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公開番号2025107821
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-22
出願番号2024001293
出願日2024-01-09
発明の名称導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサ
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01G 4/30 20060101AFI20250714BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 積層セラミック電子部品の小型化、薄型化のために微細化した導電性粉末やセラミック粉末を用いた導電性ペーストにおいて、平滑な乾燥膜を有し、かつ密着性に優れた内部電極層を形成することのできる導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】 導電性粉末と、セラミック粉末と、分散剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤を含み、バインダー樹脂が、セルロース系化合物とポリビニルアセタール系化合物とが硫黄原子により結合した高分子化合物を含み、セルロース系化合物に対する高分子化合物に含まれる硫黄原子のモル比が0.3~1.7であり、高分子化合物の重量平均分子量が3万以上、15万未満である、導電性ペースト。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導電性粉末と、セラミック粉末と、分散剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤を含み、
前記バインダー樹脂が、セルロース系化合物とポリビニルアセタール系化合物とが硫黄原子により結合した高分子化合物を含み、
前記セルロース系化合物に対する前記高分子化合物に含まれる硫黄原子のモル比が0.3~1.7であり、
前記高分子化合物の重量平均分子量が3万以上、15万未満である、
導電性ペースト。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記高分子化合物の重量平均分子量が6万以上、13万以下である請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項3】
前記セルロース系化合物が、チオール基またはビニル基を備えるセルロース誘導体であり、
前記ポリビニルアセタール系化合物が、チオール基またはビニル基を備えるポリビニルアセタール樹脂であり、
前記セルロース誘導体がチオール基を備える場合には、前記ポリビニルアセタール樹脂は当該チオール基と反応するビニル基を備え、
前記セルロース誘導体がビニル基を備える場合には、前記ポリビニルアセタール樹脂は当該ビニル基と反応するチオール基を備える、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
【請求項4】
前記セルロース誘導体が、チオール基またはビニル基を備えるエチルセルロースであり、
前記ポリビニルアセタール樹脂が、チオール基またはビニル基を備えるポリビニルブチラールである、請求項3に記載の導電性ペースト。
【請求項5】
前記セルロース系化合物は、チオール基またはビニル基を備えるカルボン酸のカルボキシ基と、セルロースの水酸基が脱水縮合した第1エステル化反応物であり、
前記ポリビニルアセタール系化合物は、チオール基またはビニル基を備えるカルボン酸のカルボキシ基と、ポリビニルアセタールの水酸基が脱水縮合した第2エステル化反応物であり、
前記第1エステル化反応物がチオール基を備える場合には、前記第2エステル化反応物はビニル基を備え、
前記第1エステル化反応物がビニル基を備える場合には、前記第2エステル化反応物はチオール基を備え、
前記高分子化合物は、前記第1エステル化反応物と前記第2エステル化反応物とのチオール-エン反応物である、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項6】
前記第1エステル化反応物は、3-アリルオキシプロピオン酸のカルボキシ基と、エチルセルロースの水酸基が脱水縮合したエステル化反応物であり、
前記第2エステル化反応物は、3-メルカプトプロピオン酸のカルボキシ基と、ポリビニルブチラールの水酸基が脱水縮合したエステル化反応物である、請求項5に記載の導電性ペースト。
【請求項7】
前記バインダー樹脂が、セルロースとポリビニルアセタールの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項8】
前記導電性粉末が、ニッケル粉末である請求項1または2に記載の導電性ペースト。
【請求項9】
前記導電性粉末の数平均粒子径が0.05μm以上0.3μm以下である、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項10】
前記セラミック粉末はチタン酸バリウムを含む、請求項1に記載の導電性ペースト。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話やデジタル機器等の電子機器の小型化及び高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサ等を含む電子部品についても小型化及び高容量化が望まれている。積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層と複数の内部電極層とが交互に積層された構造を有し、これらの誘電体層及び内部電極層を薄膜化することにより、小型化及び高容量化を図ることができる。
【0003】
積層セラミックコンデンサは、例えば、次のように製造される。まず、チタン酸バリウム(BaTiO

)等の誘電体粉末及びポリブチラール樹脂(PVB)等のバインダー樹脂を含有するグリーンシートの表面上に、内部電極用の導電性ペーストを所定の電極パターンで印刷(塗布)し、乾燥して、乾燥膜を形成する。次に、乾燥膜とグリーンシートとが交互に重なるように積層、加熱圧着して一体化した状態である、積層体を形成する。この積層体を切断し、酸化性雰囲気または不活性雰囲気で脱有機バインダー処理を施した後、焼成を行い、焼成チップを得る。次いで、焼成チップの両端部に外部電極用ペーストを塗布し、焼成後、外部電極表面にニッケルメッキ等を施して、積層セラミックコンデンサ(MLCC)が得られる。また、内部電極用の導電性ペーストは、ニッケル粉末等の導電性粉末、チタン酸バリウム粉末などのセラミック粉末、有機バインダー及び溶剤を含有する。
【0004】
近年、MLCCは更なる小型・大容量化が求められており、例えば、ニッケル等を用いた内部電極については緻密かつ連続性の優れた電極膜の薄層化、セラミック誘電体材料及びそれを用いた誘電体層については高誘電率化及び薄層化が検討されており、すでに誘電体層厚が1.0μm以下のものも実用化されている。そして、電極層についても、1.0μm以下とすることが望まれている。
【0005】
内部電極層の薄層化が進むと電極層の表面に凹凸が生じやすくなり、電極層の凸部に電界が集中することが要因で誘電体層の絶縁抵抗が低下すると言われているため、さらなる電極層表面の平滑化が要求されている。
【0006】
また、MLCCが薄層化すると、グリーンシートと内部電極層との密着性が低下し、積層時の接着不足からめくれや積層ズレが多発するといった課題が生じる。
【0007】
この接着不良は、例えば、積層セラミックコンデンサでは、ショート不良の発生等を招く原因となる。特に、MLCCの多層化の要請から、微細な粒子の誘電体粉末を用いて1層当りの誘電体層の厚みを薄くし、また、積層数を多くする必要があるため、その接着不良の改善が望まれる。グリーンシート間の接着が弱いと、焼成でデラミネーション、ボイド、クラック等の構造不良を引き起こし、MLCCの歩留まりを低下させる。
【0008】
このような接着不良を改善するには、導電性ペースト膜を形成した複数のセラミックグリーンシートを積層する際、導電性ペーストからなる塗膜の表面を平滑にすることで、導電性ペースト膜とセラミックグリーンシートとの接触面積を増加させ、その結果、密着性を向上させることができる。
【0009】
そのため、有機バインダーにエチルセルロース(EC)等セルロース系の樹脂が主として用いられてきたが、セルロース系の樹脂は導電性ペーストに用いる各種溶剤との相溶性が高く、目的とするレオロジー特性を導電性ペーストに付与することが可能であり、導電性ペーストからなる塗膜表面の平滑化に有効である。その反面、セルロース系の樹脂は余り熱可塑性を持たないため、熱圧着時に導電性ペーストの乾燥体部分が上面のグリーンシートと密着性を有しないという特性を有している。
【0010】
そのため、導電性ペーストのバインダー樹脂にブチラール樹脂を用いると、内部電極とグリーンシートの密着性を向上させることができる。特許文献1では、内部電極用ペーストの有機バインダー樹脂としてエチルセルロースと、ポリビニルブチラールとの混合系を用いることが好ましいことを開示している。
(【0011】以降は省略されています)

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