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公開番号2025108361
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2024210777
出願日2024-12-03
発明の名称分岐ポリオキシメチレン樹脂
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 2/18 20060101AFI20250715BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、球晶サイズが小さく、機械強度に優れる分岐ポリオキシメチレン樹脂を提供することにある。
【解決手段】本発明の分岐ポリオキシメチレン樹脂は、一般式(1)で表される構造を含み、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が10万~50万である、ことを特徴としている。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025108361000006.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">45</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">169</com:WidthMeasure> </com:Image>
(aは、1~4のいずれかの整数である。Rは、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、Rが複数ある場合は少なくとも一部のR同士が結合していても良い。n、m及びzは、各々独立に、1~1200のいずれかの整数である)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造を含み、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が10万~50万である、ことを特徴とする分岐ポリオキシメチレン樹脂。
TIFF
2025108361000005.tif
45
169
(aは、1~4のいずれかの整数である。Rは、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、Rが複数ある場合は少なくとも一部のR同士が結合していても良い。n、m及びzは、各々独立に、1~1200のいずれかの整数である)
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
下記で示されるコモノマー導入量が0.0009~0.3mol%である、請求項1に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
コモノマー導入量;

H-NMR測定により算出される主鎖ユニット(-CH

O-)由来ピークの積分値とコモノマーユニット(-CO-(CHR)a-CO―)由来ピークの積分値を、それぞれのプロトン数で除した値を各ユニット値とし、前記コモノマーユニット値の百分率(コモノマーユニット値÷(主鎖ユニット値+コモノマーユニット値)×100)をコモノマー導入量とする。
【請求項3】
融点が172℃以上である、請求項1に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
【請求項4】
以下に示す方法で測定した平均球晶サイズが70μm以下である、請求項1に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
重合して得られたパウダーを140℃の熱プレス機でフィルム状にした後に、偏光顕微鏡で室温から190℃まで300℃/minで加熱し、175℃まで放冷する。175℃から156℃まで10℃/minで冷却する過程で、球晶が確認できてから20秒後の全球晶サイズを測定する。
【請求項5】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における分子量100万以上の成分の面積比率が5.0%以上である、請求項1に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂を含む、樹脂成形体。
【請求項7】
電気部品、電子部品、又は自動車部品である、請求項6に記載の樹脂成形体。
【請求項8】
ギア、又はスルーアンカー部品である、請求項6に記載の樹脂成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐ポリオキシメチレン樹脂に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオキシメチレンは機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その加工が容易であることにより、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気部品、電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。近年その利用範囲の拡大に伴い、次第に高度な特性が要求される傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第2517698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に自動車向けのギア部品において、耐久性の観点から、より高い機械物性への要求が高まってきている。例えば、特許文献1では、1,3,5-トリオキサンをモノマーに用いたカチオン重合で分岐部位を導入したポリオキシメチレンにおいて、分岐部位が結晶核剤として働き、球晶サイズが小さくなることで成形残留歪が抑えられ機械物性が向上することが開示されている。
【0005】
しかしながら、カチオン重合で得られるポリオキシメチレンは、一般的にオリゴマーの存在や融点が低くなることから機械強度が低く、上記要求に応えるには不十分である。
そこで本発明の目的は、球晶サイズが小さく、機械強度に優れる分岐ポリオキシメチレン樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
下記一般式(1)で表される構造を含み、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が10万~50万である、ことを特徴とする分岐ポリオキシメチレン樹脂。
TIFF
2025108361000001.tif
46
168
(aは、1~4のいずれかの整数である。Rは、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、Rが複数ある場合は少なくとも一部のR同士が結合していても良い。n、m及びzは、各々独立に、1~1200のいずれかの整数である)
[2]
下記で示されるコモノマー導入量が0.0009~0.3mol%である、[1]に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
コモノマー導入量;

H-NMR測定により算出される主鎖ユニット(-CH

O-)由来ピークの積分値とコモノマーユニット(-CO-(CHR)a-CO―)由来ピークの積分値を、それぞれのプロトン数で除した値を各ユニット値とし、前記コモノマーユニット値の百分率(コモノマーユニット値÷(主鎖ユニット値+コモノマーユニット値)×100)をコモノマー導入量とする。
[3]
融点が172℃以上である、[1]又は[2]に記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
[4]
以下に示す方法で測定した平均球晶サイズが70μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
重合して得られたパウダーを140℃の熱プレス機でフィルム状にした後に、偏光顕微鏡で室温から190℃まで300℃/minで加熱し、175℃まで放冷する。175℃から156℃まで10℃/minで冷却する過程で、球晶が確認できてから20秒後の全球晶サイズを測定する。
[5]
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における分子量100万以上の成分の面積比率が5.0%以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載の分岐ポリオキシメチレン樹脂を含む、樹脂成形体。
[7]
電気部品、電子部品、又は自動車部品である、[6]に記載の樹脂成形体。
[8]
ギア、又はスルーアンカー部品である、[6]に記載の樹脂成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の分岐ポリオキシメチレン樹脂は、上記構成を有するため、球晶サイズが小さく、機械強度に優れる
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例2の分岐ポリオキシメチレン樹脂の球晶写真である。
比較例1の分岐ポリオキシメチレン樹脂の球晶写真である。
実施例5、6と比較例1のポリオキシメチレン樹脂のGPCチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる
【0010】
<分岐ポリオキシメチレン樹脂>
本実施形態における分岐ポリオキシメチレン樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を含むことを特徴とする。
TIFF
2025108361000002.tif
45
168
aは1~4のいずれかの整数であり、好ましくは2~3、より好ましくは2である。
Rは、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、Rが複数ある場合は少なくとも一部のR同士が結合していても良い。上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、これらの組み合わせ、であってよい。上記Rは、置換されていてもよい炭素数1~20の上記アルキル基と置換されていてもよい上記アリール基との組み合わせであってもよい。上記アリール基の炭素数は、6~10であることが好ましく、より好ましくは6~8である。R同士が結合する場合、複数のRを含む環構造を形成してよい。上記環構造は、aが2であって、2つのRが結合した、置換されていてもよい炭素数3~10の脂環式炭化水素又は芳香環であることが好ましく、置換されていてもよい炭素数3~6の脂環式炭化水素又は芳香環であることがより好ましく、置換されていてもよい炭素数3~6の脂環式炭化水素がさらに好ましい。上記アルキル基、上記アリール基、及び上記環構造における置換基としては、炭素数1~15の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1~15のアルケニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、これらの組み合わせ、が挙げられる。
n、m及びzは、各々独立に、1~1200のいずれかの整数であり、1~1000のいずれかの整数であることが好ましい。
本実施形態の分岐ポリオキシメチレン樹脂は、両末端が水素原子又は後述の末端基(例えば、後述のエステル化剤及び/又はエステル化触媒を用いて導入した末端基)である一般式(1)で表される構造のみからなることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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