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公開番号
2025108706
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-23
出願番号
2025071112,2021180909
出願日
2025-04-23,2021-11-05
発明の名称
波長変換体及びそれを用いた波長変換材料
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
5/20 20060101AFI20250715BHJP(光学)
要約
【課題】
青色光に対する吸収率及び波長変換後の光取り出し効率が向上した波長変換体を提供する。
【解決手段】
波長変換体であって、半導体ナノ粒子として、波長450nmの光を波長λ
1
nmの光に変換する第1の半導体ナノ粒子と、波長450nmの光を波長λ
2
nmの光に変換する第2の半導体ナノ粒子を含み、前記波長λ
1
及び前記波長λ
2
は、λ
1
>λ
2
>450を満たし、前記第1の半導体ナノ粒子と前記第2の半導体ナノ粒子を含む前記波長変換体に、波長450nmで励起光量子数N
0
の光を照射した時の波長λ
1
における発光強度I
1b
と、半導体ナノ粒子として前記第1の半導体ナノ粒子のみを含む場合の波長変換体に、前記波長450nmで励起光量子数N
0
の光を照射した時の波長λ
1
における発光強度I
1a
との関係が、I
1a
<I
1b
を満たすものである波長変換体。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
波長変換体であって、
半導体ナノ粒子として、波長450nmの光を波長λ
1
nmの光に変換する第1の半導体ナノ粒子と、波長450nmの光を波長λ
2
nmの光に変換する第2の半導体ナノ粒子を含み、
前記波長λ
1
及び前記波長λ
2
は、λ
1
>λ
2
>450を満たし、
前記第1の半導体ナノ粒子と前記第2の半導体ナノ粒子を含む前記波長変換体に、波長450nmで励起光量子数N
0
の光を照射した時の波長λ
1
における発光強度I
1b
と、
半導体ナノ粒子として前記第1の半導体ナノ粒子のみを含む場合の波長変換体に、前記波長450nmで励起光量子数N
0
の光を照射した時の波長λ
1
における発光強度I
1a
との関係が、I
1a
<I
1b
を満たすものであり、
前記波長λ
1
が510~550nmの範囲に含まれるものであり、かつ、前記波長λ
2
が480~510nmの範囲に含まれるものであることを特徴とする波長変換体。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
波長変換体であって、
半導体ナノ粒子として、波長450nmの光を波長λ
1
nmの光に変換する第1の半導体ナノ粒子と、波長450nmの光を波長λ
2
nmの光に変換する第2の半導体ナノ粒子を含み、
前記波長λ
1
及び前記波長λ
2
は、λ
1
>λ
2
>450を満たし、
前記第1の半導体ナノ粒子と前記第2の半導体ナノ粒子を含む前記波長変換体に、波長450nmで励起光量子数N
0
の光を照射した時の波長λ
1
における発光強度I
1b
と、
半導体ナノ粒子として前記第1の半導体ナノ粒子のみを含む場合の波長変換体に、前記波長450nmで励起光量子数N
0
の光を照射した時の波長λ
1
における発光強度I
1a
との関係が、I
1a
<I
1b
を満たすものであり、
前記波長λ
1
が610~650nmの範囲に含まれるものであり、かつ、前記波長λ
2
が490~500nm又は590~600nmに含まれるものであることを特徴とする波長変換体。
【請求項3】
前記第1の半導体ナノ粒子が、In及びPを含むコア半導体と、該コア半導体を被覆する単一又は複数のシェル半導体からなる半導体ナノ粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換体。
【請求項4】
前記第1の半導体ナノ粒子の前記シェル半導体が、ZnS、ZnSe、ZnTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSbから選択されるいずれか一つ又は複数の混晶の半導体からなるものであることを特徴とする請求項3に記載の波長変換体。
【請求項5】
前記第2の半導体ナノ粒子が、Zn、Se及びTeを含むコア半導体と、該コア半導体を被覆する単一又は複数のシェル半導体からなるものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の波長変換体。
【請求項6】
前記第2の半導体ナノ粒子が、Zn及びPを含むコア半導体と、該コア半導体を被覆する単一又は複数のシェル半導体からなるものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の波長変換体。
【請求項7】
前記第2の半導体ナノ粒子が、カルコパイライト構造の化合物であるコア半導体と、該コア半導体を被覆する単一又は複数のシェル半導体からなるものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の波長変換体。
【請求項8】
前記第2の半導体ナノ粒子が、AgGaS
2
、AgInS
2
、AgGaSe
2
、AgInSe
2
、CuGaS
2
、CuGaSe
2
、CuInS
2
、ZnSiP
2
、ZnGeP
2
から選択されるいずれか一つ又は複数の混晶の半導体からなるコア半導体と、該コア半導体を被覆する単一又は複数のシェル半導体からなるものであることを特徴とする請求項1~4、7のいずれか一項に記載の波長変換体。
【請求項9】
前記第2の半導体ナノ粒子の前記シェル半導体が、II-VI族化合物半導体からなるものであることを特徴とする請求項5~8のいずれか一項に記載の波長変換体。
【請求項10】
前記第2の半導体ナノ粒子の前記シェル半導体が、ZnSe、ZnSのいずれか一つ又は複数の混晶の半導体からなるものであることを特徴とする請求項5~9のいずれか一項に記載の波長変換体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換体及びそれを用いた波長変換材料に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
粒子径がナノサイズの半導体粒子は、光吸収により生じた励起子がナノサイズの空間に閉じ込められることによりその半導体ナノ粒子のエネルギー準位が離散的となり、またそのバンドギャップは粒子径に依存する。このため半導体ナノ粒子の蛍光発光は高効率で、その発光スペクトルはシャープである。また、粒子径によりバンドギャップが変化するという特性から発光波長を制御できる特徴を有しており、固体照明やディスプレイの波長変換材料としての応用が期待される(特許文献1)。
【0003】
優れた蛍光発光特性を示す量子ドットとして、Cdを含む半導体ナノ粒子が挙げられる。しかしながら、Cdは人体、環境に対しての毒性が高いために、欧州連合のRoHS指令を始めとして、世界各地でその使用が制限されている。そのため、Cdのような毒性物質を含まない半導体ナノ粒子が検討されている。代替材料の一つとしてInPを発光中心とした半導体ナノ粒子の開発が進められている。
【0004】
また、半導体ナノ粒子を用いた波長変換材料として、半導体ナノ粒子と樹脂を混合した樹脂組成物を透明基板上にパターニングすることで波長変換層を形成した、カラーフィルタ用途としての材料開発が進められている。従来の液晶ディスプレイにおけるカラーフィルタは、1画素の大きさが数十から数百マイクロメートル程度の青と緑と赤色の画素部が透明基板上に規則的に配列された薄膜フィルム型の光学部品であり、その画素間には、画素同士の混色を防ぐためにブラックマトリックスが配置された構造をとる。カラーフィルタは、白色光からそれぞれ赤色、緑色、青色の3つの光を抽出することで微細な画素単位での画像表示を可能とする。
【0005】
半導体ナノ粒子をカラーフィルタ用途として用いる場合は、一つの形態として、緑色又は赤色に発光する半導体ナノ粒子と樹脂からなる波長変換層を規則的に配列し、青色光源と組み合わせることで、発光素子が作製される。このような構造により、励起光である青色光を、それぞれの波長変換層で緑色又は赤色の光に変換することが可能となり、半導体ナノ粒子の発光半値幅が狭く変換効率が高いという特徴から、ディスプレイの色再現性及び輝度の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-022028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、半導体ナノ粒子の青色光に対する吸収率が充分でないと、緑色、赤色光の光取り出し効率が低下し、さらに波長変換層から青色光が透過し、混色が生じてしまう。このように混色が生じてしまうと、取り出そうとする色の再現性に限界が生じるため、画像品質が劣り、結果的にカラーフィルタの色純度が低下する。
【0008】
カラーフィルタ用途のように、波長変換層の厚さが10μm程度であると、光路中に多くの半導体ナノ粒子を配置することができないため、励起光に対して吸収率が高い材料が求められている。さらに、吸収した励起光を高効率で変換することができれば、波長変換層から外部への光取り出し効率が向上し、優れた発光特性の波長変換材料となる。
【0009】
InPを発光中心とした半導体ナノ粒子は、Cdを含む半導体ナノ粒子と比較して、吸光係数が低いことが知られている。このため、カラーフィルタ用途のように、青色光に対して高い吸収率が要求される波長変換材料として用いることは困難であった。
【0010】
このような波長変換層の青色光の吸収率を高めるために、波長変換層中に屈折率が高い無機酸化物等の散乱粒子を導入して、波長変換層の光路長を長くする改善方法がある。しかし、波長変換層に散乱の寄与が大きいマイクロメートルサイズの粒子を導入すると、波長変換層の厚さが変化したり、波長変換層の厚さや濃度調節を行った際、色均一性に問題が生じたりしてしまう。このため、散乱体粒子を用いる方法だけでは、波長変換層における励起光の吸収率及び波長変換後の光取り出し効率の改善することは困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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