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公開番号2025100527
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2024226689
出願日2024-12-23
発明の名称ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 77/00 20060101AFI20250626BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、高い相対粘度でありながら、実生産装置を想定した大型機器においても溶融加工性や表面外観が良い低溶融せん断粘度のポリアミド樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリアミド樹脂と無機充填材とを含むポリアミド樹脂組成物であって、ギ酸相対粘度(RV)が、70以上400以下であり、前記ポリアミド樹脂組成物の融点+15℃、せん断速度1000sec-1における溶融せん断粘度[η]Pa・sが下記一般式(I)
[η]≦0.7×[RV]+7×[無機充填材]+100 ・・・ (I)
(式(I)中、[η]は溶融せん断粘度(Pa・s)、[RV]はポリアミド樹脂組成物のギ酸相対粘度、[無機充填材]は無機充填材含有量(質量%)を表す。)
を満たすことを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド樹脂と無機充填材とを含むポリアミド樹脂組成物であって、
ギ酸相対粘度(RV)が、70以上400以下であり、
前記ポリアミド樹脂組成物の融点+15℃、せん断速度1000sec
-1
における溶融せん断粘度[η]Pa・sが下記一般式(I)を満たす、ポリアミド樹脂組成物。
[η]≦0.7×[RV]+7×[無機充填材]+100 ・・・ (I)
(式(I)中、[η]は溶融せん断粘度(Pa・s)、[RV]はポリアミド樹脂組成物のギ酸相対粘度、[無機充填材]は無機充填材含有量(質量%)を表す。)
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610及びポリアミド612からなる群より選択される少なくとも1種のポリアミド樹脂である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記無機充填材が、数平均繊維径が3μm以上15μm以下のガラス繊維である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記無機充填材が、数平均繊維径が3μm以上9μm以下のガラス繊維である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
ギ酸相対粘度(RV)が25以上70以下であるポリアミド樹脂100質量部に対して、無機充填材を5質量部以上100質量部以下添加し、溶融混練して溶融混練物ペレットを得る溶融混練工程と、
前記溶融混練物ペレットを下記一般式(II):
Tm-130≦T≦Tm-10 ・・・ (II)
(式(II)中、Tは設定温度(℃)、Tmは前記ポリアミド樹脂の融点(℃)を表す。)
を満たす設定温度T℃として固相重合を行い、ポリアミド樹脂組成物を得る加熱工程とを含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記加熱工程において、昇温開始からの加熱時間10時間以上50時間以下で固相重合を行う、請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
前記加熱工程において、絶対圧0.015MPa以下の減圧度、または不活性ガス気流下で固相重合を行う、請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
前記ポリアミド樹脂組成物の融点+15℃、せん断速度1000sec
-1
における溶融せん断粘度[η]Pa・sが下記一般式(III)を満たす、請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
0.7×[RV]+7×[無機充填材]+50<[η]≦0.7×[RV]+7×[無機充填材]+100 ・・・ (III)
(式(III)中、[η]は溶融せん断粘度(Pa・s)、[RV]はポリアミド樹脂組成物のギ酸相対粘度、[無機充填材]は無機充填材含有量(質量%)を表す。)
【請求項9】
前記ポリアミド樹脂組成物の融点+15℃、せん断速度1000sec
-1
における溶融せん断粘度[η]Pa・sが下記一般式(IV)を満たす、請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
0.7×[RV]+7×[無機充填材]-50≦[η]≦0.7×[RV]+7×[無機充填材]+50 ・・・ (IV)
(式(IV)中、[η]は溶融せん断粘度(Pa・s)、[RV]はポリアミド樹脂組成物のギ酸相対粘度、[無機充填材]は無機充填材含有量(質量%)を表す。)
【請求項10】
ギ酸相対粘度(RV)が25以上70以下である熱可塑性樹脂100質量部に対して、ガラス繊維5質量部以上100質量部以下を添加し、溶融混練して溶融混練物を得る溶融混練工程と、
前記溶融混練物を、下記式(V)で表される範囲内の温度T1℃で加熱し乾燥させるプレ乾燥工程と、
前記プレ乾燥工程を経た後、下記式(VI)で表される範囲内の温度T2℃で加熱し、熱可塑性樹脂組成物を得る加熱工程と、
を含む、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
Tm-185≦T1<Tm-130 ・・・(V)
(式(V)中、Tmは前記熱可塑性樹脂の融点(℃)である。)
Tm-130≦T2≦Tm-10 ・・・(VI)
(式(VI)中、Tmは前記熱可塑性樹脂の融点(℃)である。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、優れた特性を示すことから、自動車、機械、電気及び電子部品の製造等、各種の機械や部品の製造に利用されている。中でもポリアミド樹脂は特に、機械的特性や耐摩耗性に優れているため、ギア、カム、軸受等の摺動部品の成形材料として広く利用されている。
【0003】
近年は、自動車分野で燃費向上のための軽量化、コスト低減、組立工程合理化の観点から、従来金属が使用されている自動車部品をガラス繊維強化ポリアミド樹脂に変える動きが顕著である。
各種機械や部品の更なる高性能化のため、樹脂成分を高分子量化した樹脂組成物の要求が高まっている一方で、さらに加工性に優れた材料が求められている。
【0004】
高分子量の樹脂組成物を得る方法としては、高分子量の樹脂を押出機で溶融混練する方法、低分子量の樹脂を押出機で溶融混練してペレット状物を得た後加熱工程(以下、固相重合と称することがある)を行うことで高分子量化をする方法等が知られている。
【0005】
特許文献1及び2は非晶状態にある結晶性ポリアミド粒子をあらかじめ加熱処理して結晶化を促進した後、固相重合することで壁面融着や融着塊が発生することを抑止する方法が記載されている。
【0006】
特許文献3は重合により末端調整した低縮合物を固相重合することで耐熱変色性及び溶融成形時のアウトガスによる金型汚れを抑制する方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、電力パワーステアリングのギアなどの摺動部品の製造に有利に利用されるガラス繊維含有ポリアミド樹脂組成物を提供することを目的として、数平均分子量が23000~50000のポリアミド66を30~90質量%そして平均繊維径が4~8μmのガラス繊維を70~10質量%含むポリアミド樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開1996-73587号公報
特開2001-233958号公報
国際公開第2020/122170号
国際公開第2006/54774号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~4に記載の発明は、いずれも高分子量の樹脂組成物を製造できるものの、実生産装置を想定した大型機器での効果は示されていない。大型機器での製造においては加熱ムラなどによる製品ばらつきが生じやすく、結果として溶融加工性や表面外観に問題が生じやすい。
【0010】
また、小径のガラス繊維を用いたポリアミド樹脂組成物は優れた各種物性を有する一方で、一般径のガラス繊維に比べて製造時に低分子のポリアミド分解物(オリゴマー)を発生しやすいという課題がある。オリゴマーの発生に伴い製造装置の排気ラインを詰まらせるなどの製造トラブルが発生し、生産効率を下げる一因となる。
(【0011】以降は省略されています)

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