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公開番号2025096053
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212523
出願日2023-12-15
発明の名称延伸積層フィルム、袋及び生肉包装体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B32B 27/30 20060101AFI20250619BHJP(積層体)
要約【課題】バリア層として塩化ビニリデン共重合体を用いた場合であっても、延伸安定性及び収縮性能に優れるとともに、弾性率が低く、デラミネーション性にも優れた延伸積層フィルムを提供する。
【解決手段】内表面層10と、内表面層10上に形成された接着層(A)20と、接着層(A)20上に形成されたバリア層30と、バリア層30上に形成された接着層(B)40と、接着層(B)40上に形成された外表面層50と、を備えた延伸積層フィルム100であり、外表面層は、ポリアミド樹脂を含み、延伸積層フィルム100全体における外表面層50の占める厚さの割合が0.1%以上1.0%未満であり、バリア層は、塩化ビニリデン(VDC)共重合体を含み、23℃における縦方向及び横方向の引張弾性率がいずれも50MPa以上200MPa未満であり、且つ、80℃における縦方向及び横方向の熱収縮率がいずれも35%以上60%未満である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内表面層と、該内表面層上に形成された接着層(A)と、該接着層(A)上に形成されたバリア層と、該バリア層上に形成された接着層(B)と、該接着層(B)上に形成された外表面層と、を備えた延伸積層フィルムであって、
前記外表面層は、ポリアミド樹脂を含み、
前記延伸積層フィルム全体における前記外表面層の占める厚さの割合が0.1%以上1.0%未満であり、
前記バリア層は、塩化ビニリデン(VDC)共重合体を含み、
23℃における縦方向及び横方向の引張弾性率がいずれも50MPa以上200MPa未満であり、且つ、80℃における縦方向及び横方向の熱収縮率がいずれも35%以上60%未満であることを特徴とする、延伸積層フィルム。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記塩化ビニリデン(VDC)共重合体における前記塩化ビニルの含有量が、10質量%以上20質量%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の延伸積層フィルム。
【請求項3】
前記バリア層は、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)を0.1質量%以上10質量%未満含むことを特徴とする、請求項1に記載の延伸積層フィルム。
【請求項4】
前記塩化ビニリデン(VDC)共重合体におけるリワーク塩化ビニリデン(VDC)共重合体の含有比率が、20質量%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の延伸積層フィルム。
【請求項5】
前記バリア層は、脂肪酸アルカリ土類金属塩を0.1質量%以上1質量%未満含むことを特徴とする、請求項1に記載の延伸積層フィルム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の延伸積層フィルムを用いた袋であって、
前記外表面層が袋の外面を構成し、前記内表面層が袋の内面を構成することを特徴とする、袋。
【請求項7】
請求項6に記載の袋を用いて生肉を包装したことを特徴とする、生肉包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸積層フィルム、袋及び生肉包装体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に肉類、加工肉類、水産加工品、機械部品等の包装には延伸積層フィルムが用いられる。延伸積層フィルムは様々な性質を有する各層により、用途に応じた機能が付与される。熱収縮包装に用いられる延伸積層フィルムに必要とされる性質には、以下が挙げられる。
【0003】
(1)熱収縮性:熱によりフィルムが収縮する性質である。延伸し易い層により付与される。熱収縮性を有するフィルムで真空包装された製品に温水シャワー、熱風、温水槽等により熱をかけると、フィルムが内容物に密着して製品の外観が良好となる。
(2)バリア性:酸素等を遮断する性質である。酸素等を通さない層により付与される。例えば塩化ビニリデン共重合体や、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、アミド樹脂等の層を有する積層フィルムは酸素バリア性を示す。内容物の長期保存が可能となる。
(3)透明性:フィルムの透明度を示す性質である。フィルム各層の熱収縮率の差により影響を受ける。製品の外観の点で重要な性質である。
(4)ヒートシール性:熱によりフィルム同士が接着する性質である。融解温度の低い層により付与される。フィルムでできた袋の口を熱によって閉じることが可能となる。
(5)重ねシール性:フィルムでできた袋の口をヒートシールする際に、複数の袋の熱をかける部分を重ね、まとめてヒートシールしても、袋同士が溶着しないという性質である。単位時間あたりの包装袋数を増加させることができる。
【0004】
このような課題を解決するべく、多くの技術が検討されている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、フィルムの表面層としてエチレン-α-オレフィン共重合体を用い、電子線架橋したフィルムが記載されている。このようなフィルムは、熱収縮性、透明性の向上が可能となるが、重ねシール性に劣るという問題があった。
また、特許文献3及び4には、一方の表面層の融解温度がもう一方の表面層の融解温度より少なくとも20℃高い熱収縮性積層フィルムが記載されている。特許文献3及び4のフィルムは耐バーンスルー性(burn-through resistance)が良好であり、インパルスシール性に優れるとされているが、大きく熱収縮した場合に白化が顕著となり、透明性が著しく悪化するという問題があった。
【0005】
また、特許文献5には、表面層(A)、接着層(A)、バリア層、表面層(B)の少なくとも4層が順に積層された延伸積層フィルムであって、
前記表面層(A)の融解温度が、前記表面層(B)の融解温度より特定の範囲だけ高く、前記バリア層が塩化ビニリデン共重合体からなり、バリア層の融解温度が特定の範囲である、延伸積層フィルムが開示されている。この特許文献5の技術によれば、上述した、熱収縮性、バリア性、透明性、ヒートシール性及び重ねシール性のいずれにも優れた効果を奏することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表昭64-500180号公報
特開平9-39179号公報
特表2002-531288号公報
特表2003-523290号公報
国際公開第2008/099799号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献5に開示された延伸積層フィルムについては、上述したように優れた効果を奏することができるものの、バリア層として使用している塩化ビニリデン共重合体は、収縮率や熱安定性が低下する場合があり、また、弾性率が高くなるためフィルムの硬化を招く場合もあることから、これらの点についてはさらなる改善が望まれていた。
さらに、熱収縮性が高くなると、外表面層(表面層(A))が剥がれやすくなる傾向があり、層間接着性(デラミネーション性)についても、さらなる改善が望まれていた。
【0008】
そのため、本発明は、バリア層として塩化ビニリデン共重合体を用いた場合であっても、延伸安定性及び収縮性能に優れるとともに、弾性率が低く、デラミネーション性にも優れた延伸積層フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、バリア層として塩化ビニリデン共重合体を用いた場合であっても、延伸安定性及び収縮性能に優れるとともに、弾性率が低く、デラミネーション性にも優れた延伸積層フィルムを用いた袋、並びに、該袋を用いて生肉を包装した生肉包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、内表面層と、該内表面層上に形成された接着層(A)と、該接着層(A)上に形成されたバリア層と、該バリア層上に形成された接着層(B)と、該接着層(B)上に形成された外表面層と、を備えた延伸積層フィルムについて、上述した課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、バリア層を、特定の塩化ビニリデン(VDC)共重合体から構成し、23℃における縦方向及び横方向の引張弾性率並びに80℃における縦方向及び横方向の熱収縮率について適正化を図ることによって、塩化ビニリデン(VDC)共重合体を使用した場合であっても、延伸安定性及び収縮性能を良好に確保し、弾性率についても低減できることを見出した。加えて、延伸積層フィルム全体における前記外表面層の占める厚さの割合を、0.1%以上1.0%未満と小さくすることで、積層体の収縮率が高くなった場合も、外表面層が剥離せず、良好なデラミネーション性が得られることも見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
(1)内表面層と、該内表面層上に形成された接着層(A)と、該接着層(A)上に形成されたバリア層と、該バリア層上に形成された接着層(B)と、該接着層(B)上に形成された外表面層と、を備えた延伸積層フィルムであって、
前記外表面層は、ポリアミド樹脂を含み、
前記延伸積層フィルム全体における前記外表面層の占める厚さの割合が0.1%以上1.0%未満であり、
前記バリア層は、塩化ビニリデン(VDC)共重合体を含み、
23℃における縦方向及び横方向の引張弾性率がいずれも50MPa以上200MPa未満であり、且つ、80℃における縦方向及び横方向の熱収縮率がいずれも35%以上60%未満であることを特徴とする、延伸積層フィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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