TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025092175
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207891
出願日
2023-12-08
発明の名称
インクジェット記録用水系顔料分散体
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
C09D
11/322 20140101AFI20250612BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】保存安定性に優れると共に、高吸水性記録媒体へのインクジェット記録において、高い印字濃度を有し、かつ、定着性に優れる、インクジェット記録用水系顔料分散体及びその製造方法、並びに該水系顔料分散体を用いるインクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】自己分散顔料(A)と、樹脂分散顔料(B)と、塩(C)と、水とを含有する、インクジェット記録用水系顔料分散体及びその製造方法、並びに該水系顔料分散体を用いるインクジェット記録用インクである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
自己分散顔料(A)と、樹脂分散顔料(B)と、塩(C)と、水とを含有する、インクジェット記録用水系顔料分散体。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記塩(C)が、リン酸塩及びフタル酸塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項3】
前記塩(C)が、ナトリウムイオンを含む塩である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項4】
前記塩(C)がリン酸とナトリウムとの塩である、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項5】
前記自己分散顔料(A)の含有量100質量部に対する前記塩(C)の含有量が0.5質量部以上15質量部以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項6】
前記樹脂分散顔料(B)の含有量100質量部に対する前記塩(C)の含有量が1質量部以上25質量部以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項7】
前記自己分散顔料(A)及び前記樹脂分散顔料(B)の顔料がいずれもカーボンブラックである、請求項1~6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項8】
前記樹脂分散顔料(B)の含有量に対する前記自己分散顔料(A)の含有量の質量比[自己分散顔料(A)/樹脂分散顔料(B)]が40/60以上90/10以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項9】
前記樹脂分散顔料(B)の樹脂(b)の含有量に対する前記樹脂分散顔料(B)の顔料の含有量の質量比[(樹脂分散顔料(B)の顔料)/樹脂(b)]が40/60以上95/5以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
【請求項10】
前記樹脂分散顔料(B)の樹脂(b)の含有量に対する前記塩(C)の含有量の質量比[塩(C)/樹脂(b)]が0.1以上3.0以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用水系顔料分散体及びその製造方法、並びに該水系顔料分散体を用いるインクジェット記録用インクに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像が記録された印刷物を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印刷物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
最近では、印刷物に耐候性や耐水性を付与するために、着色剤として顔料を用いるインクジェット記録用インクが広く用いられ、該インクに配合する顔料水分散体及びインクジェット記録用インクの検討がなされてきた。
【0003】
例えば、特許文献1では、連続吐出安定性、印字濃度及び定着性に優れた顔料水分散体の製造方法の提供を目的として、顔料を架橋された水分散性ポリマーで分散した水分散体と、自己分散型顔料の水分散体を混合して、水分散体を得る工程と、該工程で得られた水分散体を40℃以上で加熱処理して顔料水分散体を得る工程を有する、顔料水分散体の製造方法が開示されている。
特許文献2では、キャップにおけるインクの滞留が抑制され、保存安定性に優れるというインクの信頼性と、画像濃度及び耐ブリーディング性に優れる画像特性とを、両立することができるインクの提供を目的として、自己分散顔料、塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用のインクが開示されている。
特許文献3では、記録媒体上でのはじきを抑制でき、ノズルから吐出された際の吐出ヨレを抑制できる、インクジェット用インクの提供を目的として、水性媒体と、顔料と、所定化合物とを含有し、前記所定化合物は、リン酸、クエン酸、これらの塩、及びこれらのアルキルエステルのうちの少なくとも1種の化合物であり、前記顔料の質量に対する、前記所定化合物が有するリン酸部位又はクエン酸部位の質量の比率が所定の範囲である、インクジェット用インクが開示され、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散顔料であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-33174号公報
特開2012-52097号公報
特開2021-24927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクジェット記録方式においては、高い吐出信頼性を得るためには良好な再分散性を有する樹脂で分散させた顔料の分散体を用いる必要がある。しかしながら、顔料の親水性が高くなるため、このような顔料の分散体をインクとしたときには顔料がインク媒体と共に普通紙等の高吸水性記録媒体中に浸透するため印字濃度が低下する傾向にあった。
一方、自己分散顔料は、電荷反発によるバランスが、普通紙等の高吸水性記録媒体中に填料として含まれている炭酸カルシウムにより容易に破壊されるため、記録媒体の表面に上残りしやすく高い印字濃度が得られるが、その反面、定着性が劣る傾向にあった。
特許文献1に記載の方法では、顔料を架橋された水分散性ポリマーで分散した水分散体と自己分散型顔料の水分散体とを用いた顔料水分散体が提案されているが、印字濃度は十分ではないことが判明した。また、特許文献2に記載の方法では、定着性が全く改善されていない。また、特許文献3に記載の方法では、印字濃度については検討がなされておらず、自己分散顔料と樹脂分散顔料とを併用した例は挙げられていない。また、特許文献3の記載の方法では、水系顔料分散体としての保存安定性が十分でない場合があることも判明した。そのため、水系顔料分散体の保存安定性の向上と共に、該水系顔料分散体を高吸水性記録媒体へのインクジェット記録に用いる際の高い印字濃度と優れた定着性との両立における更なる向上が求められている。
本発明は、保存安定性に優れると共に、高吸水性記録媒体へのインクジェット記録において、高い印字濃度を有し、かつ、定着性に優れる、インクジェット記録用水系顔料分散体及びその製造方法、並びに該水系顔料分散体を用いるインクジェット記録用インクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、自己分散顔料と、樹脂分散顔料と、塩と、水とを含有する、インクジェット記録用水系顔料分散体により、保存安定性を向上させつつ、高吸水性記録媒体へのインクジェット記録において高い印字濃度と優れた定着性とを両立させられることができることに着目し、前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]~[3]に関する。
[1] 自己分散顔料(A)と、樹脂分散顔料(B)と、塩(C)と、水とを含有する、インクジェット記録用水系顔料分散体。
[2]前記[1]に記載の水系顔料分散体と、水溶性有機溶剤とを含有する、インクジェット記録用インク。
[3]下記の工程1及び工程2を含む、前記[1]に記載のインクジェット記録用水系顔料分散体の製造方法。
工程1:樹脂分散顔料(B)の水分散液(II)と、塩(C)とを混合して、水分散液(II’)を得る工程
工程2:工程1で得られた水分散液(II’)と、自己分散顔料(A)の水分散液(I)とを混合して水系顔料分散体を得る工程
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保存安定性に優れると共に、高吸水性記録媒体へのインクジェット記録において、高い印字濃度を有し、かつ、定着性に優れる、インクジェット記録用水系顔料分散体及びその製造方法、並びに該水系顔料分散体を用いるインクジェット記録用インクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[インクジェット記録用水系顔料分散体]
本発明のインクジェット記録用水系顔料分散体(以下、単に「本発明の水系顔料分散体」ともいう)は、自己分散顔料(A)と、樹脂分散顔料(B)と、塩(C)と、水とを含有する。
なお、本発明においては、「成分Xを含有する」とは、「成分Xを配合してなる」ことをも意味する。また、「水系」とは、媒体中で、水が質量基準で最大割合を占めていることを意味する。
また、本明細書において、「記録」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「記録物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
また、「高吸水性」とは、高吸液性を含む概念であり、記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量が10g/m
2
以上のものを指し、「低吸水性」とは、低吸液性、非吸液性を含む概念であり、記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量が0g/m
2
以上10g/m
2
未満であることを意味する。該吸水量は、自動走査吸液計(例えば、熊谷理機工業(株)製 KM500win)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下で、純水の接触時間100m秒における転移量として測定できる。
【0009】
本発明によれば、水系顔料分散体の保存安定性に優れると共に、高吸水性記録媒体へのインクジェット記録において、高い印字濃度を有し、かつ、定着性に優れる記録物を得ることができる。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の水系顔料分散体においては、自己分散顔料は顔料表面の官能基による電荷反発力により水系媒体に分散されている。このような水系顔料分散体を配合したインクは普通紙等の高吸水性記録媒体中に填料として含まれている炭酸カルシウム由来のカルシウムイオンにより、分散している自己分散顔料が速やかに凝集するため、高い印字濃度を有する記録物が得られる。また、本発明の水系顔料分散体においては、更に塩を含有することによる自己分散顔料の電荷反発力の低下により、普通紙等の高吸水性記録媒体に着弾した後の自己分散顔料の凝集速度は更に早まるため、より高い印字濃度を有する記録物が得られる。
そして、本発明の水系顔料分散体においては、更に樹脂分散顔料を含有する。そのため、自己分散顔料が凝集する際に、自己分散顔料近傍に存在する樹脂分散顔料も巻き込むように凝集が起こり、高い印字濃度が保持されると共に定着性も向上させることができていると考えられる。
また、本発明の水系顔料分散体においては、更に塩に対して安定な樹脂分散顔料が含まれることにより、該水系顔料分散体中での塩による自己分散顔料の凝集が抑制されて、保存安定性を向上させることができると考えられる。
【0010】
<自己分散顔料(A)>
自己分散顔料(A)は、アニオン性親水基、カチオン性親水基等の親水性官能基の1種以上を直接又は他の原子団を介して顔料の表面に結合させることで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能な顔料を意味する。ここで、「分散可能」とは、水中に濃度10質量%となるように分散させた状態が、25℃で1ケ月間保存後も安定に存在することを目視で確認できることを意味する。
他の原子団としては、炭素数1以上24以下、好ましくは炭素数1以上12以下のアルカンジイル基、置換基を有してもよいフェニレン基、又は置換基を有してもよいナフチレン基が挙げられる。なお、親水性官能基は、本発明の目的を阻害しない限り複数存在していてもよく、それらは同一でも異なっていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
花王株式会社
飲料
29日前
花王株式会社
容器
1か月前
花王株式会社
飲料
1か月前
花王株式会社
容器
今日
花王株式会社
容器
7日前
花王株式会社
温熱具
1か月前
花王株式会社
研磨液
16日前
花王株式会社
研磨液
16日前
花王株式会社
製造装置
14日前
花王株式会社
吹付工法
1か月前
花王株式会社
酸性飲料
1か月前
花王株式会社
食品組成物
1か月前
花王株式会社
空洞充填材
14日前
花王株式会社
皮膚化粧料
15日前
花王株式会社
繊維処理剤
1か月前
花王株式会社
皮膚化粧料
24日前
花王株式会社
香料組成物
1か月前
花王株式会社
物品保持具
1か月前
花王株式会社
アイマスク
1か月前
花王株式会社
口腔用組成物
21日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
1か月前
花王株式会社
マッサージ具
1か月前
花王株式会社
皮膚洗浄方法
14日前
花王株式会社
供給支援装置
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物
1か月前
花王株式会社
多層型化粧料
24日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
今日
花王株式会社
洗浄剤組成物
今日
花王株式会社
発泡剤組成物
今日
花王株式会社
洗浄剤組成物
今日
花王株式会社
電界紡糸用溶液
3日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
今日
花王株式会社
岩盤の掘削方法
今日
花王株式会社
炭酸発泡組成物
今日
花王株式会社
水系顔料分散体
今日
花王株式会社
基板の洗浄方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る