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公開番号
2025071723
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-08
出願番号
2023182136
出願日
2023-10-23
発明の名称
研磨用治具および研磨装置
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B24B
37/30 20120101AFI20250428BHJP(研削;研磨)
要約
【課題】被加工物の研磨状態のばらつきを安定して防止できる研磨用治具およびかかる研磨用治具を備えた研磨装置を提供する。
【解決手段】回転する定盤3を備えた研磨装置1によって被研磨対象Mを研磨する際に使用される研磨用治具10であって、研磨用治具10は、被研磨対象Mが取り付けられる断面円形の保持部11材と、保持部材11に対して着脱可能に取り付けられる断面円形のウエイト部材15と、を備えており、保持部材11は、被研磨対象保持面12aを有する本体部12と、本体部12の上面12bに設けられる凸部13と、を有しており、ウエイト部材15は、下面に保持部材11の凸部13を収容する凹部15hが形成されており、ウエイト部材15の凹部15hは、本体部12の凸部13を収容した状態において本体部12の上面12bがウエイト部材15と接触しない大きさに形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
回転する定盤を備えた研磨装置によって被研磨対象を研磨する際に使用される研磨用治具であって、
該研磨用治具は、
被研磨対象が取り付けられる断面円形の保持部材と、
該保持部材に対して着脱可能に取り付けられる断面円形のウエイト部材と、を備えており、
前記保持部材は、
下面に被研磨対象が取り付けられる被研磨対象保持面を有する本体部と、
該本体部の上面に設けられる、上面が該本体部の中心軸と直交する平坦面に形成された、該本体部の中心軸と同軸の断面円形の凸部と、を有しており、
前記ウエイト部材は、
下面に該下面から凹み、内底面が該ウエイト部材の中心軸と直交する平坦面に形成された、前記保持部材の凸部を収容する、該ウエイト部材の中心軸と同軸の円筒状の凹部が形成されており、
前記ウエイト部材の凹部は、
前記本体部の凸部を収容した状態において前記本体部の上面が前記ウエイト部材と接触しない大きさに形成されている
ことを特徴とする研磨用治具。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記ウエイト部材は、
その下面から出没可能な突起部材を備えており、
前記保持部材の本体部は、
その上面に、前記ウエイト部材の下面から突出した状態の前記突起部材を収納できる突起部材嵌合孔が形成されており、
該突起部材嵌合孔は、
該突起部材嵌合孔の中心軸から前記本体部の中心軸までの距離が、前記ウエイト部材の中心軸から前記突起部材の中心軸までの距離と同じになるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の研磨用治具。
【請求項3】
前記保持部材の本体部の上面には、
該本体部の中心軸に中心を有する同心円上に複数の前記突起部材嵌合孔が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の研磨用治具。
【請求項4】
前記保持部材の凸部は、
その上面と前記保持部材の本体部の上面との間に、該保持部材の本体部の中心軸と同軸かつ該凸部の上面の直径よりも直径が短い断面円形の絞り部を有している
ことを特徴とする請求項1記載の研磨用治具。
【請求項5】
前記保持部材の凸部は、
前記絞り部の直径φ1と前記保持部材の本体部の直径φ2とが下記式(1)を満たすように形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の研磨用治具。
0.25×φ2 ≦ φ1 ≦ 0.75×φ2 ・・・式(1)
【請求項6】
前記ウエイト部材を複数備えており、
各ウエイト部材は、
その上面に設けられる、上面が該ウエイト部材の中心軸と直交する平坦面に形成された、該ウエイト部材の中心軸と同軸の断面円形のウエイト部材凸部を有しており、
各ウエイト部材の凹部は、
他のウエイト部材のウエイト部材凸部を収容した状態において、他のウエイト部材のウエイト部材凸部を収容しているウエイト部材が他のウエイト部材の上面と接触しない大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の研磨用治具。
【請求項7】
前記ウエイト部材は、
その下面から出没可能な突起部材を備えており、
その上面に、他のウエイト部材の下面から突出した状態の前記突起部材を収納できるウエイト部嵌合孔が形成されており、
該ウエイト部嵌合孔は、
該ウエイト部嵌合孔の中心軸から該ウエイト部材の中心軸までの距離が、該ウエイト部材の中心軸から前記突起部材の中心軸までの距離と同じになるように形成されている
ことを特徴とする請求項6記載の研磨用治具。
【請求項8】
前記ウエイト部材は、
該ウエイト部材の中心軸に中心を有する同心円上に複数の前記ウエイト部嵌合孔が形成されている
ことを特徴とする請求項7記載の研磨用治具。
【請求項9】
回転する定盤と、
該定盤上に研磨剤を供給する研磨剤供給手段と、
被研磨対象が取り付けられた状態で前記定盤上に配置される請求項1~8のいずれかに記載の研磨用治具と、
該研磨用治具をその中心軸が前記定盤の回転軸に対してズレた状態で自転可能に保持し、前記定盤の回転による該研磨用治具の公転を防止する研磨用治具保持手段と、を有する
ことを特徴とする研磨装置。
【請求項10】
前記研磨用治具を複数備えており、
該複数の研磨用治具をそれぞれ保持する複数の前記研磨用治具保持手段を備えている
ことを特徴とする請求項9記載の研磨装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨用治具および研磨装置に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製品を製造する際には、単結晶シリコンインゴットを薄くスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリコンウエハの表面をラッピング及びポリッシングすることで、シリコンウエハの表面を鏡面に研磨する研磨工程が行われる。
【0003】
例えば、図8に示すような回転する定盤Tを有する研磨装置Sを使用してシリコンウエハWを研磨する場合には、研磨するシリコンウエハWを下面に保持する治具100が使用される。この治具100を使用する場合には、研磨する面が下を向いた状態となるようにシリコンウエハWを治具100の下面に取り付けて、研磨する面が定盤Tの表面に設けられた研磨パッド(図示せず)と面接触するように治具100を定盤T上に配置する。そして、治具100の上に重り101を載せて荷重を加え、かつ、定盤Tが回転した際に治具100が移動しないように移動防止部材STを配置する。その状態で、砥粒を含むスラリー状の研磨剤を供給しながら定盤Tを回転すると、定盤Tの表面の研磨パッドがシリコンウエハWの下面に接触した状態で摺動するので、研磨剤によってシリコンウエハWを研磨することができる。このとき、治具100は、定盤Tの回転の影響でその中心軸周りにも回転するので、定盤TとシリコンウエハWとの接触位置が変化する。したがって、シリコンウエハWの表面を研磨状態のムラが無いように研磨することができる。
【0004】
ところで、治具100の下面全体に均一に荷重が加われば、シリコンウエハW全面を均一な状態に研磨することができるが、治具100の下面の位置によって加わる荷重が異なれば、位置によって研磨状態が変化してしまう。例えば、図8(B)に示すように、治具100の全面に荷重が加わるように重り101を設けた場合には、治具100の中心部と周辺部では荷重に差が生じ、シリコンウエハWの表面において治具100の下面の中心部に位置する部分と治具100の下面の周辺部に位置する部分で研磨状態に差が生じてしまう場合がある。また、図8(C)に示すように、治具100の下面上に複数のシリコンウエハWを取り付けて同時に複数のシリコンウエハWの研磨を行う場合もある。この場合でも、治具100の全面に荷重が加わるよう重り101を設けた場合には、治具100の下面に取り付けられた位置によって各シリコンウエハWに加わる荷重が異なる可能性があり、同じ時間研磨した場合でも、複数のシリコンウエハW間で研磨状態に差が生じてしまう可能性がある。
【0005】
このような被加工物に加わる荷重の不均一性を防止する治具として、特許文献1~3に開示された技術がある。この特許文献1~3には、研磨する被加工物に対して荷重を加える重りを加工部材の中央部に配置した構成が開示されている。この構成とすれば、被加工物の中央部と周縁部の両方に重りが配置される場合に比べて、荷重のばらつきによる被加工物の中央部と周縁部との研磨状態の差を少なくできる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平3-43151号公報
特開昭60-28632号公報
特開昭60-28633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1~3の技術は、いずれも荷重を加える重りを保持するために筒状の構造物を有しており、この筒状の構造物内に収容できる大きさの被加工物の研磨にしか使用することができない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、被加工物の研磨状態のばらつきを安定して防止できる研磨用治具およびかかる研磨用治具を備えた研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<研磨用治具>
第1発明の研磨用治具は、回転する定盤を備えた研磨装置によって被研磨対象を研磨する際に使用される研磨用治具であって、該研磨用治具は、被研磨対象が取り付けられる断面円形の保持部材と、該保持部材に対して着脱可能に取り付けられる断面円形のウエイト部材と、を備えており、前記保持部材は、下面に被研磨対象が取り付けられる被研磨対象保持面を有する本体部と、該本体部の上面に設けられる、上面が該本体部の中心軸と直交する平坦面に形成された、該本体部の中心軸と同軸の断面円形の凸部と、を有しており、前記ウエイト部材は、下面に該下面から凹み内底面が該ウエイト部材の中心軸と直交する平坦面に形成された、前記保持部材の凸部を収容する、該ウエイト部材の中心軸と同軸の円筒状の凹部が形成されており、前記ウエイト部材の凹部は、前記本体部の凸部を収容した状態において前記本体部の上面が前記ウエイト部材と接触しない大きさに形成されていることを特徴とする。
第2発明の研磨用治具は、第1発明において、前記ウエイト部材は、その下面から出没可能な突起部材を備えており、前記保持部材の本体部は、その上面に、前記ウエイト部材の下面から突出した状態の前記突起部材を収納できる突起部材嵌合孔が形成されており、該突起部材嵌合孔は、該突起部材嵌合孔の中心軸から前記本体部の中心軸までの距離が、前記ウエイト部材の中心軸から前記突起部材の中心軸までの距離と同じになるように形成されていることを特徴とする。
第3発明の研磨用治具は、第2発明において、前記保持部材の本体部の上面には、該本体部の中心軸に中心を有する同心円上に複数の前記突起部材嵌合孔が形成されていることを特徴とする。
第4発明の研磨用治具は、第1発明において、前記保持部材の凸部は、その上面と前記保持部材の本体部の上面との間に、該保持部材の本体部の中心軸と同軸かつ該凸部の上面の直径よりも直径が短い断面円形の絞り部を有していることを特徴とする。
第5発明の研磨用治具は、第4発明において、前記保持部材の凸部は、前記絞り部の直径φ1と前記保持部材の直径φ2とが下記式(1)を満たすように形成されていることを特徴とする。
0.25×φ2 ≦ φ1 ≦ 0.75×φ2 ・・・式(1)
第6発明の研磨用治具は、第1発明において、前記ウエイト部材を複数備えており、各ウエイト部材は、その上面に設けられる、上面が該ウエイト部材の中心軸と直交する平坦面に形成された、該ウエイト部材の中心軸と同軸の断面円形のウエイト部材凸部を有しており、各ウエイト部材の凹部は、他のウエイト部材のウエイト部材凸部を収容した状態において、他のウエイト部材のウエイト部材凸部を収容しているウエイト部材が他のウエイト部材の上面と接触しない大きさに形成されていることを特徴とする。
第7発明の研磨用治具は、第6発明において、前記ウエイト部材は、その下面から出没可能な突起部材を備えており、その上面に、他のウエイト部材の下面から突出した状態の前記突起部材を収納できるウエイト部嵌合孔が形成されており、該ウエイト部嵌合孔は、該ウエイト部嵌合孔から該ウエイト部材の中心軸までの距離が、該ウエイト部材の中心軸から前記突起部材の中心軸までの距離と同じになるように形成されていることを特徴とする。
第8発明の研磨用治具は、第7発明において、前記ウエイト部材は、該ウエイト部材の中心軸に中心を有する同心円上に複数の前記ウエイト部嵌合孔が形成されていることを特徴とする。
<研磨装置>
第9発明の研磨装置は、回転する定盤と、該定盤上に研磨剤を供給する研磨剤供給手段と、被研磨対象が取り付けられた状態で前記定盤上に配置される第1~第8発明のいずれかに記載の研磨用治具と、該研磨用治具をその中心軸が前記定盤の回転軸に対してズレた状態で自転可能に保持し、前記定盤の回転による該研磨用治具の公転を防止する研磨用治具保持手段と、を有することを特徴とする。
第10発明の研磨装置は、第9発明において、前記研磨用治具を複数備えており、該複数の研磨用治具をそれぞれ保持する複数の前記研磨用治具保持手段を備えていることを特徴とする。
第11発明の研磨装置は、第9発明において、前記研磨用治具保持手段が、前記研磨用治具を該研磨用治具の中心軸周りに自転させる回転機構を有していることを特徴とする。
第12発明の研磨装置は、第9発明において、前記研磨用治具のウエイト部材を、前記保持部材および/または前記ウエイト部材に対して着脱するウエイト部材搬送機構を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
<研磨用治具>
第1発明によれば、ウエイト部材から加わる荷重を保持部材の中心部のみに加えることができるので、研磨用治具に取り付けられている被研磨対象に対して均一に荷重を加えることができる。したがって、研磨用治具の被研磨対象保持面の位置による被研磨対象の研磨状態のばらつきを抑制することができる。また、複数の被研磨対象を保持部材に取り付けても、複数の被研磨対象の研磨状態がばらつくことを防止できる。
第2、第3発明によれば、保持部材に対するウエイト部材の相対的な動きを防止できるので、両者間の摩擦に起因する金属粉等の発生を防止できる。また、両者間の相対的な動きに起因する振動などを防止できるので、振動などに起因する被研磨対象の研磨状態のばらつきが発生することを防止できる。
第4、第5発明によれば、ウエイト部材を安定して保持部材の凸部上に配置できるので、ウエイト部材から加わる荷重が保持部材の中心部からズレることを防止できる。
第6発明によれば、保持部材に複数のウエイト部材を設けても、複数のウエイト部材から加わる荷重を保持部材の中心部のみに加えることができる。
第7、第8発明によれば、ウエイト部材同士の相対的な動きを防止できるので、ウエイト部材間の摩擦に起因する金属粉等の発生を防止できる。また、ウエイト部材間の相対的な動きに起因する振動などを防止できるので、振動などに起因する被研磨対象の研磨状態のばらつきが発生することを防止できる。
<研磨装置>
第9発明によれば、定盤を回転させながら研磨剤供給手段から定盤上に研磨剤を供給すれば、研磨用治具に保持されている被研磨対象を研磨することができる。しかも、ウエイト部材から加わる荷重を保持部材の中心部のみに加えることができるし、研磨用治具保持手段によって研磨用治具が自転可能に保持されているので、被研磨対象の研磨状態のばらつきを抑制することができる。
第10発明によれば、同時に研磨できる被研磨対象を多くできるので、被研磨対象を研磨する研磨効率を高くできる。
第11発明によれば、研磨用治具保持手段の回転機構によって所望の回転速度で研磨用治具を自転させることができるので、被研磨対象の研磨状態を調整しやすくなる。
第12発明によれば、ウエイト部材の着脱における作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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