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公開番号2025090977
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023205901
出願日2023-12-06
発明の名称被覆材及びその製造方法、被覆粒状肥料、被覆粒状農薬、並びに被覆種子
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08G 18/48 20060101AFI20250611BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い土壌分解性を有する被覆材及びその製造方法、前記被覆材により被覆される粒状肥料を含む被覆粒状肥料、前記被覆材により被覆される粒状農薬を含む被覆粒状農薬、並びに前記被覆材により被覆される種子を含む被覆種子の提供。
【解決手段】ポリオールに由来するポリオール構造単位と、ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート構造単位とを有するウレタン樹脂を含む被覆材であって、前記ポリオールは、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、1分子中に少なくとも1個の活性水素原子を有する化合物に、エポキシ環を有する炭素数2~20のアルキレンオキシドと、前記アルキレンオキシド以外の化合物であって、エステル結合及び含酸素ヘテロ環構造を有する化合物とを共重合させたポリエステルエーテルポリオールを含む、被覆材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリオールに由来するポリオール構造単位と、ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート構造単位とを有するウレタン樹脂を含む被覆材であって、
前記ポリオールは、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、1分子中に少なくとも1個の活性水素原子を有する化合物に、エポキシ環を有する炭素数2~20のアルキレンオキシドと、前記アルキレンオキシド以外の化合物であって、含酸素ヘテロ環構造及びエステル結合を有する化合物とを共重合させたポリエステルエーテルポリオールを含む、被覆材。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記ウレタン樹脂が、プロピレンオキシドに基づく構造単位を20~65質量%含有する、請求項1に記載の被覆材。
【請求項3】
前記ウレタン樹脂のエステル基濃度が5~30質量%である、請求項1又は2に被覆材。
【請求項4】
前記1分子中に少なくとも1個の活性水素原子を有する化合物は、水酸基を1個以上12個以下有し、質量平均分子量が18~20,000である、請求項1又は2に記載の被覆材。
【請求項5】
前記アルキレンオキシドと前記含酸素ヘテロ環構造を有する化合物との質量比が35:65~99:1である、請求項1又は2に記載の被覆材。
【請求項6】
前記含酸素ヘテロ環構造を有する化合物は、ε-カプロラクトン及び無水フタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の被覆材。
【請求項7】
前記アルキレンオキシドは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の被覆材。
【請求項8】
前記ポリエステルエーテルポリオールの水酸基価が30~200mgKOH/gである、請求項1又は2に記載の被覆材。
【請求項9】
前記ポリエステルエーテルポリオールの数平均分子量が900~5,000である、請求項1又は2に記載の被覆材。
【請求項10】
前記ポリエステルエーテルポリオールの分子量分布が1.08~1.50である、請求項1又は2に記載の被覆材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆材及びその製造方法、被覆粒状肥料、被覆粒状農薬、並びに被覆種子に関し、特に、被覆材及びその製造方法、前記被覆材により被覆される粒状肥料を含む被覆粒状肥料、前記被覆材により被覆される粒状農薬を含む被覆粒状農薬、並びに前記被覆材により被覆される種子を含む被覆種子に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
水酸基を有する開始剤化合物に、カプロラクトンを重合したポリエステルポリオールとポリイソシアネートを重合させたウレタン樹脂を、被覆肥料のコーティング剤として用いることが従来より行われている。(例えば、特許文献1参照)。
また、複合金属シアン化物錯体触媒(以下、「DMC触媒」とも記す。)の存在下で、水酸基を有する開始剤化合物に、アルキレンオキシドと含酸素ヘテロ環構造を有する化合物とを開環付加重合(共重合)することで、ポリエステルエーテルポリ(モノ)オールを製造することが従来より行われている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-210960号公報
国際公開第2007/020879号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているウレタン樹脂は、生分解性を有するものの、土壌分解性が十分ではないという問題があった。
また、特許文献2に記載されている製法により製造されたポリエステルエーテルポリ(モノ)オールは、そのまま樹脂として使用して成型することができないという問題があった。
このような状況において、高い土壌分解性を有するウレタン樹脂含有被覆材の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、高い土壌分解性を有する被覆材及びその製造方法、前記被覆材により被覆される粒状肥料を含む被覆粒状肥料、前記被覆材により被覆される粒状農薬を含む被覆粒状農薬、並びに前記被覆材により被覆される種子を含む被覆種子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、所定のポリエステルエーテルポリオールを含むポリオールに由来するポリオール構造単位と、ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート構造単位とを有するウレタン樹脂を含む被覆材を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記[1]~[16]である。
[1]ポリオールに由来するポリオール構造単位と、ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート構造単位とを有するウレタン樹脂を含む被覆材であって、前記ポリオールは、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、1分子中に少なくとも1個の活性水素原子を有する化合物に、エポキシ環を有する炭素数2~20のアルキレンオキシドと、前記アルキレンオキシド以外の化合物であって、エステル結合及び含酸素ヘテロ環構造を有する化合物とを共重合させたポリエステルエーテルポリオールを含む、被覆材。
[2]前記ウレタン樹脂が、プロピレンオキシドに基づく構造単位を20~65質量%含有する、上記[1]に記載の被覆材。
[3]前記ウレタン樹脂のエステル基濃度が5~30質量%である、上記[1]又は[2]に記載の被覆材。
[4]前記1分子中に少なくとも1個の活性水素原子を有する化合物は、水酸基を1個以上12個以下有し、質量平均分子量(Mw)が18~20,000である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の被覆材。
[5]前記アルキレンオキシドと前記含酸素ヘテロ環構造を有する化合物との質量比(アルキレンオキシド:含酸素ヘテロ環構造を有する化合物)が35:65~99:1である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の被覆材。
[6]前記含酸素ヘテロ環構造を有する化合物は、ε-カプロラクトン及び無水フタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の被覆材。
[7]前記アルキレンオキシドは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の被覆材。
[8]前記ポリエステルエーテルポリオールの水酸基価が30~200mgKOH/gである、上記[1]~[7]のいずれかに記載の被覆材。
[9]前記ポリエステルエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が900~5,000である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の被覆材。
[10]前記ポリエステルエーテルポリオールの分子量分布(Mw/Mn)が1.08~1.50である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の被覆材。
[11]前記ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスが80~300である、上記[1]~[10]のいずれかに記載の被覆材。
[12]上記[1]~[11]のいずれかに記載の被覆材により被覆される粒状肥料を含む、被覆粒状肥料。
[13]上記[1]~[11]のいずれかに記載の被覆材により被覆される粒状農薬を含む、被覆粒状農薬。
[14]上記[1]~[11]のいずれかに記載の被覆材により被覆される種子を含む、被覆種子。
[15]上記[1]~[11]のいずれかに記載の被覆材を製造する被覆材の製造方法であって、前記ポリオール構造単位を構成するポリオールと、前記ポリイソシアネート構造単位を構成するポリイソシアネートとを反応させてウレタン樹脂を得る、被覆材の製造方法。
[16]前記ポリイソシアネートに対する前記ポリオールの質量比(ポリオール/ポリイソシアネート)が1~20である、上記[15]に記載の被覆材の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高い土壌分解性を有する被覆材及びその製造方法、前記被覆材により被覆される粒状肥料を含む被覆粒状肥料、前記被覆材により被覆される粒状農薬を含む被覆粒状農薬、並びに前記被覆材により被覆される種子を含む被覆種子が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書における用語の意味及び定義は以下のとおりである。
本明細書において、「アルキレンオキシド」とは、「モノアルケンの不飽和基がエポキシ化された化合物」を意味する。
本明細書において、「~」で表される数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~90、より好ましくは30~60」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、「10~60」とすることもできる。
本明細書において、「エポキシ環を有する炭素数2~20のアルキレンオキシド」を単に「アルキレンオキシド(A)」ということもある。
本明細書において、「(前記)アルキレンオキシド以外の化合物であって、エステル結合及び含酸素ヘテロ環構造を有する化合物」を単に「化合物(B)」ということもある。
本明細書において、「イソシアネートインデックス」とは、ウレタン樹脂を得るに際し、ポリオールにおける水酸基に対するポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル比(イソシアネート基/水酸基)の100倍を意味する。
本明細書では、ウレタン樹脂の製造時の仕込み量等からEO含有量(質量%)、PO含有量(質量%)、及びエステル基濃度(質量%)を算出しているが、ウレタン樹脂を重水素化溶媒で溶解し、

H-NMRを用いて分析することもできる。ウレタン樹脂が重水素化溶媒に不溶である場合には、耐圧オートクレーブにウレタン樹脂と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液を加え、80~110℃に設定したオーブンで1晩加水分解した後、ウレタン樹脂のアルカリ加水分解物を重水素化溶媒で溶解させ

H-NMRを用いて分析することで、ウレタン樹脂からEO含有量(質量%)、PO含有量(質量%)、及びエステル基濃度(質量%)を測定することもできる。
通常は、ウレタン樹脂の製造時の仕込み量等から算出した値と

H-NMRを用いた分析値は略同一の値になるため、ウレタン樹脂の製造時の仕込み量等から算出した値をEO含有量(質量%)、PO含有量(質量%)、及びエステル基濃度(質量%)とみなしてよいが、ウレタン樹脂の製造時の仕込み量等から算出した値と

H-NMRを用いた分析値とが一致しない場合には、

H-NMRを用いた分析値をEO含有量(質量%)、PO含有量(質量%)、及びエステル基濃度(質量%)とする。
【0009】
[被覆材]
本発明の被覆材は、ポリオールに由来するポリオール構造単位と、ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート構造単位とを有するウレタン樹脂を含み、必要に応じて、その他の成分を含む。
【0010】
<ウレタン樹脂>
ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得たイソシアネート末端プレポリマーを水(大気中の湿気)と反応させることによって得られたものであってもよく、また、ポリオールとポリイソシアネートと架橋剤等のその他の任意成分とを反応させることによって得られたものであってもよい。ここで、架橋剤としては、例えば、ジプロピレングリコール、1,5―ペンタンジオール等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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