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公開番号2025099426
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216081
出願日2023-12-21
発明の名称ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C07D 301/06 20060101AFI20250626BHJP(有機化学)
要約【課題】誘導期を短縮できるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法を提供する。
【解決手段】ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの存在下でヘキサフルオロプロペンと酸素とを接触させて、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドを生成させることを含む、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの存在下でヘキサフルオロプロペンと酸素とを接触させて、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドを生成させることを含む、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記接触は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド、ヘキサフルオロプロペン、及び溶媒を含む液状組成物と酸素とを液相で接触させることで行う、請求項1に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項3】
前記接触の前の前記液状組成物におけるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの含有率は、前記液状組成物全体に対し、0.02質量%以上である、請求項2に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項4】
前記溶媒は、F

C(OCF



COF及び1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサンからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項2又は3に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項5】
前記接触は、3.5MPaG以下の圧力において行う、請求項2又は3に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項6】
前記接触は、110℃以上の温度において行う、請求項2又は3に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項7】
前記接触は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド及びヘキサフルオロプロペンを含む気体状組成物と酸素とを気相で接触させることで行う、請求項1に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項8】
前記接触の前の前記気体状組成物におけるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの含有率は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド及びヘキサフルオロプロペンの合計に対し、0.5体積%以上である、請求項7に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項9】
前記接触は、1.0MPaG以下の圧力において行う、請求項7又は8に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項10】
前記接触は、140℃以上の温度において行う、請求項7又は8に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(以下「HFPO」ともいう)は、フッ素樹脂等の中間体であるヘキサフルオロアセトン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の原料として重要な化合物である。また、HFPOのオリゴマーは、潤滑油、熱媒油等に広く使用されている。
【0003】
HFPOの製造方法としては、ヘキサフルオロプロペン(以下「HFP」ともいう)を部分酸化する方法が挙げられる。部分酸化する方法としては、アルカリ性過酸化水素、分子状酸素、次亜塩素酸塩、有機過酸化物等の酸化剤を使用する方法、電解酸化法等が知られている。例えば特許文献1~2には、これらの部分酸化法の中でも、酸化剤として分子状酸素を用いる方法が開示されている。酸化剤として分子状酸素を用いる方法は安価な酸素を用いる点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-107650号公報
中国特許出願公開第104557797号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
HFPを酸素により部分酸化してHFPOを製造する方法においては、HFPと酸素とが接触してから反応が開始するまでの時間、つまり「誘導期」が長くなることがある。そのため、HFPOの工業的な生産効率を向上させる観点から、誘導期を短縮することが求められている。
【0006】
本発明の一実施形態における課題は、誘導期を短縮できるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示には、以下の態様が含まれる。
<1>
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの存在下でヘキサフルオロプロペンと酸素とを接触させて、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドを生成させることを含む、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<2>
前記接触は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド、ヘキサフルオロプロペン、及び溶媒を含む液状組成物と酸素とを液相で接触させることで行う、<1>に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<3>
前記接触の前の前記液状組成物におけるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの含有率は、前記液状組成物全体に対し、0.02質量%以上である、<2>に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<4>
前記溶媒は、F

C(OCF



COF及び1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサンからなる群より選択される少なくとも一種を含む、<2>又は<3>に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<5>
前記接触は、3.5MPaG以下の圧力において行う、<2>~<4>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<6>
前記接触は、110℃以上の温度において行う、<2>~<5>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<7>
前記接触は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド及びヘキサフルオロプロペンを含む気体状組成物と酸素とを気相で接触させることで行う、<1>に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<8>
前記接触の前の前記気体状組成物におけるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの含有率は、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド及びヘキサフルオロプロペンの合計に対し、0.5体積%以上である、<7>に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<9>
前記接触は、1.0MPaG以下の圧力において行う、<7>又は<8>に記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<10>
前記接触は、140℃以上の温度において行う、<7>~<9>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<11>
ヘキサフルオロプロピレンオキサイド、ヘキサフルオロプロペン、及び酸素を反応器に供給することをさらに含み、
前記接触は、前記反応器内において、前記反応器に供給されたヘキサフルオロプロピレンオキサイドの存在下で行う、<1>~<10>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<12>
前記ヘキサフルオロプロペンのモル量に対する前記酸素のモル量の比は、0.6以下である、<1>~<11>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<13>
前記接触の前に存在するヘキサフルオロプロピレンオキサイドは、ヘキサフルオロプロペンと酸素とを接触させてヘキサフルオロプロピレンオキサイドを生成させ、ヘキサフルオロプロペンとヘキサフルオロプロピレンオキサイドとを含む組成物を得る工程と、前記組成物からヘキサフルオロプロピレンオキサイドの一部を除去する工程と、を経て残留したヘキサフルオロプロピレンオキサイドである、<1>~<12>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法。
<14>
前記生成は、ヘキサフルオロプロペンが酸素により酸化されることで起こる、<1>~<13>のいずれか1つに記載のヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、誘導期を短縮できるヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
【0010】
[ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法]
本開示のヘキサフルオロプロピレンオキサイド(HFPO)の製造方法は、HFPOの存在下でヘキサフルオロプロペン(HFP)と酸素とを接触させて、HFPOを生成させることを含む。
本開示のHFPOの製造方法によれば、誘導期を短縮できる。この理由は定かではないが、HFPと酸素との接触時にHFPOが存在すると、HFPOの熱分解により生成したカルベンがHFPと酸素との反応を促進させることで、誘導期が短縮されると推測される。
(【0011】以降は省略されています)

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