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公開番号2025079643
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023192453
出願日2023-11-10
発明の名称音処理装置及び車載オーディオシステム
出願人ヤマハ株式会社
代理人弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類G10K 11/175 20060101AFI20250515BHJP(楽器;音響)
要約【課題】妨害効果を維持しつつ第1ゾーンにおいて聞こえる妨害音を小さくできる。
【解決手段】音処理装置30は、第1フィルタ群FG1と、第2フィルタ群FG2と、を備えている。第1フィルタ群FG1は、第1ゾーンZN1に配置された第1スピーカセット41から出力される第1妨害音を制御する。第2フィルタ群FG2は、第1ゾーンZN1に近接する第2ゾーンZN2に配置された第2スピーカセット42から出力される第2妨害音を制御する。第1フィルタ群FG1の特性及び第2フィルタ群FG2の特性は、第2ゾーンZN2において聞こえる第1妨害音の音量と第2妨害音の音量との合計が、第1ゾーンZN1において聞こえる第1妨害音の音量と第2妨害音の音量との合計よりも大きくなるように設定されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
第1音信号が入力され、第1ゾーンに配置された1以上のスピーカを含む第1スピーカセットから出力される第1妨害音を制御する1以上のフィルタを含む第1フィルタ群と、
前記第1音信号が入力され、前記第1ゾーンに近接する第2ゾーンに配置された1以上のスピーカを含む第2スピーカセットから出力される第2妨害音を制御する1以上のフィルタを含む第2フィルタ群と、
を備え、
前記第1フィルタ群の特性及び前記第2フィルタ群の特性は、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計が、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計よりも大きくなるように設定されている、
音処理装置。
続きを表示(約 3,300 文字)【請求項2】
第2音信号が入力され、前記第1スピーカセットから出力される第1再生音を制御する1以上のフィルタを含む第3フィルタ群と、
前記第2音信号が入力され、前記第2スピーカセットから出力される第2再生音を制御する1以上のフィルタを含む第4フィルタ群と、
をさらに備え、
前記第3フィルタ群の特性及び前記第4フィルタ群の特性は、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1再生音の音量と前記第2再生音の音量との合計が、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1再生音の音量と前記第2再生音の音量との合計よりも大きくなるように設定されている、
請求項1に記載の音処理装置。
【請求項3】
前記第1スピーカセット及び前記第2スピーカセットは合計L個のスピーカを有し、
前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンを含む全体のゾーンに、仮想的にM個の仮想マイクが配置されることを想定し、
前記第1フィルタ群の特性及び前記第2フィルタ群の特性は、
M行L列の行列により表され、前記第1フィルタ群及び前記第2フィルタ群の入力から前記M個の仮想マイクの出力までの伝達特性を示す伝達関数行列H
M×L
と、
L行1列の行列により表され、当該L行1列の行列の各成分がそれぞれ前記第1フィルタ群内の各フィルタの特性及び前記第2フィルタ群内の各フィルタの特性を示す特性関数g
jammer
と、
M行1列の行列により表され、当該M行1列の行列の各成分が前記M個の仮想マイクのそれぞれから出力される前記第1妨害音に対応する電力の目標値及び前記M個の仮想マイクのそれぞれから出力される前記第2妨害音に対応する電力の目標値を示す目標関数d
jammer
とが、

M×L
*g
jammer
=d
jammer
の関係を満たす前記特性関数g
jammer
の近似解を算出することにより得られる、
請求項1に記載の音処理装置。
【請求項4】
前記第1スピーカセット及び前記第2スピーカセットは合計L個のスピーカを有し、
前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンを含む全体のゾーンに、仮想的にM個の仮想マイクが配置されることを想定し、
前記第3フィルタ群の特性及び前記第4フィルタ群の特性は、
M行L列の行列により表され、前記第3フィルタ群及び前記第4フィルタ群の入力から前記M個の仮想マイクの出力までの伝達特性を示す伝達関数行列H
M×L
と、
L行1列の行列により表され、当該L行1列の行列の各成分がそれぞれ前記第3フィルタ群内の各フィルタの特性及び前記第4フィルタ群内の各フィルタの特性を示す特性関数g
voice
と、
M行1列の行列により表され、当該M行1列の行列の各成分が前記M個の仮想マイクのそれぞれから出力される前記第1再生音に対応する電力の目標値及び前記M個の仮想マイクのそれぞれから出力される前記第2再生音に対応する電力の目標値を示す目標関数d
voice
とが、

M×L
*g
voice
=d
voice
の関係を満たす前記特性関数g
voice
の近似解を算出することにより得られる、
請求項2に記載の音処理装置。
【請求項5】
前記第1フィルタ群及び前記第2フィルタ群の前段には、前記第1妨害音及び前記第2妨害音の元信号である第1元信号の高周波成分を遮断することにより第1低周波信号を出力する第1ローパスフィルタが設けられる、
請求項1に記載の音処理装置。
【請求項6】
前記第3フィルタ群及び前記第4フィルタ群の前段には、前記第1再生音及び前記第2再生音の元信号である第2元信号の高周波成分を遮断することにより第2低周波信号を出力する第2ローパスフィルタが設けられる、
請求項2に記載の音処理装置。
【請求項7】
前記第1フィルタ群及び前記第2フィルタ群の前段には、前記第1妨害音及び前記第2妨害音の元信号である第1元信号の高周波成分を遮断することにより前記第1音信号として第1低周波信号を出力する第1ローパスフィルタが設けられ、
前記第1元信号は、前記第1ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタと並列に設けられた第1ハイパスフィルタとにより、前記第1低周波信号と第1高周波信号とに分離され、
前記第1低周波信号のうち前記第1フィルタ群を通過した信号は、前記第1ハイパスフィルタの後段に設けられた第1増幅器群により前記第1高周波信号の振幅が調整された信号と合成された後、前記第1スピーカセットに入力され、
前記第1低周波信号のうち前記第2フィルタ群を通過した信号は、前記第1ハイパスフィルタの後段に設けられた第2増幅器群により前記第1高周波信号の振幅が調整された信号と合成された後、前記第2スピーカセットに入力され、
前記第2元信号は、前記第2ローパスフィルタと、前記第2ローパスフィルタと並列に設けられた第2ハイパスフィルタとにより、前記第2低周波信号と第2高周波信号とに分離され、
前記第2低周波信号のうち前記第3フィルタ群を通過した信号は、前記第2ハイパスフィルタの後段に設けられた第3増幅器群により前記第2高周波信号の振幅が調整された信号と合成された後、前記第1スピーカセットに入力され、
前記第2低周波信号のうち前記第4フィルタ群を通過した信号は、前記第2ハイパスフィルタの後段に設けられた第4増幅器群により前記第2高周波信号の振幅が調整された信号と合成された後、前記第2スピーカセットに入力され、
前記第1ローパスフィルタのカットオフ周波数、前記第1ハイパスフィルタのカットオフ周波数、前記第2ローパスフィルタのカットオフ周波数、及び前記第2ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、実質的に互いに等しい、
請求項6に記載の音処理装置。
【請求項8】
前記第1フィルタ群及び前記第2フィルタ群は、FIRフィルタにより構成される、
請求項1に記載の音処理装置。
【請求項9】
前記第3フィルタ群及び前記第4フィルタ群は、FIRフィルタにより構成される、
請求項2に記載の音処理装置。
【請求項10】
第1ゾーンに配置された第1スピーカセットと、
前記第1ゾーンに近接する第2ゾーンに配置された第2スピーカセットと、
前記第1スピーカセットから出力される第1妨害音を制御する第1フィルタ群、前記第2スピーカセットから出力される第2妨害音を制御する第2フィルタ群、前記第1スピーカセットから出力される第1再生音を制御する第3フィルタ群、及び前記第2スピーカセットから出力される第2再生音を制御する第4フィルタ群を有する音処理装置と、
を備え、
前記第1フィルタ群の特性及び前記第2フィルタ群の特性は、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計が、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計よりも大きくなるように設定されており、
前記第3フィルタ群の特性及び前記第4フィルタ群の特性は、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1再生音の音量と前記第2再生音の音量との合計が、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1再生音の音量と前記第2再生音の音量との合計よりも大きくなるように設定されている、
車載オーディオシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、音処理装置及び車載オーディオシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、車両等の運転者によるハンズフリー通話において、運転者のプライバシーを保護するため、通話をマスキングする技術が知られている。例えば、特許文献1には、受信した音声信号がクリア音声ゾーンにおいて再生されるとともに、音声マスキング・ゾーンにおいて音声をマスキングするマスク音が再生される音声再生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2018-506080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の音声再生装置では、受信した通話音声信号のスペクトル及び/又は時間的特性に基づいて、解析信号が生成される。音声再生装置は、生成された解析信号に基づいて、マスク音を示す信号が生成される。生成された信号は、音声マスキング・ゾーンに配置されたスピーカに出力される。スピーカはマスク音を出力する。しかし、マスク音は、低域の音声をマスクする効果が低いため、特に低域においてマスク音を大きくする必要がある。この結果、従来の音声再生装置は、運転者及び同乗者に違和感を与えるという課題がある。
【0005】
以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、妨害効果を維持しつつ第1ゾーンにおいて聞こえる妨害音を小さくできる音処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る音処理装置は、第1音信号が入力され、第1ゾーンに配置された1以上のスピーカを含む第1スピーカセットから出力される第1妨害音を制御する1以上のフィルタを含む第1フィルタ群と、前記第1音信号が入力され、前記第1ゾーンに近接する第2ゾーンに配置された1以上のスピーカを含む第2スピーカセットから出力される第2妨害音を制御する1以上のフィルタを含む第2フィルタ群と、を備え、前記第1フィルタ群の特性及び前記第2フィルタ群の特性は、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計が、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計よりも大きくなるように設定されている。
【0007】
本開示のひとつの態様に係る車載オーディオシステムは、第1ゾーンに配置された第1スピーカセットと、前記第1ゾーンに近接する第2ゾーンに配置された第2スピーカセットと、前記第1スピーカセットから出力される第1妨害音を制御する第1フィルタ群、前記第2スピーカセットから出力される第2妨害音を制御する第2フィルタ群、前記第1スピーカセットから出力される第1再生音を制御する第3フィルタ群、及び前記第2スピーカセットから出力される第2再生音を制御する第4フィルタ群を有する音処理装置と、を備え、前記第1フィルタ群の特性及び前記第2フィルタ群の特性は、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計が、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1妨害音の音量と前記第2妨害音の音量との合計よりも大きくなるように設定されており、前記第3フィルタ群の特性及び前記第4フィルタ群の特性は、前記第1ゾーンにおいて聞こえる前記第1再生音の音量と前記第2再生音の音量との合計が、前記第2ゾーンにおいて聞こえる前記第1再生音の音量と前記第2再生音の音量との合計よりも大きくなるように設定されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態に係る音処理装置を含む車載オーディオシステムの一例を示すブロック図である。
図1の車載オーディオシステムの一例を示す構成図である。
第1スピーカセット及び第2スピーカセットの配置の一例を示す正面図である。
第1スピーカセット及び第2スピーカセットの配置の一例を示す平面図である。
第1ゾーン及び第2ゾーンに配置されたスピーカ及び仮想マイクについての説明図である。
第1変形例に係る第1ゾーン及び第2ゾーンに配置されたスピーカ及び仮想マイクについての説明図である。
第2変形例に係る第1スピーカセット及び第2スピーカセットの配置の一例を示す正面図である。
第3変形例に係る第1スピーカセット及び第2スピーカセットの配置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A:第1実施形態
A1:音処理装置の構成
図1は、第1実施形態に係る音処理装置30を含む車載オーディオシステム1の一例を示すブロック図である。図2は、図1の車載オーディオシステム1の一例を示す構成図である。図3は、第1スピーカセット41及び第2スピーカセット42の配置の一例を示す正面図である。図4は、第1スピーカセット41及び第2スピーカセット42の配置の一例を示す平面図である。
【0010】
車載オーディオシステム1は、例えば、自動車等の車両に搭載されている。図1及び図2に示したように、車載オーディオシステム1は、記憶装置10、音発生装置20、音処理装置30、及びスピーカ装置40を有している。
(【0011】以降は省略されています)

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