、特に急性骨髄性白血病の予後不良因子の一つとされる髄外浸潤の発症リスクを予測することを可能にする手段を提供する。
【解決手段】本開示は、一態様において、ヒト又は非ヒト動物である対象から採取した検体中の、CCケモカイン受容体1(CCR1)遺伝子の発現レベルを決定する工程、及び前記決定工程で得られた前記発現レベルを指標として髄外浸潤の発症リスクを判定する工程を含む、ヒト又は非ヒト動物の白血病における髄外浸潤の発症リスクを判定するための方法に関する。
【選択図】図10
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒト又は非ヒト動物の白血病における髄外浸潤の発症リスクを判定するための方法であって、
ヒト又は非ヒト動物である対象から採取した検体中の、CCケモカイン受容体1(CCR1)遺伝子の発現レベルを決定する工程、及び
前記決定工程で得られた前記発現レベルを指標として髄外浸潤の発症リスク及び髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスクの少なくとも一方を判定する工程を含む、方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記判定工程は、前記決定工程で得られた前記発現レベルと基準値とを比較することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記決定工程は、検体中のCCR1遺伝子の転写産物及び翻訳産物の少なくとも一方を測定すること、及び得られた測定値に基づいて前記発現レベルを決定すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記判定工程は、前記決定工程で得られた前記発現レベルが前記基準値よりも高いと判定された場合に、前記対象が髄外浸潤の発症リスク群及び/又は髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスク群であると判定することを含む、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記判定工程は、さらに、髄外浸潤の発症リスク群を示すその他の指標及び/又は髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスクを示すその他の指標と組み合わせて前記判定を行うことを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記判定工程で前記対象が髄外浸潤の発症リスク群又は髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスク群であると判定された場合、該対象にCCR1阻害剤の投与による治療方針を決定することを含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記白血病は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性腫瘍、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、及び骨髄異形成症候群からなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
髄外浸潤の発症リスク群及び髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスク群の少なくとも一方である対象においてCCR1阻害剤の治療効果をモニターする方法であって、
治療上有効な量のCCR1阻害剤が投与された対象から採取した検体中の、CCR1遺伝子の発現レベル及びCCR1遺伝子の下流シグナルの活性の少なくとも一方を決定する工程、及び
前記決定工程で得られたCCR1遺伝子の発現レベル及びCCR1遺伝子の下流シグナルの活性の少なくとも一方が下方制御されていると判定された場合に、CCR1阻害剤の治療は効果的であると判定する工程、を含む、方法。
【請求項9】
CCR1阻害剤を有効成分として含む、白血病を治療するための医薬組成物。
【請求項10】
白血病における髄外浸潤の発症リスク及び髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスクの少なくとも一方を診断するための診断剤であって、
CCR1遺伝子の発現を検出可能な物質を含む、診断剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、白血病の髄外浸潤マーカー、並びにそれを用いた白血病における髄外浸潤の発症リスクの判定方法及び白血病の治療方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
白血病はいわゆる「血液のがん」といわれ、血液細胞が作られる過程で、血液細胞のもととなる造血幹細胞等の細胞の遺伝子に異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が骨髄内で異常に増殖し、正常な血液細胞が減少することにより引き起こされる病気である。白血病は、がん化した細胞の種類によって、例えば、骨髄性白血病及びリンパ性白血病等に分類される。また、白血病は、白血病細胞の増殖速度によっても分類される。増殖が非常に速いと急性白血病に分類され、増殖が遅いと慢性白血病に分類される。白血病の分類としては、近年では、World Health Organization(WHO)分類が広く用いられている。WHO分類は、臨床的、形態学的、免疫表現型的、及び遺伝学的特徴に基づく分類である。WHO分類では、大きく分けて、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML, and related precursor neoplasms)、系統不明確白血病(acute leukemia of ambiguous origin)、前駆リンパ性腫瘍 (precursor lymphoid neoplasms)、成熟B細胞腫瘍(mature B-cell neoplasms)、成熟T細胞腫瘍・NK細胞腫瘍(mature T-cell and NK-cell neoplasms)、骨髄増殖性腫瘍群 (myeloproliferative neoplasms, MPN)、及び骨髄異形成症候群 (myelodysplatic syndromes, MDS)に分類されている。
【0003】
白血病の一つである急性骨髄性白血病(AML)は、造血幹細胞のうち、白血球のもととなる骨髄芽球に遺伝子異常が起こることにより生じうる。急性骨髄性白血病は、短期間のうちに骨髄中の正常な細胞を締め出してしまうことから、短期間で致死的となりうる重篤な疾患である。
急性骨髄性白血病の進展様式の一つとして、白血病細胞が原発巣である骨髄から全身に移動・浸潤する「髄外浸潤」が知られている。髄外浸潤は、白血病細胞が、原発骨髄から末梢血へ出て行き、やがて他の骨髄、臓器や中枢神経等の体の様々な組織へと浸潤し、最終的に全身の骨髄や臓器並びに神経が白血病細胞に侵され、その結果腫瘤等が形成される。その一つとして、骨髄肉腫(granulocytic sarcoma、以下GS)がある。骨髄肉腫は、髄外浸潤による各組織への腫瘤形成を伴う病態で、AML全体の約3~9%で認められる(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Leukemia. 2007;21(2):340-50
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
白血病細胞の髄外浸潤は、患者の生命予後を悪化させることが知られている。特に、髄外浸潤を伴う急性骨髄性白血病は予後不良とされている(Cancer Sci. 2012;103(8):1513-7)。このため、髄外浸潤を予測する方法や、その治療方法等が広く求められている。しかしながら、病態を再現可能な適切な疾患モデルが存在しないことから、そのメカニズムについてはほとんど解明されておらず、髄外浸潤の発症予防法や髄外浸潤をターゲットとする治療法についても確立されていない(Ann Hematol. 2023 Jun 7. doi: 10.1007/s00277-023-05288-1)。
【0006】
本開示は、一態様において、白血病、特に急性骨髄性白血病の予後不良因子の一つとされる髄外浸潤の発症リスクを予測することを可能にする手段、並びに髄外浸潤をターゲットとする新たな治療法及びそれに用いる医薬組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、一態様において、ヒト又は非ヒト動物の白血病における髄外浸潤の発症リスクを判定するための方法であって、ヒト又は非ヒト動物である対象から採取した検体中の、CCケモカイン受容体1(CCR1)遺伝子の発現レベルを決定する工程、並びに前記決定工程で得られた前記発現レベルを指標として髄外浸潤の発症リスク及び髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスクの少なくとも一方を判定する工程を含む方法に関する。
【0008】
本開示は、その他の態様において、白血病を治療する方法であって、本開示の判定方法に基づいて白血病患者の治療方針を決定し、当該治療方針に基づいて該患者を治療することを含む、白血病の治療方法に関する。
【0009】
本開示は、さらにその他の態様において、髄外浸潤の発症リスク群及び髄外浸潤により生じる骨髄肉腫の発症リスク群の少なくとも一方である対象においてCCR1阻害剤の治療効果をモニターする方法であって、治療上有効な量のCCR1阻害剤が投与された対象から採取した検体中の、CCR1遺伝子の発現レベル及びCCR1遺伝子の下流シグナルの活性の少なくとも一方を決定する工程と、前記決定工程で得られたCCR1遺伝子の発現レベル及びCCR1遺伝子の下流シグナルの活性の少なくとも一方が下方制御されていると判定された場合に、CCR1阻害剤の治療は効果的であると判定する工程とを含む方法に関する。
【0010】
本開示は、さらにその他の態様において、CCR1阻害剤を有効成分として含む、白血病を治療するための医薬組成物に関する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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