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公開番号2025086869
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2024187136
出願日2024-10-24
発明の名称反射型マスクブランク及びその製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類G03F 1/24 20120101AFI20250602BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【解決手段】基板と、基板の一の主表面上に形成された露光光を反射する多層反射膜とを有し、多層反射膜が、高屈折率層と、低屈折率層と、屈折率が高屈折率層より小さく低屈折率層よりも大きい中屈折率層とを各々1つずつ含む繰り返し単位が複数積層された周期積層構造部を有し、繰り返し単位において、低屈折率層に対して、高屈折率層が基板側、中屈折率層が基板から離間する側に配置されている反射型マスクブランク。
【効果】本発明の反射型マスクブランクは、従来の多層反射膜と比べて3D効果が低減されており、本発明の反射型マスクブランクから、高い反射率を有する反射型マスクを得ることができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、前記基板の一の主表面上に形成された露光光を反射する多層反射膜とを有する反射型マスクブランクであって、
前記多層反射膜が、高屈折率層と、低屈折率層と、屈折率が高屈折率層より小さく低屈折率層よりも大きい中屈折率層とを各々1つずつ含む繰り返し単位が複数積層された周期積層構造部を有し、
前記繰り返し単位において、前記低屈折率層に対して、前記高屈折率層が前記基板側、前記中屈折率層が前記基板から離間する側に配置されていることを特徴とする反射型マスクブランク。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記繰り返し単位の高屈折率層、低屈折率層及び中屈折率層が、前記露光光の波長において、下記式(1)及び(2)

H
<k
L
(1)

M
<((k
H
-k
L
)/(n
H
-n
L
))×(n
M
-n
L
)+k
L
(2)
(式中、n
H
、n
L
及びn
M
は、各々、高屈折率層、低屈折率層及び中屈折率層の屈折率、k
H
、k
L
及びk
M
は、各々、高屈折率層、低屈折率層及び中屈折率層の消衰係数を表わす。)
の全てを満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
【請求項3】
前記高屈折率層がケイ素(Si)を含み、前記低屈折率層がルテニウム(Ru)を含み、前記中屈折率層がモリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
【請求項4】
前記多層反射膜の高屈折率層と低屈折率層との間、低屈折率層と中屈折率層との間、及び中屈折率層と高屈折率層との間の1つ以上に、中間層を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
【請求項5】
前記多層反射膜の高屈折率層と低屈折率層との間に、前記中間層を含むことを特徴とする請求項4に記載の反射型マスクブランク。
【請求項6】
前記繰り返し単位の高屈折率層、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層、低屈折率層及び中屈折率層が、前記露光光の波長において、下記式(1)、(2)及び(3)

H
<k
L
(1)

M
<((k
H
-k
L
)/(n
H
-n
L
))×(n
M
-n
L
)+k
L
(2)

I
>((k
H
-k
L
)/(n
H
-n
L
))×(n
I
-n
L
)+k
L
(3)
(式中、n
H
、n
I
、n
L
及びn
M
は、各々、高屈折率層、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層、低屈折率層及び中屈折率層の屈折率、k
H
、k
I
、k
L
及びk
M
は、各々、高屈折率層、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層、低屈折率層及び中屈折率層の消衰係数を表わす。)
の全てを満たすことを特徴とする請求項5に記載の反射型マスクブランク。
【請求項7】
前記繰り返し単位が、前記高屈折率層と、前記中間層と、前記低屈折率層と、前記中屈折率層との各々1つずつからなり、前記繰り返し単位において、前記基板側から、高屈折率層、中間層、低屈折率層、中屈折率層の順に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の反射型マスクブランク。
【請求項8】
前記多層反射膜が、前記周期積層構造部と、前記基板から最も離間する側に設けられた高屈折率層とからなることを特徴とする請求項7に記載の反射型マスクブランク。
【請求項9】
前記高屈折率層がケイ素(Si)を含み、前記中間層が、窒化ケイ素(SiN)及び窒化タンタル(TaN)の一方又は双方を含み、前記低屈折率層がルテニウム(Ru)を含み、前記中屈折率層が、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の反射型マスクブランク。
【請求項10】
前記高屈折率層がケイ素(Si)からなり、前記中間層が、窒化ケイ素(SiN)及び窒化タンタル(TaN)の一方又は双方からなり、前記低屈折率層がルテニウム(Ru)からなり、前記中屈折率層が、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項7に記載の反射型マスクブランク。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、LSIなどの半導体デバイスの製造などに使用される反射型マスクの素材である反射型マスクブランク、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイス(半導体装置)の製造工程では、転写用マスクに露光光を照射し、マスクに形成されている回路パターンを、縮小投影光学系を介して半導体基板(半導体ウェハ)上に転写するフォトリソグラフィ技術が繰り返し用いられる。従来、露光光の波長は、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いた193nmが主流となっており、露光プロセスや加工プロセスを複数回組み合わせるマルチパターニングというプロセスを採用することにより、最終的には露光波長より小さい寸法のパターンを形成してきた。
【0003】
しかし、継続的なデバイスパターンの微細化により、更なる微細パターンの形成が必要とされてきていることから、露光光としてArFエキシマレーザ光より更に波長の短い極端紫外(Extreme Ultraviolet:以下「EUV」と称す。)光を用いたEUVリソグラフィ技術が用いられるようになってきた。EUV光とは、波長が0.2~100nm程度の光であり、より具体的には、波長が13.5nm付近の光である。EUV光は、物質に対する透過性が極めて低く、従来の透過型の投影光学系やマスクが使えないことから、反射型の光学素子が用いられる。そのため、パターン転写用のマスクも反射型マスクが提案されている。
【0004】
一般的な反射型マスクは、基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成され、多層反射膜の上にEUV光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。一方、一般に、吸収体膜にパターニングする前の状態のもの(レジスト膜が形成された状態を含む。)が、反射型マスクブランクと呼ばれ、これが反射型マスクの素材として用いられる。反射型マスクブランクは、基板と、基板上に形成されたEUV光を反射する多層反射膜とを有し、多くの場合、更に、多層反射膜の上に形成されたEUV光を吸収する吸収体膜を有する基本構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-109971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
EUVリソグラフィにおいて、露光光であるEUV光は、反射型マスクに対して斜めから入射され、その入射角度は反射型マスクの主表面の法線に対して6度とすることが主流となっている。斜めから入射した露光光の一部は、吸収体パターンの側壁に遮られ、いわゆる3D効果(三次元効果、シャドーイング効果)が生じる。3D効果は、転写パターンに位置ずれや、寸法ずれを生じさせる原因となり、小さい方がパターンの微細化において好ましい。厚さが薄いほど、3D効果は小さくなるため、吸収体パターンの薄膜化が望まれる。
【0007】
一方で、吸収体パターンの厚さの他にも、多層反射膜の構造によっても、3D効果は変わる。多層反射膜による露光光であるEUV光の反射は、多層反射膜内部の各層の界面から生じた反射の重ね合わせによって生じるが、多層反射膜による露光光の反射において、多層反射膜の表面からより深い位置からの反射の寄与が大きいと、3D効果が大きくなる要因となる。従って、多層反射膜は、表面により近い位置からの反射の寄与を相対的に大きくすることが、3D効果の低減に有利である。
【0008】
一般的に、多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層した周期積層構造を有し、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)を交互に、例えば40サイクル積層した多層反射膜(Mo/Si多層反射膜)が、EUV光を効率よく反射することが知られており、現在、EUVマスクブランクにおける主流の多層反射膜として用いられている。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、3D効果が低減され、反射率が高い多層反射膜を有する反射型マスクブランク及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ルテニウム(Ru)は、モリブデン(Mo)と比較して、露光光である波長13.5nmのEUV光における屈折率がより低く、消衰係数がより大きい材料である。そのため、モリブデン(Mo)の低屈折率層よりも、ルテニウム(Ru)の低屈折率層の方が、ケイ素(Si)などを用いた高屈折率層との理想的な界面(相互拡散や粗さが無い界面)においては、より高い反射係数を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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