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公開番号
2025094313
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2023209745
出願日
2023-12-13
発明の名称
共重合アラミド繊維およびその製造方法
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
D01F
6/60 20060101AFI20250618BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】、低分子量成分が少なく、分子量分散度が小さいメタアラミドポリマーからなる共重合アラミド繊維を提供する。
【解決手段】特定のモノマーを特定の比率で共重合することにより、得られるポリマーの低分子量成分が少なく、分子量分散度が小さくなり、さらに該ポリマーを用いることで高強度のメタアラミド繊維が得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
メタフェニレンイソフタルアミド単位と、メタフェニレンテレフタルアミド単位とを含むアラミド共重合体からなる繊維であって、該アラミド共重合体の重量平均分子量が40万~100万、且つ分子量分散度が2.0~5.0であり、該繊維の破断強度が4.5~7.0cN/dtex、破断伸度が30~60%であることを特徴とする共重合アラミド繊維。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
アラミド共重合体が、メタフェニレンジアミン、イソフタロイル、およびテレフタロイルからなる構造単位を含み、メタフェニレンジアミンおよびイソフタロイル単位と、テレフタロイル単位とのモル比率が70:30~99:1である請求項1に記載の共重合アラミド繊維。
【請求項3】
共重合アラミド繊維の製造方法であって、
メタフェニレンイソフタルアミド単位と、メタフェニレンテレフタルアミド単位とを含み、その重量平均分子量が40万~100万、且つ分子量分散度が2.0~5.0であるアラミド共重合体を用いて、下記(1)~(5)に記載の工程を逐次的に実施することを特徴とする請求項1に記載の共重合アラミド繊維の製造方法。
(1)前記アラミド共重合体をアミド系溶媒に10~30質量%の範囲で溶解させて紡糸用ドープとし、該ドープを紡糸口金から吐出させ、
(2)アミド系溶媒を1~20質量%含む水性凝固浴中に紡出して凝固させ、
(3)水性洗浄浴で水洗し、引き続き沸水延伸浴中で1.1~5.0倍の範囲で延伸し、
(4)100~250℃の範囲で乾熱処理を行い、
(5)290~380℃の範囲で熱処理を加えながら、延伸倍率1.5~5.0倍の範囲で熱延伸する。
【請求項4】
アラミド共重合体が、メタフェニレンジアミン、イソフタロイル、テレフタロイルからなる構造単位を含み、メタフェニレンジアミンおよびイソフタロイル単位と、テレフタロイル単位とのモル比率が70:30~99:1である請求項3に記載の共重合アラミド繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は共重合アラミド繊維およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、低分子量成分が少なく、分子量分散度が小さい共重合アラミドから形成されることにより、破断強度に優れていることを特徴とする共重合アラミド繊維およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとから製造される全芳香族ポリアミドが耐熱性および難燃性に優れていることは周知であり、かかる全芳香族ポリアミドのうち、ポリメタフェニレンイソフタルアミドで代表されるメタ型全芳香族ポリアミド(以下メタアラミドと称する場合がある)の繊維は、耐熱・難燃性繊維として特に有用なものである。これらの特性を発揮して、例えば防護衣等の防災安全衣料用途やフィルター、電子部品等の産業用途に用いられている。
【0003】
そして、近年では社会の高度化により、上記各用途においても、軽量化、高強力化のニーズが高まってきており、紡績糸としては繊維の破断強度が4.5cN/dtexを超える高強力メタアラミド繊維からなるものが、好適に用いられている。
【0004】
さらに、上記各用途においては、さらなる加工性や耐疲労性向上に対する要求が高まって来ており、それを満足させるためには、繊維の破断強度を確保しつつ伸度を高めに維持する、即ち、高タフネス化させることが必要となって来ている。
【0005】
特に、衣料用途において繊維の伸度は重要な要素の一つであり、高伸度繊維からなる衣料は、柔軟性が発揮され、風合いや快適性の向上に繋がる。そのため、破断強度を満足しつつ、十分な伸度を有するメタアラミド繊維が得られれば、その工業的価値は極めて高い。
【0006】
ここで、メタアラミドの紡糸方法としては以下のようなものがある。従来公知の乾式紡糸(例えば、特公昭35-14399号公報)は、紡糸口金より紡出された繊維状のポリマー溶液において、形成された繊維状物の表面付近から溶媒を揮発・乾燥させ、繊維とする。一方、湿式紡糸においては例えば、
(a)実質的に塩類を含まないメタアラミド重合体溶液をアミド系溶媒と水からなる凝固浴中に吐出し凝固させて繊維状物(糸条体)とし、続いて、アミド系溶媒と水からなる可塑延伸浴中にて延伸した後に水洗、熱処理する方法(特開2001-303365号公報、特開2003-301326号公報、特開2003-342832号公報など)、
(b)メタアラミドと塩類を含むアミド系溶媒からなる重合体溶液をアミド系溶媒と水からなり、塩類を実質的に含まない凝固浴中に吐出して多孔質の線状体として凝固せしめ、続いてアミド系溶媒の水性溶液からなる可塑延伸浴中にて延伸し、これを水洗後熱処理する方法(特開2005-232598号公報)、
(c)アミド系溶媒中で溶液重合し、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどで中和して生成した塩化カルシウムと水とを含むメタアラミド重合体溶液を、実質的に無機塩を含まずアミド系溶媒の濃度が45~60質量%の水性凝固浴中に紡出させて繊維状物に成形する方法(国際公開第2007/089008号、国際公開第2011/118022号)、
(d)メタアラミド重合体粉末をアミド系溶媒に再溶解した後、15~25質量%のメタ型全芳香族ポリアミド溶液を35~45質量%の高濃度無機塩を含む水性凝固浴中に紡出して凝固せしめる湿式紡糸法(特公昭48-17551号公報)、
などがある。
【0007】
上記の方法では、最終的に得られる繊維強度は4.5cN/dtexを超えるものもあるが、得られた繊維の破断伸度は30%程度である場合が多く、高強度高伸度を持った汎用的なメタアラミド繊維の製造方法例は報告されていない。
【0008】
また、特開平2-263829公報ではN,N′-ビス(4-アミノフェニル)イソフタルアミドとパラフェニレンジアミンを任意の比率で共重合したコポリマーを紡糸することで強度6cN/dtexを超えるアラミド繊維の製造方法を報告している。しかし、得られる伸度は10%以下と低いものであった。
【0009】
一方で、上記のような様々な紡糸方法に対して安定的に高強度高伸度を発揮できる方法としてポリマーの分子量制御がある。メタアラミドは前述のように芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドの重縮合反応により得られるポリマーであり、非常に厳密なモノマー組成および副生成物の管理が必要である。また重合の特性上、分子量が低いオリゴマーの生成が起こりやすく低分子量成分が増えるだけでなく分子量分散度が広くなってしまう。
【0010】
このような原料ポリマー中の過剰な低分子量成分や広い分子量分散は繊維化する際の構造欠陥や破断要因になりうるため、高強度高伸度を発揮する上で留意すべき問題である。このような問題に対し、特開2007-154356公報では重合終期でアミン末端を封止することにより分子量分散度が5未満となり、毛羽が少なく湿式紡糸性に優れるメタアラミド繊維の製造方法を報告している。しかし、ポリマーの分子量分布を制御することで繊維の機械物性を改善した報告例はこれまでにない。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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