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公開番号
2025092426
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2024195353
出願日
2024-11-07
発明の名称
胚の母体着床能を判定する方法及び判定試薬
出願人
公立大学法人横浜市立大学
,
東ソー株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
G01N
33/68 20060101AFI20250612BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本発明は、不妊症又は不育症治療において、母体への胚の着床能を判定し、母体の着床能を数値化してより客観的に判定できるバイオマーカー、それを用いた方法及び判定試薬を提供することを目的とする。
【解決手段】Leukocyte associated immunoglobulin like receptor1(LAIR1)を、母体着床能を判定するためのバイオマーカーとして用いる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
Leukocyte associated immunoglobulin like receptor1(LAIR1)からなる、母体着床能を判定するためのバイオマーカー。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
ヒト(但し、自己免疫疾患患者、喘息患者、高プロラクチン血症患者、がん治療患者、タクロリムス服用患者、及びパートナーの男性がAZFc gr/gr欠失もしくは精巣腫瘍を持つ患者を除く)体液中のLAIR1の濃度を測定し、その測定値から母体着床能を判定する方法。
【請求項3】
LAIR1濃度が基準値よりも高い場合には、母体着床能が高いと判定し、
当該基準値は、ヒト卵子から受精後に発生する胚を移植したにもかかわらず、妊娠が不成立だった他のヒトの体液中のLAIR1濃度に基づいて予め定められた値である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記体液が、血清又は血漿である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
LAIR1の濃度を測定する方法が免疫学的測定法である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
LAIR1を特異的に認識する抗体を用いて行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
LAIR1を特異的に認識する抗体を含有することを特徴とする、請求項6に記載の方法に使用するための判定試薬又は判定キット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、胚が母体へ着床することができる能力、即ち母体着床能を判定することができるバイオマーカー及び母体着床能を判定する方法を提供することに関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
不育症の対象患者は日本国内で30万~50万人と言われている。また、不妊・不育要因は母体と胎児の双方に要因があり、その診断は難しく原因を特定できないことが多い。
不育症は、以下のように定義されている(日本産婦人科医会):「2回以上の流産(妊娠22週未満)・死産(妊娠22週以降)の既往がある場合、不育症と診断される。」。不育症は母体と胎児の両方に要因があるが、不育症リスク要因で代表的なものとして、子宮形態異常、染色体構造異常、内分泌異常、抗リン脂質抗体陽性が挙げられ、これらには確立した検査方法が存在する。また胎児側の流産原因として重要な胎児染色体の検査方法には、生殖補助医療において胚の染色体を調べてから移植することで流産率を下げる着床前診断や、流産後に原因検索として染色体異常の関与を調べる流産絨毛染色検査が存在し、日常臨床で行われている。
【0003】
これらの様に母体側・胎児側の流産・不育症リスク因子を調べる手段が複数あるにもかかわらず、AMED研究班によると約65%の不育症症例ではリスク因子が特定できていない。不妊症でも同様であり、既知の不妊原因に関する検査で特定できない原因不明不妊が近年増加していると考えられている。
各種検査によっても原因を特定できない原因不明不妊症・不育症や、生殖補助医療で形態学的良好胚を胚移植しても着床・妊娠に至らない不妊症である反復着床不全では、母体着床能に問題があることが疑われる。
血清を対象とした不育症については、ラミニン-1に対する自己抗体を測定する方法等が報告されている(特許文献1)。生殖補助医療において測定される抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、卵巣予備能の指標として用いるが、母体の着床能を判断するマーカーではない。
【0004】
一方、Leukocyte associated immunoglobulin like receptor 1(CD305とも呼ばれる。以下、「LAIR1」という。)はヒト末梢血単核球・白血球の大部分に発現し、免疫抑制受容体の機能が報告されている(非特許文献1)。本タンパク質の機能を阻害する事で、免疫反応が活性化され、がん治療につなげる研究報告がある(非特許文献2)。また正常妊娠の母体-胎児界面は、流産に比べてコラーゲンおよびLAIR1の発現量が高いことも報告されている(非特許文献3)。しかしながら、LAIR1と母体着床能との関係についてはこれまで報告されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2002/042769号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
Immunity,Vol.7,283-290,August,1997
Jingjing Xie et al., Front. Immunol., 21 September 2022. Sec. Cancer Immunity and Immunotherapy Volume 13
Am J Reprod Immunol.2014 Apr;71(4):368-78
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、不妊症又は不育症治療において、母体への胚の着床能を判定し、母体の着床能を数値化してより客観的に判定できるバイオマーカー、それを用いた方法及び判定試薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、以下の通りである。
[1]LAIR1からなる、母体着床能を判定するためのバイオマーカー。
[2]ヒト(但し、自己免疫疾患患者、喘息患者、高プロラクチン血症患者、がん治療患者、タクロリムス服用患者、及びパートナーの男性がAZFc gr/gr欠失もしくは精巣腫瘍を持つ患者を除く)体液中のLAIR1の濃度を測定し、その測定値から母体着床能を判定する方法。
[3]LAIR1濃度が基準値よりも高い場合には、母体着床能が高いと判定し、当該基準値は、ヒト卵子から受精後に発生する胚を移植したにもかかわらず、妊娠が不成立だった他のヒトの体液中のLAIR1濃度に基づいて予め定められた値である、[2]に記載の方法。
[4]前記体液が、血清又は血漿である、[2]又は[3]に記載の方法。
[5]LAIR1の濃度を測定する方法が免疫学的測定法である、[2]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]LAIR1を特異的に認識する抗体を用いて行われる、[5]に記載の方法。
[7]LAIR1を特異的に認識する抗体を含有することを特徴とする、[6]に記載の方法に使用するための判定試薬又は判定キット。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、LAIR1濃度を測定し母体の着床能を判定することができ、不妊・不育の理由を絞って検討することができ、着床前診断の必要性をより厳密に考慮することが可能となる。その結果、次の妊娠・出産への期待が持てるため、不妊症や不育症の治療方針を決定する上で、有益な診断基準が提案できることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1で、測定検体のLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
実施例1で、除外要因に該当する検体を除外してLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
比較例1で、測定検体のAMH濃度を測定した結果を示す図である。
実施例2で、除外要因に該当する検体を除外してLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
実施例3で、測定検体のLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
実施例3で、除外要因に該当する検体を除外してLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
比較例2で、測定検体のAMH濃度を測定した結果を示す図である。
比較例3で、LAIR1とAMHとの相関を示す図である。
比較例4で、LAIR1とLHとの相関を示す図である。
比較例5で、LAIR1とFSHとの相関を示す図である。
比較例6で、LAIR1とE2との相関を示す図である。
実施例4で、除外要因に該当する検体を除外してLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
実施例5で、除外要因に該当する検体を除外してLAIR1濃度を測定した結果を示す図である。
比較例7で、LAIR1とAMHとの相関を示す図である。
比較例8で、LAIR1とLHとの相関を示す図である。
比較例9で、LAIR1とFSHとの相関を示す図である。
比較例10で、LAIR1とE2との相関を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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