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公開番号2025086490
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200492
出願日2023-11-28
発明の名称レーザ加工装置およびレーザ加工方法
出願人イビデン株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類B23K 26/386 20140101AFI20250602BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】層間絶縁層にレーザビームで穴空け加工を行う際の層間絶縁層の加工不足と導体層の加工過剰を防止する。
【解決手段】樹脂製の層間絶縁層と金属製の導体層とが積層されたビルドアップ層の層間絶縁層にレーザビームを照射して穴空け加工を行うレーザ加工装置であって、レーザ光源1が出射したレーザビームを通過させまたは遮断するAOM2と、レーザビームを偏向させて穴明け加工位置を走査するビーム走査機構6と、偏向したレーザビームを層間絶縁層の表面に垂直に入射させて収束させるFθレンズ7と、収束されたレーザビームによって発生するプラズマ光のうち所定波長のプラズマ光を透過させるバンドパスフィルタ9と、所定波長のプラズマ光の受光強度に応じた強度の電気信号を出力する光センサ10と、その出力信号強度変化に基づきレーザビームの通過および遮断とレーザビームによる穴明け加工位置の走査とを行わせる加工制御装置12とを具える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
プリント配線板を構成する、樹脂製の層間絶縁層と金属製の導体層とが積層されたビルドアップ層にレーザビームを照射して穴空け加工を行うレーザ加工装置であって、
レーザビームを出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザビームを通過させまたは遮断するビーム制御手段と、
前記ビーム制御手段を通過したレーザビームを偏向させて前記層間絶縁層の穴明け加工位置を走査するビーム走査手段と、
前記ビーム走査手段で偏向したレーザビームを前記層間絶縁層の表面に垂直に入射させてその入射位置で収束させるFθレンズと、
前記Fθレンズの近傍に1または複数配置され、前記Fθレンズで収束されたレーザビームによる前記層間絶縁層の穴空け加工に伴って発生するプラズマ光のうちの前記導体層を形成する金属に対応する特定波長のプラズマ光を透過させるバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタと対になり、前記バンドパスフィルタを透過した前記特定波長のプラズマ光を受光してその受光強度に応じた強度の電気信号を出力する光センサと、
前記光センサの出力信号強度の変化に基づき、前記ビーム制御手段でのレーザビームの通過および遮断と、前記ビーム走査手段でのレーザビームの偏向による前記層間絶縁層の穴明け加工位置の走査とを行わせる加工制御手段と、
を具えている。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1記載のレーザ加工装置であって、前記導体層を形成する金属は銅である。
【請求項3】
請求項1記載のレーザ加工装置であって、プリント配線板を支持するとともにそのプリント配線板をその表面に平行に移動させて、前記Fθレンズからのレーザビームの入射位置を前記プリント配線板に対し相対的に移動させるプリント配線板移動手段を具えている。
【請求項4】
請求項1記載のレーザ加工装置であって、
前記レーザ光源が、短パルスUVレーザビームを出射し、
前記加工制御手段が、前記層間絶縁層に形成されたビアホール内に露出した前記導体層からの前記特定波長のプラズマ光を受光したことを示す指定強度を超えた強度の光センサからの信号の数をカウントして、その指定強度を超えた信号の数が、ビアホールのボトム径の確保に必要なレーザビームのパルス数を示す指定数に到達したら、前記ビーム制御手段に短パルスUVレーザビームを遮断させる。
【請求項5】
プリント配線板を構成する、樹脂製の層間絶縁層と金属製の導体層とが積層されたビルドアップ層にレーザビームを照射して穴空け加工を行うレーザ加工方法であって、
レーザ光源がレーザビームを出射するステップと、
前記レーザ光源から出射されたレーザビームをビーム制御手段が通過させまたは遮断するステップと、
前記ビーム制御手段を通過したレーザビームをビーム走査手段が偏向させて前記層間絶縁層の穴明け加工位置を走査するステップと、
前記ビーム走査手段で偏向したレーザビームをFθレンズで前記層間絶縁層の表面に垂直に入射させてその入射位置で収束させるステップと、
前記Fθレンズの近傍に1または複数配置されたバンドパスフィルタで、前記Fθレンズで収束させたレーザビームによる前記層間絶縁層の穴空け加工に伴って発生するプラズマ光のうちの前記導体層を形成する金属に対応する特定波長のプラズマ光を透過させるステップと、
前記バンドパスフィルタを透過した前記特定波長のプラズマ光を光センサで受光して、前記光センサから前記特定波長のプラズマ光の受光強度に応じた強度の電気信号を出力させるステップと、
前記光センサの出力信号強度の変化に基づき加工制御手段が、前記ビーム制御手段でのレーザビームの通過および遮断と、前記ビーム走査手段でのレーザビームの偏向による前記層間絶縁層の穴明け加工位置の走査とを行わせるステップと、
を含んでいる。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の絶縁層にレーザビームを照射してビアホールの穴空け加工を行うレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プリント配線板の技術分野では電子回路の高密度化のために、例えば樹脂等からなる基部絶縁層の片面または両面上に銅等からなる導体層を積層して形成したコア基板上に単層または複数層のビルドアップ層を積層して、多層プリント配線板を形成することが知られている。
【0003】
ビルドアップ層は、例えば樹脂等からなる層間絶縁層と銅等からなる導体層とが交互に積層されて形成されている。そしてビルドアップ層には層間絶縁層を貫通するビアホールが形成され、コア基板の導体層とビルドアップ層の導体層間および、複数層のビルドアップ層の導体層間は、そのビアホール内に設けられたビアホール導体が電気的に接続している。
【0004】
ビアホール導体用の貫通穴であるビアホールは極めて小径かつ多数であるため、プリント配線板のビルドアップ層の層間絶縁層へのビアホールの穴明け加工にはレーザ加工装置が通常用いられ、かかるレーザ加工装置としては従来、例えば特許文献1記載のものが知られている。
【0005】
このレーザ加工装置では、レーザ光源が出射したレーザビームをAOD(音響光学偏向器)とガルバノミラーとが偏向させ、偏向したレーザビームをFθレンズが層間絶縁層の表面に垂直に入射させてその入射位置で収束させる。そしてレーザビームで多数のビアホールの穴明け加工を行う際には、上記偏向によりその入射位置を少しずつ移動させて穴明け加工位置を走査し、穴明け加工位置が大きく離れている場合は、プリント配線板を水平に支持するX-Yテーブルでプリント配線板の方を大きく水平移動させる。
【0006】
またこのレーザ加工装置では、レーザビームの光路上にダイクロイックビームスプリッタを配置し、そのダイクロイックビームスプリッタを透過させたレーザビームで層間絶縁層へのビアホールの穴明け加工を行う。そして穴明け加工に伴って層間絶縁層の下の導体層から銅等のプラズマ光が発生すると、そのプラズマ光がレーザビームの光路上を戻り、ダイクロイックビームスプリッタでレーザビームの光路上から側方に反射される。ダイクロイックビームスプリッタの側方にはこの銅等のプラズマ光を受光する光センサが設けられ、その光センサが受光量に応じて電気信号を加工制御手段に出力する。この電気信号の変化に基づき加工制御手段がAODとガルバノミラーとX-Yテーブルとの作動を制御して、レーザビームの出射開始および停止と、レーザビームでの層間絶縁層の穴明け加工位置の走査と、レーザビームの入射位置の移動とを行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-130558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記従来のレーザ加工装置では、レーザビームの光路上にダイクロイックビームスプリッタを配置していることから、以下の課題がある。
(1)光路上のレーザビームがダイクロイックビームスプリッタで一部反射され、一部吸収されるため、プリント配線板の層間絶縁層に照射されるレーザビームの強度が低下する。
(2)光路上のレーザビームが強力なため、光劣化によってダイクロイックビームスプリッタのメンテナンスや交換の必要性が生じる。
(3)レーザビームの波長は殆ど透過し、プラズマ光の波長は殆ど反射するようなダイクロイックビームスプリッタが必要なところ、これらの波長が互いに近い場合は透過波長バンドと反射波長バンドとを完全には分けられず、レーザビームの波長も強く反射される。このため、プリント配線板からのレーザビームの強い反射光も光センサに入り、光センサ出力信号のS/N比の低下や光センサの破損を生じさせる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来のレーザ加工装置の課題を解決することを目的とする本発明のレーザ加工装置は、プリント配線板を構成する、樹脂製の層間絶縁層と銅等の金属製の導体層とが積層されたビルドアップ層にレーザビームを照射してビアホールの穴空け加工を行うものであって、以下の構成を具えている。
【0010】
すなわち、本発明のレーザ加工装置は、レーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザビームを通過させまたは遮断するビーム制御手段と、前記ビーム制御手段を通過したレーザビームを偏向させて前記層間絶縁層の穴明け加工位置を走査するビーム走査手段と、前記ビーム走査手段で偏向したレーザビームを前記層間絶縁層の表面に垂直に入射させてその入射位置で収束させるFθレンズと、を具えている。
(【0011】以降は省略されています)

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