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公開番号2025099901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216886
出願日2023-12-22
発明の名称マイクロ流路チップ
出願人TOPPANホールディングス株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 35/08 20060101AFI20250626BHJP(測定;試験)
要約【課題】隣接する流路間での流体(検体)の混入(コンタミネーション)の発生を抑制することができるマイクロ流路チップを提供する。
【解決手段】マイクロ流路チップは、基板10と、基板10上に設けられて流路3を画定する隔壁層20と、隔壁層20の基板10に接する面とは反対側の面に設けられた蓋材30とを備え、隔壁層20は、蓋材30側の領域であって蓋材30と接触していない浮き部21を有し、隔壁層20の厚み方向から見た場合に、流路3に挟まれた隔壁層20の幅W1に対する浮き部21の幅(幅W2,W3の合計)の比率が0%以上62%以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられて流路を画定する隔壁層と、
前記隔壁層の前記基板に接する面とは反対側の面に設けられた蓋材とを備えたマイクロ流路チップにおいて、
前記隔壁層は、前記蓋材側の領域であって該蓋材と接触していない浮き部を有し、
前記隔壁層の厚み方向から見た場合に、前記流路に挟まれた前記隔壁層の幅に対する前記浮き部の幅の比率が0%以上62%以下である
マイクロ流路チップ。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記蓋材は、微小押しこみ試験によって測定された複合弾性率が1.7MPa以上21MPa以下である
請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
【請求項3】
前記蓋材は、ポリジメチルシロキサン、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルのうちの少なくとも1種を含有する
請求項2に記載のマイクロ流路チップ。
【請求項4】
前記隔壁層の厚み方向から見た場合に、前記流路に挟まれた前記隔壁層の幅に対する前記浮き部の幅の比率が41%以下である
請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
【請求項5】
前記蓋材は、微小押しこみ試験によって測定された複合弾性率が1.7MPa以上4600MPa以下である
請求項4に記載のマイクロ流路チップ。
【請求項6】
前記蓋材は、ポリジメチルシロキサン、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のうちの少なくとも1種を含有する
請求項5に記載のマイクロ流路チップ。
【請求項7】
前記隔壁層は、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有する感光性樹脂で構成されている
請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示はマイクロ流路チップに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リソプロセスや厚膜プロセス技術を応用して微細な反応場を形成し、数μLから数nL単位のサンプルでの検査を可能とする技術が提案されている。このような微細な反応場を利用した技術をμ-TAS(Micro Total Analysis System)という。μ-TASは、遺伝子検査、染色体検査、細胞検査、医薬品開発などの領域や、バイオ技術、環境中の微量な物質検査、農作物等の飼育環境の調査、農作物の遺伝子検査などに応用される。μ-TAS技術の導入により、自動化、高速化、高精度化、低コスト、迅速性、環境インパクトの低減など、大きな効果を得られる。
μ-TASでは、多くの場合、基板上に形成されたマイクロメートルサイズの流路(マイクロ流路、マイクロチャンネル)が利用され、このような基板は、チップ、マイクロチップ、マイクロ流路チップ、マイクロ流体チップ、マイクロ流体デバイス、マイクロ流路デバイスなどと呼ばれる。
【0003】
従来、こうしたマイクロ流路チップは、射出成形、モールド成形、切削加工、エッチングなどの技術を用いて作製されていた。また、マイクロ流路チップの基板としては、製造が容易であり、光学的な検出も可能であることから、主にガラス基板が用いられている。一方で、軽量でありながらガラス基板に比べて破損しにくく且つ安価な樹脂材料を用いたマイクロ流路チップの開発も進められている。樹脂材料を用いたマイクロ流路チップの製造方法としては、流路パターンを有する樹脂製基板を主にフォトリソグラフィーによって成形し、それに蓋材を接合してマイクロ流路チップを作製する方法がある。この方法によれば、従来技術では困難な側面もあった微細な流路パターンの形成も可能である。
【0004】
また、マイクロ流路チップの基板側(基板に設けた壁部)と蓋材を貼り合わせる方法としては、数μmから数十μmの厚さの接着剤(粘着剤、シール剤、両面テープ、粘着テープなどを含む)によって接着する方法が比較的一般的である(例えば特許文献1を参照)。ただし、接着剤を用いて貼り合わせた場合は、マイクロ流路チップの用途によっては、接着剤の成分の溶出や検査における視認性が問題となることもある。そのため、接着剤を用いることなく、熱プレス機や超音波溶着機などを用いた圧着(例えば特許文献2を参照)や、大気圧又はその近傍の圧力下においてプロセスガスをプラズマ化し、蓋材と該蓋材を接合する壁部の両方の表面を改質して接合する方法も提案されている(例えば特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-60127号公報
特開2002-139419号公報
特開2011-104886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マイクロ流路チップを製造するに際して、基板上に流路パターンを形成する樹脂層(壁部)と蓋材とを、接着剤を用いずに貼り合わせると、樹脂層と蓋材との接合(貼合)領域の界面(貼合面)に微小な隙間が形成される不具合が生じる場合がある。微小な隙間が形成される原因は、樹脂層の表面に存在するナノメートル(nm)オーダーからマイクロメートル(μm)オーダーの凹凸であると考えられる。すなわち、樹脂層の表面には、表面粗さの元となる微小な凹凸や、僅かな突起が存在するので、接着剤を用いずに蓋材を貼り合わせると、樹脂層と蓋材との上記界面(貼合面)に上記凹凸や上記突起に起因する微小な隙間が生じることとなる。この微小な隙間は、流路の製造方法や樹脂層を構成する材料の種類、蓋材と樹脂層の貼合条件に依存するものの、該隙間の発生を完全に防止することはできない。ちなみに、この樹脂層と蓋材との界面(貼合面)の微小な隙間はあまりに小さく、顕微鏡で観察できない。
【0007】
樹脂層と蓋材との界面(貼合面)に微小な隙間が多く存在する場合、又は、数が少なくても比較的大きい隙間が存在する場合には、その隙間に液が浸透し、隣接する流路が意図せず繋がってしまう。このため、該隙間を通じて流体(検体)の混入(コンタミネーション)が生じ、マイクロ流路チップとして求められる機能が提供できないおそれがある。
【0008】
また他にも、隣接する流路が意図せず繋がってしまう原因の一つとして、流路パターンを形成した樹脂層(隔壁層)の断面形状がある。基板上の隔壁層による流路パターンの形成には、リソグラフィ、切削、インプリント、射出成形など様々な方式が適用可能であるが、隔壁層の断面形状を完全な矩形にすることは出来ない。このため、どんなに製造条件を厳密に設定したとしても、流路パターンを形成する隔壁層の角部(上部の際部分)には、蓋材から離れるように湾曲した数μm~数十μmの曲面部(ラウンド部)が存在する。
【0009】
このような曲面部を有する隔壁層と蓋材とを接合(貼合)した場合、曲面部は蓋材と接触しない。このため、隔壁層と蓋材とを接合したマイクロ流路チップには、隔壁材料や流路作製条件によって大小の違いはあるものの、流路パターンの隔壁層の際部分(エッジ)に、必ず蓋材と接合されない浮き部(未接合部)が存在する。
【0010】
流路隔壁部を中心として両側に流路が形成された流路パターンにおいて、隔壁層の両側(左右)の浮き部(未接合部となる際部分)の領域が大きくなると、流路間が完全に繋がってしまい、流体(検体)の混入(コンタミネーション)が生じる。この場合、マイクロ流路チップが機能しなくなることは明らかだが、隔壁層の両側(左右)の浮き部(未接合部)が繋がるほどの大きさでなくても、隣接する流路間で流体(検体)の混入が発生することがある。これは、浮き部から浸入した流体(検体)が、前述した微小な隙間(樹脂層と蓋材との界面(貼合面)の隙間)を経路として、隣接する流路に浸透していると考察される。
(【0011】以降は省略されています)

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